水回りのリフォームの種類とタイミング
目に見える故障だけで判断せずに、さまざまな観点から自宅の水回りがリフォームのタイミングかどうかを正しく判断することが大切です。
キッチン、お風呂など、それぞれの水回りでどのようなリフォームができるのか、またリフォームを検討するタイミングについても解説します。
水回りのリフォームの主な種類
主なリフォーム箇所 | 主なリフォーム箇所 |
---|---|
キッチン | システムキッチンを取り替える工事やキッチンのタイプを変更する工事 |
お風呂 | タイルなどが張られた浴室からユニットバスに変更する工事 |
洗面台 | 洗面台本体を取り替える工事や床や壁紙も張り替える工事 |
トイレ | 便器のみを取り替える工事や床や壁紙も張り替える工事 |
キッチンリフォームでは、システムキッチン全体を新品に取り替える工事や、キッチンのタイプを変更する工事が一般的です。壁付きタイプからアイランド型・ペニンシュラ型などの対面式キッチンへ変更する場合には、キッチン自体の位置変更が必要です。そのため、床材や壁紙の貼り替えもあわせて行います。
その他にも、コンロやレンジフード、食洗器などの設備だけの交換も可能です。
お風呂で多いリフォームは、防水加工をした部屋にタイルを張って作られた在来工法の浴室をユニットバスに変更する工事です。ユニットバスに変更することで、断熱性や気密性が向上します。浴槽のみの交換も可能です。
また節水効果の高いシャワーにしたり、掃除の手間がかからない排水溝にしたりと、浴室内の設備機能を高めるリフォームも行われます。
洗面台のリフォーム工事は、洗面台本体を取り替えたり、洗面台を新たに設置する工事を指します。収納が多い洗面台に交換すれば、狭い空間でも収納スペースをしっかり確保できます。シャワー付きやシングルレバー水栓への変更といった部分リフォームも行います。
交換に合わせて床や壁紙を張り替える工事もでき、好みの空間にリフォームが可能です。
湿気の影響でカビによる腐食が進んでいた場合は、床にある根太の入れ替えや壁の補修などの改修が必要なケースがあります。
トイレのリフォームでは、便器のみを取り替える工事、床や壁紙を張り替える内装工事、和式から洋式へと変更する工事を行います。近年は、見た目のすっきりしたタンクレストイレが人気です。空間が広くなり、掃除もしやすくなります。
洗浄便座を取り付ける工事は便座の工事だけで済みます。ただしコンセントがないと使用できないため、トイレ内にコンセントがあるか確認をしましょう。
水回りのリフォームを行うタイミング
水回りの場所ごとに設備の交換目安があります。使用年数や設備の状態を確認しリフォーム時期か判断しましょう。各水回り箇所の交換目安時期と症状は以下の通りです。
【キッチン】
時期:15~20年
症状
・シンクのくすみや汚れが取れない
・サビがひどい
・天板に傷や凹みがある
・ガス臭い
・レンジフードのファンの回転がおかしい
【お風呂】
時期:20年
症状
・浴槽や壁にヒビがある
・壁と浴槽の隙間を埋めるコーキング剤が劣化している
・換気扇の効果が感じられない
・カビがすぐに生える
・排水溝の臭いがひどい
【トイレ】
時期:15~20年
症状
・黄ばみや汚れが目立つ
・便器にヒビ割れがある
・温水洗浄便座から変な音がする
・レバーが回らない
【洗面台】
時期:15~20年
症状
・洗面ボウルにヒビが入っている
・収納扉のがたつき
・蛇口の不具合
・排水溝からの臭いが気になる
・配管が詰まって水の流れが悪い
見えない部分の腐食や劣化は、専門家以外にはなかなか発見できません。腐食や劣化があると修繕費用が高額になる可能性があります。
問題なく使用できていても10年〜20年でリフォームを検討し、専門業者に確認してもらいましょう。
・給湯器の交換時期を目安にする
給湯器も水回りと同様に10年前後が交換時期です。給湯器が交換時期を迎えるということは、水回りのリフォームを検討する時期でもあります。
給湯器は故障してしまうと、「ある日突然お湯が出ない」といったトラブルを引き起こしかねません。定期的にメンテナンスが必要な設備です。
給湯器換の費用はメーカーや種類によって差が大きいものの、おおむね10万円~35万円ほどです。給湯器の交換と水回りのリフォームを同時にすると、効率もよく費用が安くなる場合があります。
ずっと水回りのリフォームをしないまま給湯器の交換時期を迎えたならば、水回りのリフォームもあわせて検討しましょう。
・ライフスタイルが変化したときに検討する
子どもが生まれた、高齢の家族との同居が始まったなど、ライフスタイルが変化した時は、適切なリフォームのタイミングです。
たとえば壁付きのキッチンを対面式のキッチンに変更すれば、子どもの様子を見ながら料理ができます。
また、高齢者の方と同居する場合はバリアフリーのためのリフォームが必要です。段差をなくしたり、浴槽の高さを低くするといったリフォームを検討しましょう。
家族構成に合わせて水回りの設備を使いやすいようにリフォームすれば、不便を感じることなく快適に生活できます。
水回りのリフォームを行う際の費用相場
水回りのリフォームでは、各水まわり箇所やどのような工事をするかによって、費用に大きく差が生じます。
キッチンやお風呂、洗面台、トイレそれぞれの費用相場を詳細に紹介します。
水回りのリフォームをする際の費用相場
各水回りごとの費用相場は以下の通りです。
水回りのリフォーム箇所 | 水回りのリフォーム費用相場 |
---|---|
キッチン | 50万円~200万円程度 |
お風呂 | 60万円~250万円程度 |
洗面台 | 10万円~50万円程度 |
トイレ | 4万円~100万円程度 |
キッチンは、ガスコンロをIHに交換したり食洗機を交換したりする部分工事であれば、費用は50万円程度です。壁付きキッチンを対面式にするキッチンの移動を伴うリフォームは100万円以上の費用がかかります。設備にハイグレードなものを選ぶならば、200万円程度を想定しておきましょう。
また配管の工事が必要なキッチンリフォームは150万円以上の費用が必要です。
お風呂は、ユニットバスからユニットバスへのリフォームは約60万円〜130万円、在来工法からユニットバスへのリフォームは、約70万円〜150万円が必要です。浴槽のサイズによって費用に差が生じます。また、在来工法から在来工法へのリフォームは約70万円〜200万円の費用がかかります。在来工法のお風呂をリフォームする場合は、撤去作業に費用がかかるため高額になる傾向です。
手すりの設置やドア交換だけの部分工事であれば、約50万円の費用で済みます。
浴室を拡張する工事や、ハイグレード設備の使用は高額になるため、必ず見積もりをとりましょう。
洗面台はサイズにもよりますが、小さなものでシンプルな洗面台の交換であれば7万円程度です。デザインや機能性がよくなると10万円〜50万円程の費用が発生します。
クロスや床の張替えを一緒にするならば追加で5万円〜7万円程度の費用がかかることを知っておきましょう。
また洗面台の移動を伴うリフォームや、2つ目の洗面台を新設するリフォームは50万円以上の費用がかかります。
トイレは洋式から洋式にリフォームする工事だけなら5万円〜25万円程度です。和式から洋式に変更するリフォームは、20万円〜60万円ほどの費用が発生します。
費用は設置するトイレの種類や便座の機能で異なります。
トイレのリフォームで費用を抑えたいならば、自分でトイレを購入し工事のみを業者に依頼するのも1つの方法です。
水回りのリフォーム費用を抑えるコツ
水回りのリフォームは高額になりやすいため、できるだけ費用は抑えたいですよね。
以下より、水回りのリフォームで費用を抑える3つのコツを紹介します。コツをうまく活用し、費用を抑えて満足のいくリフォームにしましょう。
同時にリフォームできないか確認する
水回りのリフォームは、3~4か所まとめて行うと費用を抑えられる場合があります。
水回りのリフォームでは、給排水管の接続工事が必要です。3~4か所を同時に行うことで1度に済ませることができ、人件費や施工費用を抑えられます。
また各リフォーム箇所に必要な設備をまとめて仕入れることで、設備の価格自体を抑えて仕入れられるのも理由です。
リフォーム会社によっては、TOTOやLIXIL、クリナップなど同じメーカーの設備がまとめられた「3点セット」「4点セット」などのセットプランが用意されています。
依頼するリフォーム会社にセットプランがある場合は、ぜひ活用しましょう。
設備のグレードを下げる
水回りの設備本体の金額はグレードに大きく左右されます。費用を抑えたい場合は、設備のグレードを下げることも検討しましょう。なかでもユニットバスやシステムキッチンは費用に差が生じやすい設備です。
機能、デザインなど、リフォーム前の設備の何が問題でリフォームを決めたのかを考えてみてください。何を優先して設備を決めればよいか判断でき、妥協ポイントを発見できます。
どうしてもグレードを下げたくない場合は、アウトレット商品を探すのも1つの方法です。
補助金や助成金の制度を利用する
リフォームの工事内容によっては、国や地方自治体が用意する補助金・助成金制度を利用できます。たとえば、以下のような補助金・助成金制度です。
- 介護保険による住宅改修費の支給
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- こどもエコすまい支援事業
また地方自治体によっては、独自の助成金制度が用意されていることもあります。
補助金・助成金制度は、申請の条件やスケジュールが細かく定められています。申請のタイミングを逃さないよう、こまめにサイトをチェックし早めに準備をしておきましょう。
水回りのリフォームを行う際の注意点
水回りのリフォームを実施する際に注意すべきポイントを3つ紹介します。
リフォームの完成に納得がいかない、工事中に不便な思いをした、といったことが起きないよう、注意点を把握しておきましょう。
見積もりは複数社に依頼する
リフォームの見積もりは、1社だけでなく複数社に依頼しましょう。複数社に依頼することで、見積もりの費用が妥当かどうか判断できます。
見積もりの依頼時には要望を細かく伝えてください。出来上がった見積もりに要望内容が含まれているか確認します。
要望を伝えるなかで、商品の知識が豊富か、不具合があった場合にすぐに駆けつけてくれるかなどを確認し、安心できる業者を見極めましょう。
各社から見積書が届いたらすべてを比較し、希望するリフォーム後の姿に近づけられるよう予算や要望に適合した業者を選びましょう。
水回りが使えなくなる期間を把握しておく
リフォーム前に、工事期間(工期)を確認しましょう。工事中は水回りを使用できなくなるため、いつも通りの生活ができません。
工事が数時間で終わる場合は問題ありませんが、数か所まとめて工事する場合や大規模なリフォームを実施する場合は数日間かかります。
工事期間中の生活に困らないよう、事前に仮住まいを用意したりホテルを予約したりと、工事期間中の住まいを準備しておきましょう。
不可能なリフォームとならないか入念に打合せしておく
家の造りによっては、希望するリフォームが実現できない場合があります。自分が希望とするリフォームが可能かどうか、リフォーム業者としっかり打ち合わせをしましょう。
たとえば一戸建てであれば比較的自由にリフォームが可能ですが、マンションは規約で制限されており配管の移動が自由にできません。そのためお風呂の場所の移動、キッチンの壁付きタイプからアイランド型・ペニンシュラ型への変更ができない可能性があります。
リフォーム業者を決定したのち不可能だとわかると、妥協を強いられ満足感のないリフォームになる恐れがあります。事前に細かな要望を相談して提案を聞き、できることとできないことをはっきりさせましょう。
水回りのリフォームで自宅の住みやすさを向上させよう
汚れや臭いなど認識できる不具合は、水回りのリフォーム時期を判断しやすい特徴です。しかし、配管や部品など、自分たちでは判断できない場所が知らないうちに劣化し、突然故障してしまう可能性もあります。
それぞれの水回り箇所で設備の交換年数は異なりますが、支障なく使用できていても約10年〜20年のタイミングでリフォームを検討するようにしましょう。
ライフスタイルに合わせたリフォームを実施し、快適な住まいを作りましょう。
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水回りのリフォームに詳しい専門スタッフが、ご要望に合う業者を複数紹介してくれるのでスムーズに施工を進められます。
ぜひお気軽にお問い合わせください。