2024.02.26

吹き付けタイルとは?メリットと費用相場、耐用年数、劣化のサイン

吹き付けタイルとは?メリットと費用相場、耐用年数、劣化のサイン

「吹付タイルって一般的なタイルの外壁と違うの?」
「吹付タイルって外壁塗装におすすめなの?」

吹付タイルを依頼しようにも、知識がなければ適切な工事内容・価格で依頼できませんよね。

吹付タイルは外壁の塗装方法の一つで、一般的なタイルとは別物です。

本記事では、外壁のリフォームに吹き付けタイルを検討している家主様に向けて、吹付タイルの特徴や費用相場、耐用年数などを解説します。

目次

吹き付けタイルの基礎知識

リフォーム時の外壁の仕上げ方法にはいくつか手法があり、吹付タイルもその中の一つです。

ここからは、吹付タイルの概要や主な特徴を紹介します。

吹き付けタイルとは?

吹き付けタイルとは、タイルのように滑らかな手触りになる外壁の仕上げ方法の一つです。「ボンタイル仕上げ」とも呼ばれます。

「吹き付けタイル」と言われるものの、直接タイルを貼るのではありません。ウレタンやフッ素などの塗料で外壁を塗装します。

国内ではサイディング外壁が多くの住宅で使用されています。吹き付けタイルは、セメントと砂と水を調合されたモルタル外壁に用いられることが多い手法です。

吹き付けタイルの主な特徴

吹き付けタイルでは、下塗り材、主材、上塗り材と塗料を3回塗り重ねる、複層仕上げ塗材が使われています。さらに、下塗り塗料を塗る前には外壁の表面を高圧洗浄し、重ね塗りする塗料の吸着力を向上させるために「シーラー」を塗布します。

同じような仕上げ手法に、最後に鏝で立体的にヘッドカットをするスタッコ仕上げや、ザラザラとした質感が特徴のリシン吹付などがあります。

スタッコ仕上げやリシン吹付などと違い、吹き付けタイルは、塗料の中に骨材やセメントを混ぜません。表面がザラザラせず、凹凸があっても滑らかな仕上がりになるのが特徴です。

吹き付けタイルは専用の機械コンプレッサーを用いて吹き付けを行います。広範囲にわたって均一に凹凸模様をつけるには高度な技術が必要な手法です。

吹き付けタイルの代表的な仕上げ方法には、中粒仕上げとヘッドカット仕上げの2種類があります。中粒仕上げは、吹きつけた後にあえて追加で作業をしません。

ヘッドカット仕上げは、材料が固まる前にコテやスポンジ状のマスチックローラーなどで凹凸の凸部をフラットにします。

吹き付けタイルのメリット

滑らかな表面になる吹き付けタイルには、さまざまなメリットとデメリットがあります。

メリットとデメリットを押さえ、自宅の外壁のリフォームに吹き付けタイルが向いているか否かを判断できるようにしましょう。

リフォームした後に、後悔するリスクを減らし、やり直しにかかる無駄な費用を抑えられます。

吹き付けタイルのメリット

吹き付けタイルの1番のメリットは丈夫な外壁になり、耐久性が高くなることです。

吹き付けタイルで使用する塗材は硬質なのが特徴です。さらに、単層ではなく3層で塗装するため塗膜が厚くなり、ひび割れが生じにくくなります。

豊富な種類の中から上塗り塗料を選べるため、デザイン性が高いのも特徴です。滑らかで重厚感や高級感のある仕上がりもできます。

さらに吹き付けタイルは、リシン吹付などのザラザラとした骨材仕上げよりも、表面がタイルのように滑らかです。外壁の汚れが付きにくく、汚れが落としやすくなります。

吹き付けタイルは、ローラーやコテで手塗りする場合と比べると、短い期間で広範囲の塗装ができます。工事期間が短縮できるため、人件費削減が可能です。

吹き付けタイルのデメリット

吹き付けタイルはスプレーガンを使用して塗装します。塗料が飛散してしまう分、ローラーを使用して職人が手作業で仕上げるローラー工法と比べて、使用量が多くなってしまうのがデメリットです。

さらに、吹き付けタイルでは「コンプレッサー」に空気を圧縮して塗料を噴出できるよう、スプレーガンを取り付けて塗装します。スプレーガンから塗料が噴出すると大きな音が出るため、騒音で近隣トラブルを招きかねません。

作業する際は、近隣の方に事前に挨拶をし、曜日・時期や時間帯を調整するなどして配慮しましょう。

また、飛散防止のために周辺を養生するのに時間がかかったり、強風で施工ができず、期間が延びたりする場合があるため気をつけましょう。

吹き付けタイルの費用相場と耐用年数

吹き付けタイルは外装用の塗料によって費用相場や耐用年数が異なります。場合によっては足場の設置費用も必要です。

ここからは、吹き付けタイルの塗料ごとの費用相場と耐用年数を解説します。

費用相場や耐用年数を理解し、依頼しようとしている吹き付けタイルの工事費用が妥当な金額かどうか、判断できるようにしましょう。

自宅の外壁のリフォームを吹き付けタイルで仕上げることをイメージして、どの塗料が自宅に合っているかあわせてご検討ください。

塗料の費用の目安

・ウレタン塗料

ウレタン塗料は、1平方メートルあたり約1,800~2,300円で塗装できます。さまざまな外壁材に塗布しやすく、密着性が高いのが特徴です。

シリコン塗料やフッ素塗料と比べて、1番相場が安価な塗料です。しかし、耐用年数は6~10年程度と比較的短く、塗り替えの頻度が多くなります。その分、工事費用も必要となり結果的に費用がかさんでしまいかねません。

塗料は改良されてはいますが、紫外線に弱く変色する可能性があります。毒性成分を含むため、使用する際には近隣への配慮が必要です。

・シリコン塗料

シリコン塗料は、1平方メートルあたり2,500~3,300円が費用相場です。耐用年数は8~15年で、耐候性に優れているため屋根塗装によく使われています。

塗膜が硬く剥がれにくいため耐熱性や耐水性が高いのがメリットとはいえ、ウレタン塗料と比べると弾性が低く、ひび割れのリスクが高まります。

・フッ素塗料

フッ素塗料の費用相場は、1平方メートルあたり4,000~4,500円です。相場が高く一回あたりの工事費用が高額になってしまいます。

しかし、温度変化や直射日光、湿度などに対する天候へ耐性が高いのがメリットです。優れた耐久性により、塗り替える回数が少なく済むため、長期的にはコストパフォーマンスが高くなります。

足場の設置費用の目安

外壁の吹き付け作業の際、一般的には足場を設置します。足場の設置費用の相場は、1平方メートルあたり600〜1,500円程度です。

業者に依頼する場合には、足場の設置費用が別途かかる可能性があることを理解し、見積もりの際に必ず確認するようにしましょう。

吹き付けタイルのメンテナンスが必要になる主な劣化症状

吹き付けタイルは塗料ごとに耐用年数があります。

しかし劣化を示す兆候がある場合は、耐用年数を超えていなくても吹き付けタイルのメンテナンスが必要です。

自宅の外壁を綺麗・安全に保つためにも、吹き付けタイルのメンテナンスが必要になる劣化症状を把握しておきましょう。

吹き付けタイルのメンテナンスが必要になる劣化症状には、以下4つがあります。

チョーキング

1つ目の劣化症状は、チョーキングです。

建物の塗料に含まれている成分が粉状になる状態で、外壁に触れると手に白い粉がつきます。

雨や紫外線の影響で塗料に含まれている合成樹脂が分解され、劣化するのが原因です。

塗膜の劣化が進行しているケースが多いため、きちんと外壁を補修する必要があります。

カビや苔の発生

2つ目の劣化症状は、カビや苔の付着です。

空気中の汚れが雨水と一緒になって外壁の凹凸部位に付着し、カビや苔が繁殖することがあります。

カビや苔の付着は、壁の防水機能の低下が原因の場合があります。苔は洗い落とせたとしても、カビが外壁の奥深くに達している危険性があるため、専門業者に丁寧に見てもらうのがおすすめです。

塗膜の剥がれ

3つ目の劣化症状は、塗膜の剥離です。

外壁の経年劣化や気候の影響で塗膜が剥がれ、色褪せることがあります。

外壁の汚れが落としにくくなることがあるため、早めの補修や定期的なメンテナンスを実施し、劣化の進行を抑えましょう。

ひび割れ(クラック)

4つ目の劣化症状は、ひび割れ(クラック)です。

壁材であるモルタルの乾燥、外壁の経年劣化や衝撃など、さまざまな要因でひび割れが引き起きます。

ひび割れを放置すると、雨水などの水分が浸入し、壁の外側だけでなく壁内部の劣化も引き起こしかねません。早めの補修が重要です。

吹き付けタイルで外壁を仕上げるなら専門業者に相談するのがおすすめ

吹き付けタイルは、外壁の仕上げ方法の一つです。一般的にイメージされるタイルを貼るのではなく、タイルのように滑らかな手触りになるよう塗装で仕上げます。

耐久性が高くカラーやデザインのバリエーションも豊富ですが、塗料が飛散し、機械音がするため近隣への配慮は必須です。

塗装の費用相場や特徴を理解し、適切なタイミングで自宅の外壁にあった吹き付けタイルを施し、丈夫な外壁を維持しましょう。

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