コンクリート塗装のメリット・デメリット
コンクリート塗装をしたの実施時、完成がイメージが違う・予想より経年劣化が早いなどのトラブルを防ぐために、メリットとデメリットを把握しておくことをおすすめします。
ここでは、コンクリート塗装の代表的なメリットとデメリットを3つずつ紹介します。
コンクリート塗装のメリット
コンクリート塗装には、以下3つのメリットがあります。
- コンクリート表面を保護できる
- 塗装箇所の色あせを防げる
- クラック(ヒビ割れ)の進行を防止できる
それぞれについて説明します。
1 コンクリート表面を保護できる
コンクリートで塗装されていない場合、雨風や紫外線などの天候による影響を受けて建物が劣化してしまいます。
撥水効果が得られる塗装をすると、カビやコケなど汚れの原因から塗装箇所を守れます。
2 塗装箇所の色あせを防げる
コンクリート塗装は、一般的に新築から10年程度で色あせが目立ち始めます。
塗装によりカビやコケの発生を抑えられ、6~7年程度は建物の美観を保てます。
3 クラック(ヒビ割れ)の進行を防止できる
塗装していないとクラックが進行しやすくなり、建物の壁などにヒビや亀裂が入ります。
そのまま放置するとクラックが広がり雨水が浸透してしまいます。
クラックの拡大やコンクリート内にある鉄筋のサビの原因につながり、建物の劣化を引き起こすため注意が必要です。
内部の鉄筋が酸化してサビと膨張が進むと、鉄筋周辺のコンクリートが建物の外側に押し出される可能性があります。
コンクリートの爆裂現象(コンクリートの表面が一部欠落したり鉄筋が露出してきたりする現象)を防ぐためのクラック箇所の補修をすると、ひび割れの進行を防げるため雨漏りの防止が可能です。
コンクリート塗装のデメリット
コンクリート塗装のデメリットには、以下3つが挙げられます。
- 塗装方法によってはクラック(ひび割れ)が進行してしまう
- 塗装内部に生じた隙間によって、カビや水垢によるシミが発生しやすい
- 塗料の種類によっては塗装が剥がれやすくなる場合がある
それぞれについて説明します。
1 塗装方法によってはクラック(ひび割れ)が進行してしまう
経年によって塗膜が劣化したり塗料の馴染みが悪かったりすると、クラックが進行します。
ひび割れは、建物の内部に雨水を侵入させ、建物内部の劣化や腐食を引き起こします。シロアリの発生や雨漏りの大きな原因です。
乾燥で生じるクラックを抑えるために、塗装に使うコンクリートに含まれる1単位あたりのセメント量を少なくする・低発熱型セメントを使うなどの対策をしてください。
2 塗装内部に生じた隙間によって、カビや水垢によるシミが発生しやすい
コンクリートの特徴は、吸水性が高い点です。
塗装内部の隙間から室内の水分を吸収し建物に溜め込むため、コンクリート面の壁の内部に吸収されてしまいます。
湿気が吸収されると、カビや水垢によるシミが発生する可能性が高まります。
中性化が進めば、鉄筋にサビが発生したり健康を害する悪影響を引き起こしかねません。
カビや水垢を防ぐために、塗装時に使う下塗り剤で、コンクリート用の防カビ下塗り剤や浸透性吸水防止剤を使いましょう。
3 塗料の種類によっては塗装が剥がれやすくなる場合がある
コンクリート面と合っていない壁・床用塗料や粗悪な塗料を使うと、塗装が剥がれやすくなってしまいます。
下地をきちんと整備し、コンクリートに合った塗料を選ぶことで塗装を剥がれにくくできます。
【場所別】コンクリート塗装の費用相場と耐用年数
コンクリート塗装をする前に、業者に依頼する場合はどのくらいの費用がかかるのか相場を知っておきましょう。
コンクリート塗装を業者へ依頼した場合の費用相場を床と外壁に分けて、塗料別に解説します。
コンクリート床
コンクリート床とは、主に玄関やガレージ、車庫やベランダなどをコンクリートで塗装されている床のことを指します。
コンクリート床の費用相場は1平米あたり3,000~7,000円で、塗料の耐用年数は約10年です。
経年が10年に近づくにつれ ひび割れができる確率が向上し、建物が劣化する原因となる雨漏りが発生したり建物内の鉄筋にサビが生じたりします。
塗料は、乾燥が速く美しいツヤに仕上がる、水性のものがおすすめです。
費用は塗料の種類に加えて、どのくらいの厚さで塗装するかによって単価が変動します。
床への塗装は、塗料の重ねを繰り返し厚くするほど耐久性の向上が可能です。
ただし、作業に必要な塗料の量や手間が増えるぶん塗料費や人件費がかさみ、依頼料金は高まります。
荷物の搬入が多い建物の床など劣化しやすい床への塗布を厚くすること、塗り直しの手間や費用を省け、長期的なコストの節約ができます。
<コンクリート床の塗装費用と耐用年数の目安>
塗料の種類 | 費用相場(平米) | 耐用年数 |
---|---|---|
ウレタン塗装 | 3,000~6,000円 | 10~12年 |
FRP塗装 | 4,000~7,000円 | 10~12年 |
コンクリート床を塗装する塗料には、ウレタン塗装とFRP塗装の2種類があります。
ウレタン塗装とはウレタン樹脂を塗り広げる防水工法のことです。費用を比較的安価に抑えた塗装ができます。
防水性・耐摩耗性・耐熱性が高いため、ひび割れや段差が生まれやすい加工食品工場・機械工場でも用いられています。
ウレタン塗装に使われている樹脂の下地処理が不完全だと、耐用年数が縮まるケースがあるため注意が必要です。
下地処理は、施工者のスキルや能力が大きく影響するため、実績を積んでいる専門業者への依頼を検討してください。
FRP塗装とは、プラスチック繊維を敷いた上に樹脂でコーティングする防水工法です。
ウレタン塗装と同じレベルで高い防水性があり、塗装すると重さや衝撃への耐性を強化できます。1平米あたり4kg程度の重量であるため、他の塗料と比べて最も軽量なのが特徴です。
築年数が長い住宅のベランダなど、重さに弱い部位の塗装向きです。
コンクリート外壁
コンクリート打ちっぱなしの外壁の塗装費用相場は1平米あたり2,000~9,000円で、足場を設置する場合は料金が別途かかります。
塗装には、コンクリートは雨風に強くないため、撥水剤や防水剤などが含まれた塗料を塗布するのが一般的です。
塗料の種類によって、費用やメンテナンス期間が異なります。
<コンクリート外壁の塗装費用と耐用年数の目安>
塗料の種類 | 費用相場(平米) | 耐用年数 |
---|---|---|
撥水剤 | 1,000~2,500円 | 3~7年 |
クリア塗料 | 3,000~5,000円 | 5~10年 |
弾性塗料 | 2,000〜3,000円 | 10〜12年 |
コンクリート外壁の塗料には、撥水剤、クリア塗料、弾性塗料の3種類があります。
撥水剤とは、コンクリートの防水性を保つための塗料です。
透明色でヒビ割れ跡を隠せず耐久性が低いため、頻繁なメンテナンスが必要です。比較的リーズナブルな料金で施工できるため、施工予算をできるだけ抑えたい方におすすめします。
クリア塗料は、シリコンやフッ素などを使った塗料のことで、表面の保護に役立ちます。
汚れや補修箇所を補えて撥水剤よりも耐用年数が長いため、長期的なコストパフォーマンスを求める場合に最適な塗料です。
撥水剤の後に使用すると耐用年数を伸ばせます。ただし、工程が追加されるぶん費用が高まる点がデメリットです。
弾性塗料は、他の塗料よりも伸縮性や弾力性が高く、雨水の浸入を防止できる塗料です。ヒビ割れの発生を防げ、美観を保つ効果があります。
防水性を高める場合は作業の工程数が増えるため、費用が高まる可能性があります。
ペンキのようにカラーで塗りつぶすため、コンクリートのグレー色の風合いや模様、独自のデザイン性が失われてしまうことが難点です。
コンクリートのテクスチャーが失われても、支障がない箇所におすすめの塗料です。
コンクリート塀やブロック塀
家の周りのコンクリート塀やブロック塀の塗装の費用相場は、1平米あたり3,000~7,000円です。
一般的な耐用年数はコンクリート塀が約3~5年、ブロック塀は約10年です。
塗装する塀の種類(ブロックかコンクリートか)や、使用する塗料の違いで料金が変動します。
コンクリ―ト塀は、伸縮や振動でクラックが生じやすい特徴があります。
伸縮性に乏しい塗料を使うと、ヒビ割れる可能性がある点がデメリットです。
ブロック塀には、水が浸み込みやすい特徴があります。
透湿性が高い塗料を使うと、耐久性を高められます。
コンクリートに劣化症状がある場合は、耐用年数に関係なくコンクリート塗装を検討してください。コンクリート塀であれば細かなひび割れ、ブロック堀であればコケやカビの発生が塗装のタイミングです。
<コンクリート塀・ブロック塀の塗装費用と耐用年数の目安>
塀の種類 | 費用相場(平米) | 耐用年数 |
---|---|---|
コンクリート塀 | 4,000~7,000円 | 3~5年 |
ブロック塀 | 3,000~5,000円 | 約10年 |
コンクリート塗装はDIYできる?
コンクリート塗装はDIYが可能です。DIY用の道具を持っていて作業の経験がある方は、自分で塗装すると材料費をはじめとしたトータルコストを安く抑えられます。
ただし、作業に慣れていない方が施行をすると、見栄えや耐久性などの仕上がりが不十分な恐れが高まります。スキルに不安がある方は、専門業者への依頼を検討してください。
塗装業者に依頼は、市区町村によって外壁塗装の助成金・補助金制度を利用できる可能性があるため、事前に確認をしておきましょう。
塗装の工程や使う塗料など、施行内容を相談・確認しつつ、予算との兼ね合いを見て、専門業者へ依頼をしてください。
コンクリート塗装をDIYで行う方法
DYIでコンクリート塗装をする際に、必要なもの・手順や塗装時の注意点を説明します。
専門業者へ依頼するか自分でDIYするかを迷っている方は、作業手順を確認してご自身に最適な施行方法を見極めてください。
DIYでコンクリート塗装する際に必要なもの
DIYでコンクリート塗装する際に必要なものは、以下8つです。
- 高圧洗浄機、デッキブラシ
- 補修用のパテ、モルタル
- ヘラ
- ペーパーやすり
- シーラー
- ローラーセット
- 塗料
- 養生テープ、養生シート
それぞれについて説明します。
1 高圧洗浄機、デッキブラシ
高圧洗浄機やデッキブラシは、塗装したい箇所にこびりついた汚れを落とすために使う道具です。
購入費用は高圧洗浄機は10,000~50,000円程度・デッキブラシは2,000~3,000円程度で、強力な水圧を用いて落ちにくいカビや泥などを短時間で洗い流します。
細かい箇所の汚れは、デッキブラシを使って落としましょう。
2 補修用のパテ、モルタル
パテとモルタルは、ひび割れや傷・凹みなどの段差を埋めたり、元の状態に成形するために使うペースト状のアイテムです。
パテは塗装前の下地補修剤で、モルタルはパテを塗った後に補修剤として使用します。パテは3,000~6,000円、モルタルは700~3,000円で販売されており、内容量によって値段が異なります。
3 ヘラ
ヘラは粘り気のある塗料を混ぜたり、塗料を塗り付けたりする平たい板状の道具で、金額は400~800円くらいが相場です。
4 ペーパーやすり
ペーパーやすりは、コンクリートを研磨するために用いる、使い捨ての消耗品で、400~700円程度で購入できます。
やすりは、使うごとに目詰まりが生じたり、研磨材が剥がれたりします。
5 シーラー
シーラーは、塗装するコンクリートの箇所の下地処理をする際に使う下塗り塗料です。
金額は2,000~20,000円で、内容量や質によって価格差があります。
塗料の密着性向上、経年劣化した下地が塗料に吸収されるのを抑えることを目的に使用されます。下地の素材や状態、使う仕上げ塗料の特徴に合うシーラーを選択するのがポイントです。
下塗り塗料には、プライマー(塗料の密着性を高める特徴がある塗料)を用いるケースがあります。
6 ローラーセット
ローラーセットは、ローラー・ハケ・塗料の受け皿がセットになった道具です。 1,000円程度で購入でき、コンクリート塗装と壁の密着性を向上するために使います。
ローラーを使うと塗料が飛び散りにくく、塗料の消費量を抑えられます。
7 塗料
塗料は、コンクリートを塗装するためのもので、塗装箇所の保護ができます。ホームセンターや通販などで3,000~30,000円程度で入手可能です。
塗料にはさまざまな種類があり、耐熱性や防音性など製品ごとに特徴が異なります。
8 養生テープ、養生シート
養生テープ、養生シートとは、塗装時に保護したい箇所を守るためのアイテムです。家の外壁を塗装する際は、窓枠やドアの保護に役立ちます。
養生テープは10,000円前後、養生シートは5,000~15,000円程度で販売されています。
塗装前は該当箇所の汚れを拭き取って防塵し養生テープを貼って、塗装後は塗料が半乾きのときにテープを剥がすと塗装した面を汚さずに済みます。
DIYでコンクリート塗装を行う手順
DIYでコンクリート塗装を行う手順は、以下の6Stepです。
・Step1. 高圧洗浄機やデッキブラシを使って、塗装面の洗浄をする
塗装前に壁や床の表面に付着している汚れやゴミを、高圧洗浄機で落とします。
高圧洗浄機がない場合は、デッキブラシを使って水をかけながら汚れを落としましょう。
・Step2. 洗浄後は十分に乾かし、養生テープやシートで塗装しない面を保護する
洗浄した箇所が乾燥したら、塗料を飛散させたくない箇所に養生テープや養生シートを貼って保護してください
・Step3. クラックが起こっている箇所はパテなどで埋めて下地補修を行う
クラック(ひび割れ)を放置して塗装をすると、クラックの範囲が広がりやすくなるため、塗装前にパテを使って段差を埋めます。
・Step4. 下地補修の後、ペーパーやすりで表面の凸凹をなめらかにする
下地補修が完了し表面が十分に乾いて硬くなったら、ペーパーやすりで削ります。
凹凸があるまま塗装をすると仕上がりが綺麗にならないため、表面の凹凸がなめらかになるまで続けてください。
・Step5. 下塗りとしてシーラーを塗る
コンクリートは表面の状態が不安定でざらつきがあるため、シーラーを塗ることで壁との密着性向上を高められます。
・Step6. 下塗りをしっかりと乾かした後、表面塗装を行う
壁の表面に塗った下塗りが乾いたら、最後にローラーセットを使って広い箇所はローラー、細かい箇所はハケを使って均一に表面を塗装します。
十分に乾いたうえで3度塗りすると、さらに見た目が綺麗に仕上がります。
DIYでコンクリート塗装を行う際の注意点
DIYでコンクリート塗装を行う際の注意点は、以下2つです。
・下地処理はしっかりとする
下地処理が不十分だと、仕上げ剤の密着性が低くなります。
その結果、塗膜が剥がれやすくなったり、膨らみが生じて塗装が剥がれやすくなったりするため注意が必要です。
既存の壁や床の施工歴や使われてきた塗料によって適した下地処理が異なるため、塗装箇所の状態を見極めたり、適切な方法で施工できたりする技術者への依頼が欠かせません。
・耐久性は期待できないことを理解する
コンクリートで塗装する場合、耐久性は期待できないことを理解しておきましょう。
天候などの外部からの物理的な刺激や、それによる化学的な影響に対して長期的には耐えられないため、メンテナンスが必要です。
耐震性が高くひび割れが生じにくい、金属系サイディング(金属製の外壁パネル材)と、窯業系サイディング(木材繊維とセメント類を加工した外壁材)を比べると、総合的な耐久性はコンクリートの方(窯業系サイディング)が劣ります。
重たい車が出入りする車庫のような箇所のDIYでのコンクリート塗装は、耐久性が不十分な傾向があります。
個人で専門的な技術を用いた塗装の実行は困難なため、仕上がりが不完全になる可能性に留意してください。
適切に施工できないと、塗装が再度必要になって余計な出費がかかったり、塗装した箇所の状態を悪化させたりする恐れがあります。
自身のDIYの技術力に自信がない場合は、高い技術を持っている専門業者への依頼をおすすめします。
コンクリート塗装するなら専門業者に依頼しよう
コンクリート塗装のメリット・デメリットを理解したうえで施行の検討をすることで、費用感や作業内容に納得感を持てます。
DIYによる塗装の対応も可能ですが、専門的な知識や高い技術力が身に付いているプロに施工を任せると、建物の美観を保ち、塗料の効果を最大限活かした塗装をしてもらえます。
使用する塗料の種類によって、機能・耐用年数・料金などが異なるため、事前に特徴を把握しておきましょう。
コンクリート塗装のプロである専門業者へ相談しておくと、どのような塗装をしたいかや、予算感を踏まえた適切な施工の実行が可能です。
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