2024.02.27

雨どいの修理に関する基礎知識|工事が必要になる原因と費用相場

雨どいの修理に関する基礎知識|工事が必要になる原因と費用相場

雨どい(雨樋)とは、雨が降った際に屋根で受け止めた雨水を集めて、排水を適切に行う筒状の建材です。

プラスチック製(塩ビ製)を使用する場合が多く、雨どいを設置すれば外壁が長持ちし、建物の耐久性維持や外壁の劣化防止など、多くのメリットがあります。

一方、雨どいが壊れて修理が必要な状態であれば、外壁の劣化だけではなく雨漏りや水漏れなどの住まいトラブルの原因にもなりかねないため、早急な修理が必要です。

そこで本記事では、雨どいの破損原因や修理方法、修理費用の相場などを解説します。

目次

雨どいの修理が必要になる主な原因

雨どいは「のきどい(軒樋)」「たてどい(竪樋)」「集水器」などいくつかの部位に分けられます。これらの雨どい箇所で修理が必要になる場合、以下のような原因が考えられます。

  • 経年劣化
  • 自然災害
  • ゴミの詰まり

現在の雨どいの状況を確認するとともに、以上のような原因がないか照らし合わせながら修理の妥当性を検討してください。

以下では、雨どい修理の原因となる主な3つの原因について詳しく解説します。

経年劣化

雨どいは、日々紫外線や風雨にさらされ時間が経つと、経年劣化を起こしてしまいます。
また立地や建物の形状にも影響を受けやすいため、1日の寒暖差による伸縮の繰り返しも、経年劣化の原因です。
経年劣化を起こすと、雨どいに以下のような症状が見られます。

  • 雨どいの大きな割れ
  • 雨どいの大きな歪み
  • 雨どいの一部欠損

経年劣化により雨どいに上記のような症状が発生すると、雨どいが変形して雨漏りや壁の湿気、床下への水滴などの原因になりかねません。

そのため外壁や屋根と同様に、雨どいも定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスの際は金具や継手、つなぎ目などの部品も一緒にチェックしましょう。

特に金具は、雨どいの支持金具として大切な役割を果たしているため要確認です。破損や劣化している箇所がないか確認してください。

経年劣化が進み何らかのトラブルが起きている場合は、すぐに専門業者を呼んで修理や交換工事を行いましょう。

自然災害

台風や大雨・大雪などの自然災害が多い時期は、雨どいが破損しやすい傾向にあります。

特に台風などの強風や大雪による過剰な積雪は、新しい雨どいであっても破損する場合があるため、自然災害後は雨どいの確認が必要です。

雨どいの確認を行う際は、金具や継手など、その他部材も異常がないかを確認しましょう。

もし自然災害で損害を受けた場合は保険会社へ申請し、火災保険金の支払いを受けて、修繕費として充てるのも可能です。火災保険の受け取りは、主に以下のような災害による被害時に受け取れます。

  • 風災:台風、竜巻、暴風、旋風による雨どいの破損
  • 雪災:雪の重みによる雨どいの破損
  • 雹災:雹による雨どいの破損

事前に該当する災害での保険加入が必要になるため、自然災害の影響を受けやすい地域の場合は、保険内容や要項を確認しておきましょう。

ゴミの詰まり

雨どいは日数が経つと落ち葉や砂などのゴミが溜まりやすい場所です。特に秋の落ち葉が多い時期や、風が強い日は注意が必要です。

ゴミが溜まると雨どいが詰まり、雨水があふれやすくなります。雨どいから雨水があふれてしまうと、外壁や屋根にも水が触れて腐食や劣化にもつながりかねません。そのため雨どいのゴミ詰まりは、雨漏りの原因となる場合があります。

また、長期間雨どいのゴミ詰まりを放置すると、雨どい内部の腐食やヘドロが溜まる原因です。雨どいの清掃は日頃から注意しておきましょう。

ただし、雨どいの清掃は安全を確保した上で行うのが望ましいため、専門業者によるメンテナンスが推奨されます。安心・安全なメンテナンスを行うためにも、専門業者を探しておき見積もりを出してもらいましょう。

雨どいの修理にかかる費用の相場

雨どいの修理費用は、被害状況や必要な部材などで変動するのが一般的です。また修理工事の場所が2階以上の建物や傾斜地など、足場が必要になるかどうかでも大きく変わってきます。

修理費が高額になる場合は、保険金の受け取りが可能か検討してみましょう。

以下では、雨どいの修理費用相場と火災保険が適応できるかなどを詳しく解説します。

雨どい修理の費用相場

雨どいの修理費用の目安は、主に以下の要素で変動します。

  • 修理の範囲や箇所
  • 使用する部材
  • 作業工数(必要な工事道具なども含む)

修理費用は、雨どいの部分的な修理だと1万円〜20万円ほど、雨どい全体だと60万円ほどまで幅が広がります。

具体的な費用金額を知るためには、専門の修理業者に見積もりを依頼するのが確実です。

以下で解説する費用相場を参考にして、修理業者の見積もり金額が一般的で適正な相場かどうかを判断してください。

・部分的な雨どいの修理

部分的な雨どいの修理にかかる費用は以下の通りです。

雨どいの部分的な修理費相場:1万円〜6万円
修理で足場が必要な場合の総額費用相場:10〜20万円

部分的な修理とは、雨どいの一部が破損したり、詰まりが生じたりした場合の修理を指します。

たとえば、金具の交換やつなぎ目の修理などです。部分的な修理の費用相場は1万円~6万円程度が一般的です。

ただし2階以上の建物や傾斜地など、足場が必要になるケースでは別途費用が発生します。足場が必要な場合の総額費用の相場は、10万円~20万円程度です。

・全体的な雨どいの修理

全体的な雨どいの修理にかかる費用の相場は、25万円〜60万円です。

全体的な修理とは雨どい全体の交換工事を指します。雨どいの寿命が来ている場合や、大規模な自然災害で大きな損害を受けた際に必要です。

全体的な修理の費用相場は、一般的に25万円~60万円程度とされています。雨どい全体の修理工事には、高所作業が必要となるため安全対策として足場の設置が必須です。そのため、料金には足場設置費用を含みます。

雨どい全体の修理は高額になりやすいので、修理費用を抑えるためにも定期的なメンテナンスと早期のトラブル発見が大切です。

また修理業者選びも重要なポイントです。適正な価格で確かな技術力を持つ業者を選ぶには、複数の業者から相見積もりをもらって検討しましょう。

雨どいの修理に火災保険は利用できる?

雨どいの修理費用は、一部火災保険の適用が可能です。一般的に火災保険は、その名の通り火災による損害をカバーするものと思われがちですが、実は自然災害による損害も補償の対象となります。

たとえば台風や大雪などの風災や雪災により雨どいが損傷した場合、火災保険の適用による保険金の受け取りが可能です。

ただし火災保険が適用されるのは突発的な自然災害などによる損害のみで、経年劣化による雨どいの損傷や修理は補償対象外です。雨どいが古くなって劣化したり、金具が錆びたりといった長期的な損害は保険金が出ません。

また、火災保険の請求は3年以内という期限もあります。まずは自宅の火災保険を保険会社に確認し、どのような損害が補償対象となっているのか、どの程度の金額が保険金として支払われるのかを把握しておきましょう。

自分でDIYできる場合の雨どいの修理方法

雨どい修理は高所での作業になりやすいため、基本的には修理業者の職人に依頼するのが安全です。しかし、自分で雨どいの修理ができそうな簡易的な被害状況であれば、DIYも検討してみましょう。

自分で修理工事を行う場合は、電動ドライバーやパイプカット用のノコギリなど、必要な道具をホームセンターで購入するところから始めましょう。

以下では、自分で修理する場合の方法について詳しく解説します。

ひび割れや穴の修理方法

雨どいのひび割れや穴は、放置してしまうと雨漏りの原因になります。そのような時に役立つのが「雨どい用接着剤」の使用です。

雨どい用接着剤を使用した修理方法の手順は以下のとおりです。

  1. ひび割れや穴の空いた破損状況を確認する
  2. 修理箇所を清掃する
  3. 雨どい用の接着剤で穴を埋める
  4. 補修用のアルミテープで補強する
  5. 割れ目にコーキング剤を埋め込む

まずはひび割れや穴が開いた箇所をよく確認し、清掃して汚れを取り除きましょう。その後、接着剤を使用して穴を埋めます。

ただし接着剤だけで修繕が難しい場合は、補修用のアルミテープでの補強がおすすめです。

さらに、割れ目にコーキング剤を埋め込む方法もありますが、コーキング剤を埋め込みすぎると雨どいの中に入ってしまうため注意してください。

以上のような修理方法で、雨どいのひび割れや穴の修理が可能です。

破損部の交換方法

雨どいの破損部の交換は、屋根に付いている雨どいよりも地面に向かって降りている「たてどい(竪樋)」の方が修理が容易です。以下、破損部の交換手順を参考にしましょう。

  1. 継手から雨どい同士を繋いでいる古い雨どいを外す
  2. 古い雨どいを外したら新しい雨どいを取り付ける
  3. 新しい雨どいに雨どい用の接着剤をつける
  4. 継手にはめて固定する

まず、ステップ1として「継手」から雨どい同士を繋いでいる古い雨どいを外します。継手とは、雨どい同士をつなぐ部品のことです。

ステップ2で古い雨どいを外したら、新しい雨どいを取り付けます。その後ステップ3で、新しい雨どいに雨どい用の接着剤をつけ、最後に継手にはめて固定します。

このように破損部の交換も自分で可能ですが、高所作業となるため安全に十分注意して作業しましょう。

雨どいの修理を依頼できる業者の主な種類

雨どい修理を依頼できる主な業者には以下があります。

  • 家を建てた施工業者
  • ハウスメーカー・工務店
  • リフォーム業者

それぞれの業者に特徴があり、各状況に応じて業者の選定を行いましょう。

以下では各業者の特徴について詳しく解説します。

家を建てた施工業者

新築から10年以内であれば、家を建てた施工業者への雨どい修理の依頼をおすすめします。おすすめの理由は「瑕疵担保責任」が適応されるからです。

瑕疵担保責任とは、建物に欠陥があった場合、施工業者は10年間その修理責任を負うという法律です。雨どいの問題も瑕疵担保責任の対象となります。

ただし、定期的なメンテナンスが必要な雨どいの掃除や詰まりの解消などは、施工業者の責任範囲外となる場合があるため注意が必要です。

ハウスメーカー・工務店

ハウスメーカーや工務店に雨どいの修理を依頼することも可能ですが、選び方に注意が必要です。ハウスメーカーは基本的に住宅販売のみ行うため、実際の作業を工務店に依頼し、さらにその工務店が孫請けの業者に請け負ってもらっているケースが多くあります。孫請けとは、元請け業者が下請け業者に再度請け負わせることです。

その結果、ハウスメーカーと依頼者の間に2つの業者が入るため、中間マージンが発生し修理費用が高くなりやすいデメリットがあります。

中間マージンとは、商品やサービスが販売される過程で発生する、仲介業者などの利益を指します。

一方工務店は、元請けから直接業務を引き受ける下請け業者である場合が多いのが特徴です。そのため、ハウスメーカーよりも修理費用が抑えやすい傾向にあります。

リフォーム業者

リフォーム業者は専門知識や経験が豊富で、自社で施工を行っている会社も多いため、雨どいの修理においてもおすすめの選択肢です。

自社で施工しているリフォーム会社は、ハウスメーカーや工務店のように中間マージンが発生しないため、費用を抑えやすいのが特徴です。

しかし、リフォーム業者にも悪徳業者は一定数存在するため、複数業者による相見積もりなどを行い、慎重に選定しましょう。

雨どいの破損は放置せず、適切なタイミングで修理して住まいを守ろう

雨どい修理の原因は、主に以下が挙げられます。

  • 経年劣化
  • 自然災害
  • ゴミの詰まり

以上のような原因を放置すると、雨どい修理に加えて雨漏り修理なども加算する可能性もあります。

雨どいの修理を業者に依頼する場合は、部分的な修理だと1万円〜20万円ほどが必要です。ただし、修理で足場が必要な場合は、足場設置による費用が必要になるため10万円〜20万円ほどになります。

一方、雨どい全体の修理となると25万円〜60万円と高額になるため、火災保険への加入や自分でDIYするなどして、修理費用を抑える工夫を検討しましょう。

業者をお探しの方は、工事やリフォームを無料で一括見積ができる「ミツマド」がおすすめです。

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ぜひお気軽にお問い合わせください。

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