改築工事とは?
そもそも「改築工事」とは何かご存知ですか?改築工事の他にも「改修」「増築」「新築」など似たような言葉があり、それぞれの違いを正しく認識している方は多くありません。
以下より、改築工事とは何かを解説します。合わせて似た言葉についても解説するため、違いを理解しましょう。
改築工事の定義
改築工事とは、建物の全部または一部を壊して、大きさ・用途・構造が同じような建物を作る工事です。建物の床面積を変えずに、新しく同じような機能を持つ建物を建築します。
そのため、家の位置や構造、階数に大きな変化がある工事は改築工事にあたりません。
具体的には、以下のような工事が改築工事です。
- 間取りの変更
- 耐震工事
- 中古物件のリフォーム
希望する工事が改築工事かどうか判断するには、既存の建物と新しい建物が「大きさ・用途・構造」の3つのポイントにおいて、同じであるかどうかをチェックしましょう。
改築工事と似ている用語との違い
改築工事に似ている以下3つの用語について解説します。
- 改修
- 増築
- 新築(建て替え)
違いを正しく理解し、意味を混同しないようにしましょう。
・改修工事との違い
改修工事と改築工事の違いは「建物を壊すかどうか」です。改築工事では建物の全部もしくは一部を取り壊します。一方、改修工事は、建物そのものを壊さずに、設備や内装の一部を撤去・変更する工事です。
改修工事の例には、壁紙の張替やキッチン・お風呂など水回りの交換があげられます。改築工事と比べると小規模な工事であることが特徴です。
・増築工事との違い
増築工事と改築工事の主な違いは、「面積が変わるかどうか」です。改築工事は既存の建物と改築後の建物の面積がほぼ変わりません。一方、床面積や家の階数を増やす増築工事は、工事後の建物の面積が既存の建物よりも大きくなります。さらに、増築工事は既存の建物を壊さない点も改築工事との相違点です。
増築工事の具体例は、新たな部屋やサンルームを増設したり、平屋建ての建物を2階建てにする工事です。
また、増築工事の反対に「減築工事」があります。建物面積や階数を減らす工事で、掃除の手間を減らし建物全体の耐震性を向上させる効果があります。増築工事と同様、建物面積が変化する点が改築工事との違いです。
・新築(建て替え)工事との違い
新築(建て替え)工事と改築工事の違いは、「新しく家を建てるか、既存の家を基に工事をするかどうか」です。
改築工事は既にある建物の全部や一部を取り壊し、新しく同じような建物を建築する工事であるのに対し、新築工事は、更地に一から建物を建築します。
改築工事のメリット・デメリット
家のリフォームを検討した際に、改築工事を選択するメリットもあれば、デメリットもあります。以下より改築工事のメリット・デメリットを解説します。
・主なメリット
改築工事も主なメリットは以下の3つです。
- 新築(建て替え)工事よりもコストを抑えられる
- 家で生活しながら工事ができる場合がある
- 耐震性能や断熱性が向上する
改築工事は、建物の一部または全部を壊して工事を実施します。コンクリートでできた基礎部分やまだ使える柱や梁をそのまま利用すれば、材料費や工事費用などのコストを軽減することが可能です。
また、小規模な改築工事や一部屋ごとに対応してもらう工事であれば、工事期間中に引っ越しをせずに工事を進められます。工事の進捗状況も確認でき、家に誰もいない状況を減らせるため防犯にもなり安心です。
ただし、工事の内容によっては引っ越しをした方が短期間で工事が完了する場合もあります。引っ越しをした方がいいかどうかはリフォーム業者に確認しましょう。
改築前の家は経年劣化で断熱性能や耐震性能が弱まっています。改築工事の際に耐震性能や断熱性のある素材を用いることで、建物の機能性を回復させられます。
・主なデメリット
改築工事の主なデメリットは、建物の状態次第で追加工事が発生する可能性がある点です。
例えば、構造や建物の状態が図面通りでなかった、経年劣化で建物の状態が想定よりも老朽化していた、耐震面が不十分な箇所が発覚し追加で工事が必要になったなどの場合です。想定外の状態が発覚すると改築工事が思うように進まないうえに、予算以上の費用がかかってしまいます。
追加工事をあらかじめ見越し、余裕を持った予算や工期を組みましょう。
改築工事にかかる費用の相場
改築工事を行う際、価格は特に気になるポイントです。
工事の費用相場は、工事の場所や戸建てかマンションかによって異なります。おおまかな費用相場を把握し、自分が希望する改築工事を実施するにはどのくらいの予算が必要か検討しましょう。
以下より、「場所別」と「建物・坪数別」に分けて改築費用の相場を解説します。
【場所別】改築工事の費用相場
工事場所ごとの費用相場は、以下表のとおりです。
改築場所 | 改築の費用相場 |
---|---|
キッチン | 約40万円〜150万円 |
浴室 | 約60万円〜150万円 |
トイレ | 約20万円〜50万円 |
屋根 | 約50万円〜350万円 |
外壁 | 約50万円〜350万円 |
耐震 | 約25万円〜200万円 |
場所別の改築工事は、工事内容や使用する部材のグレードによって費用相場が異なります。
例えば、壁付キッチンを部材だけ交換する場合、部材以外の費用があまりかからず100万円以下でリフォームすることが可能です。一方、壁付キッチンをカウンターキッチンにリフォームする場合は100万円~200万円の予算を組む必要があります。排水管や電気工事、広範囲でキッチン周りの内装工事が必要になるからです。
100㎡~200㎡の外壁工事は塗装工事であれば50万円~60万円前後と安価に済ませられます。 新しい外壁材を張り替える場合は外壁材分の費用がかかるため、150万円~300万円程度の金額が必要です。
●【建物・坪数別】改築工事の費用相場
マンション・戸建ての全面改築の費用相場は、以下表のとおりです。
マンション | 戸建て | |
---|---|---|
1坪当たり | 25万円〜 | 40万円〜 |
21坪(70㎡) | 525万円〜 | 840万円〜 |
30坪(100㎡) | 750万円〜 | 1,200万円〜 |
40坪(130㎡) | 1,000万円〜 | 1,600万円〜 |
マンション・戸建てのどちらでも、全面改築のような大規模工事は費用が高額になりやすい傾向です。部材のグレードも費用に影響します。
戸建ての場合、工事できる範囲も広くなり工事費用も高くなりがちですが、工事範囲が限られるマンションは費用が抑えられる傾向があります。またマンションは改築できない箇所もあるため、事前に管理会社へ改築工事が可能かどうか確認しましょう。
改築工事を行う際の注意点
改築工事を行う注意点には以下の3つがあります。
- 申請が必要なケースがある
- 固定資産税の評価額が上がる場合がある
- 相見積もりを取るようにして、業者を慎重に選ぶ
改築工事で失敗しないために、ポイントを押さえておきましょう。
申請が必要なケースがある
改築工事を実施する際には、「建築確認申請」が必要な場合があります。建築確認申請とは、「工事した建物が建築基準法などの法規制に適合しているかを確認する手続き」です。
改築工事では、以下の場合に建築確認申請が必要です。
- 10㎡以上の改築を行う場合
- 準防火地域、防火地域での改築を行う場合
建築確認申請は、建築士やリフォーム業者に依頼するのが一般的です。費用相場は行政への申請費用が合計3万円~5万円と、書類作成費用15万円〜が必要になります。合わせて20万円~40万円ほどを予算として確保しておきましょう。
固定資産税の評価額が上がる場合がある
改築工事後に建物の価値を再評価した結果、建物の機能が上がったことに伴って、固定資産税も上がる場合があります。
例えば、骨組みだけの姿になるような大規模改築の場合は、工事後ほとんど新築と同じ状態になるため、固定資産税も上がりやすい傾向です。
固定資産税の評価額の見直しは、3年に一度実施されます。
●相見積もりを取るようにして、業者を慎重に選ぶ
改築業者を選ぶ際には、相見積もりを取って比較検討したうえで業者を選定しましょう。相見積もりを取ることで以下の効果が見込めます。
- 相場から大きく外れた業者への依頼を回避できる
- 経験やノウハウがより優れた業者に依頼できる
- 業者・担当者との相性を把握できる
相場よりも高額な業者に依頼してしまった、知識やノウハウがなくスムーズに申請が進められなかったなどのトラブル避けるためにも、複数の業者から慎重に選びましょう。
改築工事の相見積もりはミツマドへご相談を!
改築工事は建物の一部あるいは全部を壊して同じ大きさ・用途・構造の建物を作る工事を指す言葉です。新築よりコストを抑えられて、機能性を向上させれるメリットがあります。
工事の費用は工事の規模や工事の場所、戸建てかマンションかなど複数の要因で異なります。自分が希望する工事や予算をあらかじめ検討しておきましょう。
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