キッチンのリフォームにかかる費用の相場と内訳
キッチンのリフォーム工事にかかる費用の相場と内訳を紹介します。希望するリフォームプランが予算の範囲内で可能かどうか、費用感を把握しましょう。
キッチンのリフォームにかかる費用の相場
キッチンのリフォームにかかる費用の相場は、約50万～150万円です。
コンロ機器のみの入れ替えやダクト交換など、キッチンの一部分のみをリフォームする場合は、数十万円程度です。
以下のように施工内容が大掛かりとなるリフォームは、高額になりやすいのが特徴です。
- キッチン本体をハイグレードに交換
- キッチンのレイアウト変更
- キッチンの幅を広くする
総額100万円を超えるリフォーム費用がかかる場合もあるため、よく検討する必要があります。
キッチンのリフォームにかかる費用の主な内訳
・キッチンの本体費用
キッチン本体の価格は、サイズや機能性、メーカー、シリーズなどによって変わります。デザインや機能がシンプルな標準仕様にすると価格を抑えることが可能です。
まず、「ブロックキッチン」「システムキッチン」「ミニキッチン」のどれを選ぶかで、かかるコストが大きく異なります。
さらに、システムキッチンは以下のような細かな内容でも費用が変動します。
- コンロはIHかガスか
- グリルを付けるかどうか
- 食器洗い乾燥機付きを選ぶか
- キャビネットのタイプは引き出しか開き扉か
- 形状はI型、2列型、L型、対面型などのどれを選ぶか
カタログやメーカーのサイト、ショールームに足を運んで、価格帯をあらかじめ調べ、予算を決めておきましょう。
・既存キッチンの解体・処分費用
キッチンリフォームは、既存のキッチンを解体し廃材を処分する費用がかかります。
キッチンの解体費用は、既存キッチンの状態や解体・撤去の工事内容で変動しますが、1.5万円〜3万円が相場です。
処分費用は、一般的に処分物を運ぶトラックの大きさで変わります。2tトラックの場合は1.5万円〜2万円、4tトラックの場合は2万円〜3万円くらいが相場です。
・キッチン本体や設備の設置費用
キッチンの設置費用の相場は、組み立てと設置を含めて5万円程度です。
ただし、リフォーム前よりも調理スペースを広くしたいといった要望がある場合、キッチン本体を大きくしなければならないため設備を移設する必要があります。設備によっては配管工事が必要となるため費用がかさみます。
また、ビルトイン食洗機や浄水器など設備機器のオプションを追加するほど費用は高額になるので、追加するオプションは慎重に検討しましょう。
・仮設工事費用
仮設工事費用の相場は1万円ほどです。仮設工事費用には、養生費や掃除、片付けの費用を含みます。
一戸建ての場合は室内や搬入経路に養生を施します。マンションの場合は室内・搬入経路だけでなく、共用廊下、エレベーターにも傷がつかないように養生しなければなりません。
・周辺の内装費用
内装費用は必ずかかる費用ではありません。老朽化やキッチンの位置を変更したために、床材、キッチンパネル、水栓、レンジフードなどの取り替え、新規設置が必要になったときにかかる費用です。
費用はグレードや材質によって大きく変わりますが、基本的には約10万円〜工事できます。
・電気・ガス・水道・換気の工事費用
電気・ガス・水道・換気の工事費用は、約3万円が相場です。
以下のような工事を行う際に費用がかかります。
- 換気扇ダクトやコンセントといった電気工事
- ガス、換気扇・排気ダクトの配管工事
- 水道の給排水管の工事
・諸経費
諸経費は、図面作成や役所・管理組合への申請、現場監理といった手間賃を指します。必ずかかる費用です。
諸経費を細かく算出するのは難しいため、多くの会社では「リフォーム費用の何％」といった形で決められます。
例えば、施工費用の9％と決められている場合、施工費用が60万円であればかかる諸経費は5.4万円です。
キッチンのリフォーム費用を安く抑える方法
キッチンをリフォームするには、本体費用、工賃、諸経費など、多くの費用がかかります。できるだけ費用を抑えてリフォームをしたいですよね。
以下より、キッチンのリフォーム費用を安く抑える4つの方法を紹介します。
条件に合わせてグレードの低いタイプを選ぶ
キッチンの扉やパネルなどの部材、オプション設備のグレードを低くすることで費用を抑えられます。
例えば、キッチンの天板の素材は天然石よりも樹脂の方が安く、換気扇は主流のシロッコファンよりもプロペラファンの方が低価格です。
機能やデザイン性などこだわる優先順位を決めておき、本当に必要かどうかを見極めていきましょう。
キッチンを移動させない
キッチンの場所を移動させるリフォームは、配管の移動や周辺の内装工事など大掛かりなものになるため費用が高くなりがちです。なぜなら工事期間が長くなってしまい、その分、人件費がかさんでしまうからです。
また、キッチンを既存と違うタイプに変更する場合も、配管の位置が変わることがあるため注意しましょう。
例えば、壁付けのL型からアイランド型のオープンキッチンに変更すると、ダクトや電気、ガスなどの配管を別の位置に付け直す工事が必要となります。
補助金・助成金を利用する
国や自治体の支援事業である住宅リフォームに関する補助金・助成金の制度を利用しましょう。省エネやエコ、耐震化など、長期優良住宅化リフォーム、介護を目的としてリフォームを行った場合に活用できます。
長期優良住宅化の適用条件を満たすと最大200万円〜250万円までの補助金を受け取れます。
ただし申請可能な期間や条件が決められており、年度によって変更されるケースがあるため、制度の詳細について事前に確認が必要です。
補助金や助成制度の利用を検討している方は、リフォームの見積もり時からリフォーム会社の担当者に相談しておきましょう。
相見積もりを取る
予算にあった施工会社や工務店を見つけるためにも、各施工会社や工務店の費用を比較することが大切です。相見積もりを取ることで、希望するリフォーム内容に合った業者がわかります。
費用を比較する際は、値引き額ではなくリフォーム費用の合計金額をチェックしましょう。割引額が大きい見積もりを提案されると安く感じますが、元々が高額であるケースもあり損をする可能性があります。
見積もりを多くの会社に依頼しすぎると比較するのが大変になってしまいます。2～3社程度に絞って見積もりを依頼するのがおすすめです。
キッチンをリフォームする際の注意点
キッチンのリフォームを失敗しないために、注意するポイントを5つ紹介します。
キッチンの利用者を考慮する
キッチンをリフォームする際には、誰が利用するのか、どのような利用の仕方をするのかをイメージしておきましょう。
例えば、こどもと一緒に料理する可能性があるならば、通路スペースを広く取った空間の方がおすすめです。通路や動線のスペースを広く確保することで、すれ違い様にぶつかることがなく同時調理もしやすくなります。
キッチンの高さは身長差を考慮しつつメインで調理する人の身長に合わせましょう。キッチンの高さが合わない場合、肩や腰、腕に負担がかかって痛めてしまったり調理がしにくくなります。
標準的なキッチンの高さは85cmです。それを基準にメインで調理する人にベストな高さを検討しましょう。
家事動線やワークトライアングルを考慮する
家事動線やワークトライアングルがきちんと確保できるようなキッチンの設計がおすすめです。キッチンでの作業がしやすくなり作業効率が上がります。
例えば、家事動線をスムーズにするためにはコンセントの位置が重要です。足元に延長コードやタコ足配線があると、足に絡まったり引っかかったりして転倒する恐れがあります。
コンセントの位置や家具・家電の位置を確認しながらキッチンの設計を決定しましょう。
使用する家電・家具のサイズを確認する
既存の家電や家具をそのまま使用する際は、そのサイズに合わせてキッチンの設計をすれば問題ありません。
しかし、リフォームを機に買い換える場合は、購入予定の家電や家具のサイズを確認してからリフォームしてください。搬入経路が確保できずに運べなかったり、設置できなかったりする可能性があります。
特に冷蔵庫やオーブン、カップボードなど、扉の開閉がある家具・家電は注意が必要です。設置位置やサイズの確認に加え、扉の開閉タイプや開閉時に必要なスペースは必ずチェックしましょう。
ゴミ箱のサイズ・設置場所を決めておく
ゴミ箱のサイズや設置場所を決めておくと、調理中のゴミ処理が楽になります。
理想的な設置場所は、使い勝手がよい場所であり、かつお客様が来たときにリビングやダイニングから見えない位置です。
もし予算に合えば、ゴミ箱をビルドインにするのもおすすめです。お客さんからの死角になるのはもちろん、スペースを別で確保する必要がなく一石二鳥です。
収納スペースの使いやすさを考慮する
収納スペースはキッチンのタイプによって位置や収納量が変わります。
例えば、対面式キッチンのアイランド型やペニンシュラ型は、キッチン下と背面の壁が収納スペースの中心となるため、使いにくさや容量の不足を感じる可能性があります。
たくさんの調理道具や調味料を使っている方は、キッチンの収納スペースが足りているか、使いやすいかを考えてキッチンを選びましょう。
キッチンリフォームは費用だけでなくリフォーム後を想像することも忘れずに
キッチンのリフォームは、費用を抑えることだけを考えるとリフォーム後の暮らしが不便になる可能性があります。
シンプルな機能やデザインのキッチンは手入れが簡単ですが、調理の最中に不便を感じる場合があるのがデメリットです。
安心かつ心地いい住まいにするためにも、リフォーム後の暮らしに目を向けることも重要です。優先順位を決めて削れるコストを探し、費用を抑えるよう心がけましょう。
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