内装リフォームの基礎知識
内装リフォームとは何なのか基礎的な知識を紹介します。
内装リフォームの流れを知って、全体のイメージを掴みましょう。
内装リフォームとは?
内装リフォームとは、壁紙やフローリングの張り替えをはじめとする、部屋の内側のリフォームをすることです。
経年劣化による家の傷みや被害を抑えて、住めなくなったり大幅な修理費がかかったりするのを防止します。
内装リフォームの内容は、主に以下の交換です。
- 壁や天井、床などの装飾
- 洗面所
- お風呂
- キッチン
- トイレ
家族構成の変化による間取りの変更や間仕切りの設置、バリアフリー化も内装リフォームの一例です。
リフォームに似た言葉に、リノベーションがありますが、それぞれの意味合いは異なります。
リフォームは老朽化した部位を新築同等に戻すこと、リノベーションは新築時より高い性能に作り変えることだと、覚えておきましょう。
内装リフォームを行うときの流れ
内装リフォームの業者選びから工事完了までの流れは、どの業者に依頼してもほとんど同じ流れです。
内装リフォームの手順は、以下の通りです。
- リフォーム内容の希望や予算を決める
- リフォーム業者を探して見積もりを依頼する
- 業者による現地調査の後契約して工事をする
- 工事完了後引き渡し
ここからは詳しい内容や、それぞれの手順の注意点を解説します。
1.リフォーム内容の希望や予算を決める
まずはリフォーム内容や予算を明確にしましょう。
内容や予算を事前に決めると、希望の分野に強い業者や予算に応じたリフォーム内容がわかり、業者選びをスムーズにできます。
リフォーム会社のウェブサイトに掲載されている過去の施工事例や費用の紹介、価格表を見ると、リフォームの完成イメージや費用相場の把握が可能です。
種類豊富なキッチンやトイレなどの設置機器を見ていると、より機能性の高いものに惹かれて予算より高くなるケースがあります。
希望するリフォーム箇所の優先順位や最低限の求める機能を決めておけば、業者から予算に沿った案内を受けられ、予算オーバーが防げます。
業者選びに迷わず、予算内でリフォームができるように、希望するリフォームの内容と予算を定めましょう。
2.リフォーム業者を探して見積もりを依頼する
リフォームの内容と予算が決まったら、3社ほどのリフォーム業者で相見積もりを依頼して比較をします。
リフォームを手がける会社は、以下の通りです。
- リフォーム専門業社
- ハウスメーカー
- 住宅設備メーカー
- 工務店
- 不動産会社
- 建築設計事務所
- 工事専門業社(水道、ガス、電気、畳店)
- ホームセンター
- 家電量販店
業者によってデザイン重視・技術重視など得意分野が異なります。料金やアフターフォロー内容にも差が出るため、複数社での比較検討がおすすめです。
依頼先の候補が多ければ、低予算で施工してほしい・アフターフォローが手厚いところがいいなど、自分のこだわりに沿う業者を選べます。
3.業者による現地調査の後契約して工事をする
見積もりだけで判断せず、業者による現地調査を受けてから契約しましょう。
現地調査は、リフォームする箇所を業者に見てもらうことです。1〜2時間ほどの時間を要します。
現地調査には、以下の意味があります。
- 建物の構造をふまえたレイアウトを提案
- 作業やパーツの搬入が可能か確認
- 追加の配線工事の必要性を確認
現地調査をすれば、契約後に建物の構造上リフォーム作業が困難なことが判明したり、意図しない作業が増えることによる予算オーバーなどのトラブルを防げます。
4.工事完了後引き渡し
引き渡し時の、業者との工事箇所の最終チェックはしっかりと時間を確保し、できるだけ複数人で立ち会いましょう。
引き渡し後に不具合を見つけた場合、保証内容によっては追加料金がかかります。気になる点があれば、引き渡しのタイミングで伝えてください。
最終チェックでは、主に以下の点を確認します。
- ドアや窓、家具の扉などの開け閉めがスムーズにできるか
- 照明や給湯器などの設備が作動するか
- 壁や天井、床の素材は指示どおりになっているか
- 設置機器や壁、床にキズや汚れはないか
定期的に交換が必要な部品の説明を聞き、今後リフォームをするときに必要な書類も受け取ります。
受け取りが必要な引き渡し書類は、以下の通りです。
- 確認済証…建築計画が法令に適合している証明
- 工事完了書…建築工事が完了した証明
- 同完了確認書…建築主に引き渡した証明
- 保険証書(リフォーム事業者と保証契約をした場合に限る)
- 設備機器取扱説明書
引き渡し後に不具合が見つかったり、必要なときに書類がないと気づいたりしないように、気になる点は引き渡し時に確認しましょう。
内装リフォームを行う時期の目安
床のきしみや水漏れなどの故障や老朽化を放置すると、床が抜けたり、水道管や素材が腐ったりと被害が広がり、大がかりなリフォームが必要になるケースがあります。
家に長く住み続けるためには、定期的なリフォームやメンテナンスが必要です。
工事にともない高額な費用がかかったり、工期が長くなったり、住みながらのリフォームが叶わず一時的な仮住まいが必要になったりする場合があります。
お家の部位によって老朽化の速度は異なるため、箇所ごとに適切なタイミングでのリフォームが必要です。
内装リフォームを検討する時期の目安は、以下の通りです。
リフォーム時期 | リフォーム箇所 |
築10年程度 | 壁の張り替え、床の補修 |
築10〜15年 | 天井裏の痛みチェック、補修などの天井のメンテナンス、畳の張り替え |
築15〜20年 | フローリングなどの床の張り替え、水まわり設備の交換 |
築20年程度 | タイル床の補修、窓の交換 |
築年数や家の部位ごとのリフォーム時期の目安を参考に、定期的にメンテナンスをすれば、家の快適さを保ちつつ無駄な出費を抑えられます。
内装リフォームの費用相場
内装リフォームの費用は、人件費を含む施工費のほか、使用する設備機器や素材などの材料費も含まれます。
トイレなら、施工費とトイレ本体の値段を足した総額がリフォーム費用です。
使用する設置機器や素材のグレードによって、費用は大きく変化します。
施工費と設置機器の費用をパック価格で販売している業者もあるため、ウェブサイトや見積もりで確認しましょう。
見積もりには、どのグレードの設置機器が反映されているのか、自分の求めるグレードになっているかの確認も必要です。
足場を組む必要があるなど工事の規模によって金額に差が生じます。
工事完了後に、想定していた金額より高額な支払いが発生するトラブルを防ぐために、事前に見積もりを取りましょう。
<【場所別】内装リフォームの費用相場一覧>
リフォーム内容 | 費用相場 |
---|---|
クロスの張り替え | 5万円~10万円 |
フローリングの張り替え | 10万円~20万円 |
部屋の間仕切りの設置・撤去 | 8万円~90万円 |
和室から洋室への変更 | 50万円~100万円 |
浴室の交換 | 50万円~150万円 |
トイレの交換 | 15万円~60万円 |
洗面台の交換 | 10万円~50万円 |
キッチンの交換 | 30万円~150万円 |
施工前に知っておきたい内装リフォームのポイント
お家のリフォームで失敗しやすいポイントや対策方法を知れば、トラブルを未然に防げます。
ここでは内装リフォームのポイントを5つお伝えします。
安心してリフォームを進められるように、事前に対策をしましょう。
リフォーム後の内装イメージを持つ
リフォーム内容を検討する段階で内装イメージを具体的に持つと、イメージと完成形が違ったり、リフォーム箇所のデザインだけが浮いたりする失敗を防げます。
リフォーム会社のウェブサイトやパンフレットに掲載されている写真や、ショールームに展示されているキッチンやトイレの実物を見ると、完成形の想像が容易です。
取り入れる素材や設備機器の色は、手持ちの電化製品や家具の色を考慮して決めると、家の雰囲気にマッチして不自然に浮くのを防げます。
北欧風やナチュラルなどインテリアのテイストを揃えるだけでなく、色も統一するとおしゃれな空間が作れます。部屋全体の色は3つまでに抑えるのがおすすめです。
サンプルをしっかり確認する
壁紙や床材などの素材は、ショールームに行って実物のサンプルを見てから決めるとイメージ違いを防げます。
カタログは細かいデザインや質感、色味が伝わりにくく、実物との印象が異なる点がデメリットです。
使用範囲が広い壁紙や床材は、部屋の印象を大きく左右する重要な箇所です。実物を見て慎重に決めましょう。
アレルギーに注意する
アレルギーの心配がある場合は、見積もりの段階で業者に相談しましょう。
使用する素材や建材が原因でアレルギーを引き起こす可能性があるため、素材選びは注意してください。
アレルギーの原因となりうる、ホルムアルデヒドが少ない建材や自然素材、無垢材を選ぶことで対策ができます。
たとえば、無垢フローリングや、珪藻土を使った壁材などがあります。
JIS、JAS、国土交通大臣に認定される「F☆☆☆☆(フォースター)」の建材も、ホルムアルデヒドが少なく安全性が高いことで有名です。
素材に限らず、リフォーム時に使用するクロスを貼るときの糊や塗装の材料なども種類が豊富で、体に負担の少ないものもあります。
業者に相談しながら、健康で快適に生活できる素材選びをしましょう。
内装リフォームに強い業者を選ぶ
実績や社員の保有資格を確認すれば、内装リフォームに強い業者かわかります。
多くの会社は、ウェブサイトやパンフレットに実績や過去の施工事例を載せています。
内装リフォームの実績数が多い場合、得意としている可能性が高い傾向です。
建設業許可番号や一級建築士などの資格保有者がいれば、信頼感を持ちながら工事を任せられます。
業者によって得意な施工内容は異なるため、内装リフォームに強く、信頼できる会社を選ぶことが重要です。
住まいがマンションの場合は管理会社へ事前に連絡する
マンションなどの集合住宅のリフォームは、事前に管理会社に確認して許可を取る必要があります。
マンションの管理規約には、リフォームが可能な範囲や禁止事項、フローリングの遮音等級などが定められています。
管理規約に目を通し、管理会社に確認してからリフォーム内容や素材選びをすれば、再度選び直す手間をなくせるため効率的です。
また、管理会社からリフォームの工期をマンションの住人に周知してもらうことも大切です。
業者の出入りや資材の搬入で、通路やエレベーターなどの共用スペースの使用頻度が増えたり、騒音が発生したりして周りの住人の迷惑になる場合があります。
ご近所トラブルを防ぎ、スムーズに進めるために、リフォームしたい旨と内容を事前に管理会社に伝えましょう。
内装リフォームの費用を抑える方法
費用を抑えつつ快適な生活を続けるために適切なリフォームができたら、高い満足感を得られます。
ここでは内装リフォーム費用を抑えるコツを4つお伝えします。技術面でも価格面でも安心できるリフォームを実現しましょう。
まとめてリフォームを行う
部分的なリフォームを何度もするより、複数のリフォームをまとめて実施する方が費用の総額を抑えられます。
トイレや洗面台、浴室などの水まわりのリフォームは配管工事の費用を抑えるために一気に済ます。
2階部分をリフォームするなど、足場を組む費用が発生する工事は同時に実施するなどの工夫雨がおすすめです。
リフォーム箇所が増えるとそのぶん費用は高額ですが、長い目で見ると部分的なリフォームの都度かかる人件費や施工費を節約できます。
補助金・助成金の制度を活用する
国や自治体では、住宅リフォームの支援制度を用意しており、条件に当てはまれば補助金・助成金や減税制度を利用できます。
耐震性・劣化対策、三世代同居のための増築が条件の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」、子育て世帯や若者夫婦世帯の断熱化対策やエコ対応設備の導入が条件の「こどもエコすまい支援事業」などがあります。
条件や申請時期などが細かく決まっているため、制度の詳細を確認する必要はありますが、申請が通ればお得な制度です。
住んでいる自治体独自の制度がある場合もあるので、どのような制度があるのか、補助金・助成金の有無を調べておきましょう。
複数の業者に相見積もりを依頼する
3社ほどから相見積もりをして、施工内容や金額、プランを比較すれば、価格が適正か、本当に必要な工事内容かの判断が可能です。
リフォーム箇所や要望を同じように伝えていても、業者ごとの考え方や工事の仕方によって見積もりに記載される工事内容が異なるケースがあります。
複数社の見積もりを比較検討すれば、無駄な工事を省いて、なるべく安価でリフォームができます。
DIYによる内装リフォームを取り入れる
安全性が保証される範囲で、DIYをする方法もあります。
壁紙や床の張り替えは、比較的簡単で挑戦しやすいDIYです。
壁紙や床材は、ホームセンターやネットで簡単に手に入ります。
ネットの方が種類は豊富ですが、写真では質感や細かなデザイン、色味が伝わりにくいため、ホームセンターで実物を見て選ぶのがおすすめです。
壁のリフォームをDIYするなら、のり付きの壁紙を活用すると簡単です。
水まわりの壁紙は撥水効果付きの水に強い性質、火を使うキッチンなどは耐火性の高い性質の壁紙などと、適切な素材選びを意識すると安全性が高まります。
床のDIYには、クッションフロアやタイルカーペットの活用が便利です。
粘着剤で貼るのが一般的ですが、両面テープで簡単に貼れる床材もあります。
DIYによる内装リフォームは、サイズに合わせてカットしたり、貼り付けたりする時間と手間はかかりますが、費用が抑えられる点がメリットです。
失敗しない!大切な家を守るための内装リフォーム
内装リフォームは、家を大切に守っていくために欠かせないメンテナンスです。
部屋の雰囲気の変化はもちろん、使い勝手がよくなったり、安心して暮らせるようになったりとメリットが多くあります。
依頼する業者選びから工事完了までの流れに見通しを持ち、手順ごとのポイントを抑えれば、満足のいくリフォームができます。
長く住み続けるための内装リフォームを実施して、大切な人との暮らしを守りましょう。
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