2024.02.27

リフォームローンとは?住宅ローンとの違いや限度額の目安、審査基準

リフォームローンとは?住宅ローンとの違いや限度額の目安、審査基準

住まいのリフォームやリノベーションの資金調達で頼りになる「リフォームローン」。床の張り替えから、システムキッチンの導入・バリアフリー化・増改築などの大がかりな工事まで、大小さまざまな工事費用をカバーするために多様なプランが用意されています。

快適な暮らしと健全な家計の両立には適切なリフォームローン選びが重要です。
この記事では、はじめてのリフォーム計画に役立つ「リフォームローンの基礎知識」「リフォームローンの種類」「住宅ローンとの違い」「一般的な審査基準」について解説します。

目次

リフォームローンとは?

リフォームローンの検討で押さえておきたいポイントが「担保の要否」です。

以下ではリフォームローンの基礎知識をはじめ、担保の要否で分かれるリフォームローンの種類、住宅ローンとの違いを解説します。

リフォームローンの基礎知識

リフォームローンとはマイホームの増改築や修繕に利用できるローンです。一般的に融資の審査は、借入金の大きさに比例して厳しさを増します。住宅ローンと比べて「審査に通りやすく」「借入上限が低い」のがリフォームローンの特徴です。

リフォームローンは無担保型と有担保型の2パターンに分かれます。無担保型と有担保型の主な違いを見比べてみましょう。

<無担保型と有担保型の主な違い>

無担保型 有担保型
連帯保証人 不要 必要
担保
(保証人や物、権利など)
不要 必要
借入期間 短め
(一般的には15年以内)
長め
(一般的には最長35年)
借入限度額 低め 高め
金利 高め 低め
審査の期間 短め 長め

無担保型
連帯保証人や抵当権・担保の設定が不要なタイプのローンです。
無担保型では、万が一支払いが滞った場合に責任が他者に及ばず、担保に設定した自宅などの資産を差し押さえられる心配がありません。

無担保型のローンでは保証料や担保設定にかかる諸費用が発生しません。

WEB審査を採用している金融機関があり、手続きが簡素な分、スピーディで当日に審査結果がわかるケースがあります。有担保型に比べて「借入上限が低く」「金利が高い」うえ、「借入期間が短い」のが特徴です。

急に修繕が必要になったケースや、小規模のリフォームやリノベーションに適しています。

有担保型
連帯保証人や抵当権・担保の設定が必要なタイプのローンです。
万が一返済が滞ってしまった場合には、自宅などの担保が差し押さえとなる可能性があります。保証会社と提携している金融機関では、連帯保証人が原則的に不要です。

担保設定の手続きにより手数料が生じるうえ審査に時間を要します。有担保型には借入に際するリスクがありますが、無担保型に比べて「借入上限が高く」「低金利」で、「借入期間を長く設定できる」のが特徴です。

有担保型のローンは低金利で長期・多額のローンが組める特長を生かした、大規模なリフォーム工事や修繕に向いています。

リフォームローンと住宅ローンの違い

リフォームローンと住宅ローンの大きな違いは借入の「期間・上限・金利」です。
住宅購入の費用とリフォームの費用との差がローンの条件に反映されています。

次の表でリフォームローンと住宅ローンを比較してみましょう。

<リフォームローンと住宅ローンの主な違い>

リフォームローン 住宅ローン
担保
(保証人や物、権利など)
不要な場合と必要な場合がある 必要
審査 短め
(一般的には数日間)
長め
(一般的には1〜3週間)
借入期間 短め 長め
借入限度額 低め 高め
金利 高め 低め
団体信用生命保険 商品により異なる 加入が必要な場合が多い

リフォームローンの特徴
リフォームの内容によって借入金額に幅があるため、「抵当権・担保の設定」と「団体信用生命保険の加入」は状況によって異なります。
住宅購入の費用に比べると総じて安価なため審査のハードルは低めですが、金利は高めで短期の完済を前提とした条件が設定されています。

住宅ローンの特徴
多額の費用を要する住宅購入が目的のローンなため「担保」が必要なうえ、ほとんどの金融機関で「団体信用生命保険への加入」が必須条件です。多額の借入金の長期返済が前提なため金利は低めに設定されていますが、その分、慎重な審査を受けます。

団体信用生命保険(団信)とは
契約者が死亡してしまった場合にローン残高が0円になる保険です。団体信用生命保険には負債が遺族に渡ってしまうのを防ぐ目的があります。

リフォームローンにおける団体信用生命保険の取扱いは主に次の3通りです。

①団体信用生命保険の加入は不要
②借入金が一定金額以上の場合に加入が必要
③加入するかどうかを契約者が選べる

団体信用生命保険には月々の保険金を支払うデメリットと、万が一のときに安心できるメリットがあります。契約者がいなくなった後の家族の生活に大きく影響をもたらすことになるため、慎重に考慮したいポイントです。

団体信用生命保険の加入には保険会社が定める「年齢・健康状態」に関する条件を満たす必要があります。

リフォームローンの金利と限度額の目安

借入額が多額で長期になるほど、わずかなローン金利の差が支払総額に大きな差を生みます。
リフォームローンの検討では「金利」と「限度額」を理解しておくことが重要です。以下ではリフォームローンにかかる金利の種類と、限度額の目安を紹介します。

リフォームローンの金利の種類は「変動金利」と「固定金利」の2つです。
多くの金融機関では、変動金利と固定金利のどちらかを選べます。金融機関で定価的な意味合いをもつ基準金利より低い利率が一般的です。

リフォームローンの金利の種類

変動金利
金融市場や銀行などで用いられる「市場金利」に則って変動するタイプの金利を「変動金利」と呼びます。リフォームローンの変動金利は短期プライムレートと連動しており、融資期間中に市場金利が下がれば利息は小さく、市場金利が上がれば利息は大きく動きます。

近年は固定金利よりも変動金利の方が低い利率を保っているので、変動金利が人気です。とはいえ市場金利に「絶対」はありません。金利上昇のリスクに備えて運転資金にゆとりを持たせておくと安心です。

固定金利
返済開始から完済まで、毎月の返済に一定の利率を適用するタイプの金利を「固定金利」と呼びます。契約時に支払総額が確定するので、見通しを立てやすい点がメリットです。

ただし、市場金利が下がっても適用金利は下がらないため、結果的に返済総額が大きくなるおそれがあります。固定金利は不確定要素のない安定した返済計画を望む方におすすめです。

金利の目安
近年のリフォームローンの利率は1.5〜4.5%程度です。
一方の住宅ローンの金利が0.5〜2.0%程度なため、比べるとやや高めの利率が設定されていることがわかります。

金融機関によってはバリアフリー化などの「資金使途」や、すでに住宅ローンを使用中などの「利用実績」に応じた優遇金利のサービスが用意されています。優遇金利の有無はリフォームローン会社選びで気をつけたいポイントです。

リフォームローンの限度額の目安

リフォームローンの借入限度額は無担保型と有担保型で大きく異なります。契約者の年収によって金額は変動しますが、おおよその目安は次のとおりです。

無担保型:500万円〜1,000万円程度
有担保型:1,000万円〜1億円程度

借入金利は「無担保型が高く、有担保型が低い」のが一般的です。
規模の小さいリフォームを短い返済期間で計画するなら「無担保型」、大がかりなリフォームや増改築を長期返済で計画するなら「有担保型」を選ぶのが基本です。

リフォームローンの主な審査基準

リフォームローンを利用するためには審査に通る必要があります。
審査基準は各金融機関が独自に定めたもので、すべての基準が具体的に公表されているわけではありません。

以下では、審査対象の主な項目と傾向について解説します。

審査で重視されるのは「年齢・健康状態・収入」です。 金融機関は契約者から提供された情報から返済能力を評価して融資の可否を決定します。

契約者の年齢

ほとんどの金融機関では借入時と完済時の年齢に上限を設けています。
「70歳までに借り入れ、80歳までに完済」というのが一般的な線引きです。
最大35年に及ぶ有担保型のリフォームローンの注意事項として、50代・60代の方でも返済期間によっては申し込みができないケースが挙げられます。

健康状態

健康を維持して返済を続けられるかの判断材料です。有担保型のリフォームローンでは「団体信用生命保険」への加入を条件とする場合があります。
持病や療養中など健康状態に不安がある方は、あらかじめ金融機関の問い合わせ窓口に相談しておくと安心です。

勤務先や勤続年数

勤務先の事業規模が大きく、経営状況が良好であるほど「収入が安定している」と判断されます。そのため、勤め先が公的な機関や大手企業の場合は審査に有利です。
会社員であれば勤続年数2年以上、自営業の場合は2年以上の継続的な事業収入があることが、審査通過のおおよその目安です。

雇用形態

正社員は収入の安定度が高いと判断されます。一方、自営業の収入は将来の見通しが立ちにくいので、正社員に比べて安定性に欠けると判断されるのが一般的です。
金融機関によっては、派遣社員や契約社員を原則対象外としているケースがあります。

年収

200万円〜300万円程度の年収を得ていることが審査通過の目安です。
ただし、希望する融資金額が高額であるほど審査のハードルは高くなります。年収に応じた融資金額の設定が大切です。

返済負担

「返済負担率」とは年収に対する年間の返済額の割合です。返済負担率が低いほど支払いに余裕があることを示します。
年収250万円未満なら25%、年収400万円以上なら35%を下回ることが審査通過の目安です。返済負担率は現在組んでいるすべてのローンを含めて算出されます。

他社借入の有無

住宅ローンやカードローンなど、他社からの借入に対する債務も審査対象です。今回の契約で返済が増額しても返済負担率に問題がないかを審査します。
約定返済日に支払先への返済が滞っていたなど、過去の債務不履行は融資を断られる原因です。

リフォームローンを組むまでの流れ

リフォームにかかる費用を試算して計画が固まったら、希望する金融機関でリフォームローンを申し込みます。契約締結までの流れは以下のとおりです。

近年では窓口の申し込みに加えて、インターネットバンキングで審査から契約まで完結できる金融機関が増えています。どのような申込み方法も「①仮審査の申し込み・②正式審査の申し込み・③契約締結」の手順は基本的に同じです。

Step1. 仮審査の申し込み
リフォームローンの申し込みは簡易的な「仮審査(事前審査)」から始まります。仮審査の申込み時に必要な情報は金融機関によって多少異なりますが、主には次のような項目です。

  • 契約者の情報(氏名・性別・生年月日・住所・電話番号・Eメールアドレスなど)
  • 口座の情報(申し込みをする金融機関の口座番号など)
  • 勤め先の情報(職業、会社名、勤務先の住所、勤務先の電話番号など)

審査に3〜7日ほどの時間が必要と案内されますが、早ければ1日で結果が通知されることもあります。仮審査の時点で希望する借入金額を伝えるケースがあるので、事前にリフォーム費用の見積もりを出してもらうと手続きがスムーズです。

Step2. 正式審査の申し込み
仮審査に合格したら、いよいよ正式審査の申し込みです。銀行の審査では申請する銀行の口座開設が必要な場合があります。申込書に必要事項を記入し、必要書類とともに提出します。正式審査の主な必要書類は次のとおりです。

  • 本人確認書類(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード、パスポート、在留カードなど)
  • 収入を証明する書類(源泉徴収票、住民税決定通知書、課税証明書、納税証明書、確定申告書など)
  • 勤続年数を証明する書類(健康保険証の写し、在籍証明書など)
  • 使いみちを確認する書類(住宅リフォーム会社が作成した見積書、設計図、請負契約書、請求書など)

ローンの種類や金額によっては対象物件の不動産登記事項証明書や、住民票、印鑑証明書を求められるケースがあります。正式審査にかかる時間はおおよそ1〜2週間です。

Step3. 契約手続き
正式審査通過の連絡を受けたら、指定された期間内に契約の手続きをします。これで契約締結が完了です。手続きの方法はインターネットや来店窓口のほか、郵送で受け付けする金融機関もあります。

リフォームローンの正しい知識と運用で快適な暮らしを手に入れよう!

住まいのリフォームによる快適な暮らしの実現の第一歩には、リフォームローンの正しい理解が大切です。上を見ればキリがなく、どこまでもお金をかけられるリフォームのプランニングではローンの知識が大きな判断の材料です。

ご自身で用意できるリフォーム資金と照らし合わせた入念な返済シミュレーションで、適切なリフォームローン選びを心がけましょう。

リフォーム会社をお探しの方は、工事やリフォームを無料で一括見積ができる「ミツマド」がおすすめです。

リフォームに詳しい専門スタッフが、ご要望に合う業者を複数紹介してくれるのでスムーズに施工を進められます。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

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