お風呂の主なリフォームの種類
お風呂のリフォームにはさまざまな種類があり、どのような目的でリフォームするかによって適した工事が異なります。
以下より主なお風呂のリフォームの特徴や注意点について解説します。自宅のお風呂にはどのようなリフォームが適しているのかを理解しましょう。
在来浴室からユニットバスへの交換
在来浴室を利用していて「お手入れが大変」「お湯がすぐに冷めてしまう」と困っている場合は、在来浴室をユニットバスへ交換するリフォームを検討しましょう。
在来浴室は鉄筋コンクリートの上に浴室スペースを作り、防水加工を施す「在来工法」で作られた浴室です。洗い場の床をコンクリートで作り、タイルなどを貼って仕上げます。
在来浴室はタイルの隙間に汚れがたまりやすく、掃除が大変です。さらに工法上、気密性が低く外気の影響を受けやすいためお湯が冷めやすいデメリットがあります。
在来工法のデメリットを解決するのが、ユニットバスです。ユニットバスとは、浴室の壁・床・天井が一体化しているタイプの浴室です。あらかじめパーツを工場で生産し現地で組み立てます。
ユニットバスで使用する床・壁には、つるつるとした一枚の素材を使用します。つなぎ目がほとんどなく、汚れがたまりにくいためメンテナンスしやすいのが特徴です。
また部屋の中にもう一つ部屋を作る二重構造であるため、断熱性に優れ、温かい空間が維持されます。
ただし、在来浴室をユニットバスへ交換する際には以下のような点に注意しましょう。
- 既存の浴室を解体する必要がある
- 配管・土台が劣化している場合は追加の工事が発生する
- 浴室が狭くなるケースがある
心配な方は専門のリフォーム会社にご家庭の浴室状況を確認してもらうと安心です。
古いユニットバスから新しいユニットバスへの交換
ユニットバスは使い方やメンテナンスの頻度にもよりますが、10〜15年が寿命です。寿命がきたユニットバスは新しいユニットバスへ交換する必要があります。
古いユニットバスを使用し続けると、浴槽や壁にひびが入ったり、壁と浴槽などの繋ぎ目を塞ぐコーキング材が劣化し、水が侵入して腐食を引き起こしかねません。
また、寿命になる前でも以下のような症状が見られたら交換を検討してください。
- 浴室内にカビが増えてきた
- ひび・サビ・においが気になる
- 異音・水漏れ・照明がつかない等の不具合がある
古いユニットバスから新しいユニットバスへの交換は、在来浴室からユニットバスへの交換に比べて工事費が安く工期も短いのが特徴です。
しかし、階下への影響を考え防水性の高いユニットバスを採用するケースが多いため、マンションの場合は戸建てより施工費が高くなりやすいことを知っておきましょう。
間取り変更を含む浴室の大規模な改修
「せまい浴室をもっと広くしたい」「浴室が暗いから明かりを入れるための窓を取り付けたい」といった要望を実現するためには、間取りの変更を含む大規模なリフォームが必要です。
基礎スペースを広げる、浴室を移動する、増築するなどさまざまな方法でリフォームします。
しかし浴室のスペースを広げたり増築したりすると、掃除が大変になるケースがあるため注意しましょう。
また浴室を移動するリフォームは、配管の工事が必要になる場合があります。共同住宅やマンションなどでは配管の移動が禁止されていることがあり、リフォーム自体が困難です。
大規模な改修を考える場合は、リフォーム業者に相談したり、管理会社へ確認をするようにしましょう。
浴室と洗面所をまとめてリフォーム
お風呂のリフォームを検討している際には、洗面所のリフォームを合わせて検討してみてください。お風呂と洗面所は耐用年数が近く、同じタイミングで寿命を迎えるため、一緒にリフォームすることでリフォームにかかる手間を軽減できます。
浴室と洗面所をまとめてリフォームする具体的なメリットは以下の通りです。
- 費用が安くなるケースがある
- デザインを統一できる
- 労力・工期を減らせる
浴室と洗面所は隣接しているため、クロス・床の張り替えなど同じ工事を行うケースがあります。同じ職人さんにまとめてお願いすることで効率が上がり、移動費や人件費が浮くため、割引になるリフォーム業者もあります。
隣接する空間を一緒にリフォームすることで、デザインに統一感が生まれることもメリットです。お風呂だけリフォームすると、洗面所の劣化が目立ってしまうことが懸念されます。
また浴室と洗面所に加えて、キッチンやトイレなど水まわりをまとめてリフォームするプランを用意している業者もあります。
お風呂をリフォームする際には、水まわりで他にリフォームを検討する箇所がないかチェックしましょう。
お風呂のリフォームの工期と費用の目安
お風呂のリフォームは工事内容によって工期・費用が変わります。
工期や費用はリフォームを考える上で大切な情報ですので、知識を身につけておきましょう。
【工事内容別】お風呂のリフォームの工期の目安
工事内容別のお風呂のリフォームにかかる工期の目安は以下表の通りです。
工事内容 | 工期の目安 |
---|---|
ユニットバスの交換 | 3日~5日 |
在来浴室からユニットバスへの交換 | 5日~9日 |
間取り変更を含む浴室の大規模な改修 | 7日~1カ月 |
浴室と洗面所をまとめてリフォーム | 3日~10日 |
バスタブの交換など比較的簡単な作業であれば短期間で済みます。シロアリ対策や配管の追加工事などオプション工事がある場合は工期が長くなる傾向です。
マンションの場合は、リフォーム前に近隣住民や管理会社へ説明するため日数が必要です。
また、年末を迎える前の12月や新生活が始まる直前の3月などは業者の繁忙期となるため、すぐにリフォームに取り掛かれない場合があります。
工期に関して気になることがある場合はリフォーム業者に問い合わせて確認しておきましょう。
【工事内容別】お風呂のリフォーム費用の相場
工事内容別のお風呂のリフォームにかかる費用相場は以下の通りです。
工事内容 | 費用の相場 |
---|---|
ユニットバスの交換 | 60万円~150万円 |
在来浴室からユニットバスへの交換 | 80万円~150万円 |
間取り変更を含む浴室の大規模な改修 | 80万円~250万円 |
浴室と洗面所をまとめてリフォーム | 60万円~200万円 |
ハイグレードなユニットバスを使用したいといった要望がある場合や、配管や土台が劣化していて追加工事が必要になる場合など、要望や状況によって費用が変動します。
また、バリアフリーリフォームの場合は補助金制度の対象になるケースもあるため、自分のリフォームが対象かどうか事前に確認しておきましょう。
詳しい工期や予算はリフォーム業者に見積書を出してもらうのがおすすめです。見積書を出してもらうときは一社だけでなく、複数の業者から見積もりを撮るのがポイントです。適正な価格帯が分かり、業者との相性を確認できます。
お風呂のリフォームでよくある質問
お風呂のリフォーム中はお風呂に入れるのか、お風呂のリフォームはどのタイミングでするのが理想なのかなど、お風呂のリフォームを検討する際にはさまざまな疑問が出てきます。
以下では、お風呂のリフォームでよくある質問に回答します。お風呂のリフォームを失敗しないためにも、気になる質問だけでも確認し疑問を解消しておきましょう。
お風呂のリフォームを上手に進めるポイントは?
満足の行くリフォームをするためには、お風呂の使い方を想定してリフォームを考えることが大切です。
お風呂は使い方によって必要な設備が異なります。たとえば高齢の方が使いやすいようにバリアフリー対応のお風呂にする場合は手すりを追加したり、転倒しにくい床材を使用するなどリフォームが必要です。
要介護者がいるご家庭の場合は、シャワーキャリー(入浴用の車椅子)やバスリフト(浴槽内昇降機)を導入することで入浴が楽になります。
これらはあくまで一例で、ペットがいる、小さいお子さんがいるなどによって、必要な工事は異なります。
浴室に必要な機能は何なのかを洗い出し、お風呂のリフォームに備えましょう。
リフォーム中にお風呂に入りたいときはどうすれば良い?
リフォーム工事中は工事規模の大小にかかわらずお風呂に入ることは困難です。
短期間の工期であればホテルに宿泊したり、友人宅や実家のお風呂を借りたり、銭湯を利用するなどして対策が可能です。
1週間以上の長期に及ぶリフォームの場合やどうしても家でお風呂に入りたい、自宅以外の入浴方法がないという方は、仮設のお風呂を設置してもらえるかどうかリフォーム業者に相談してください。
金銭面や工事期間に合わせて事前に対策を検討しておきましょう。
お風呂のリフォームは何年目が目安?
お風呂のリフォームは設備に不具合が起き始めたり、タイル・ユニットバスにひび割れが生じ始めたりする15年〜20年が目安です。
ただし、以下のような症状があれば年数にかかわらずリフォームが必要です。
- 浴室内にカビが増えてきた
- ひび・サビ・においが気になる
- 異音・水漏れ・照明がつかない等の不具合がある
一概にお風呂と言っても、浴槽や壁など部位ごとに耐用年数が変わります。部分的なリフォームを考える場合は専門業者に相談しましょう。
お風呂のリフォーム費用を安く抑えるコツは?
お風呂のリフォーム費用を安く抑えたい場合は以下のような方法を検討してみてください。
- 新品に取り替えず浴室塗装で部分的にリフォームする
- 補助金や減税制度を利用する
- 商品のグレードを下げる
- 複数の業者から見積書を取り、適正価格をしっかり見極める
また、リフォーム費用を安く抑える方法の一つとしてDIYも可能です。ただし、お風呂のDIYは漏水事故・ケガ・浴槽が使えなくなるなどデメリットも多いため、以下のような部分的なリフォームに限ります。
- 壁材の変更・補修
- バスタブの交換
- 床シートの貼り付け
専門的な知識がなく不安な方は、無理せずプロのリフォーム業者に任せましょう。
戸建てやマンションでお風呂のリフォームに違いはある?
戸建てかマンションかによってお風呂のリフォームは価格や流れに違いが生じます。
たとえば、ユニットバスには同じメーカーのシリーズにも戸建て用とマンション用があります。マンションにユニットバスを設置する場合は規約や近隣住民への考慮から制限が多く、商品の構造が戸建て用よりも複雑になります。
そのため、一般的にはマンション用の方が費用がやや高くなる傾向です。性能面に違いはありません。
また、マンションの場合はリフォームに関する規制を事前に確認する必要があります。リフォームして問題ないか、オーナーや管理会社に問い合わせましょう。
お風呂をリフォームして快適な毎日を過ごそう
お風呂をリフォームすれば、使い勝手が良くなり、暮らしの質が向上します。省エネによる光熱費の節約にも効果的です。
お風呂のリフォームは、リフォームの目的によって適した工事が異なります。
どのような目的でリフォームをするのか、必要な機能は何なのかをしっかり検討した上でリフォームを実施してください。
どのような工事が適しているのか判断できない、予算を抑えつつも希望するリフォームを実現したいなど、お風呂のリフォームでお悩みの方は専門のリフォーム業者に相談しましょう。リフォーム業者探しに迷ったら、あらゆる建物の工事・リフォームの一括見積もりが可能な『ミツマド』の利用がおすすめです。厳しい審査基準をクリアした安心・信頼できる優良企業・職人をご紹介しますので、安心して業者選定を行えます。また、専門スタッフが安心して工事を進められるよう全力でサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。