【坪数別】外壁塗装の費用相場
外壁塗装工事の対象面積は、住宅の延床面積をおよそ1.2倍した数値に該当するとされています。
算出した外壁面積を塗装費用の相場一覧(表1)と照らし合わせると、建物の外壁塗装にかかる費用を算出できます。
下記は、1坪=3.3平方メートルとする場合の外壁塗装面積の計算例です。
1階が20坪、2階が10坪の建物の場合、延床面積は「(20坪+10坪)×3.3平方メートル」(=99平方メートル)。
外壁(塗装)面積は「延床面積×1.2」で計算できるため、計算式は「99平方メートル×1.2」です。
以上の結果から、118.8平方メートルが外壁塗装面積だと分かります。
表1:外壁塗装工事の費用相場一覧(坪数別)
坪数(延坪) | 塗装面積 | 費用相場 |
---|---|---|
10坪 | 39.6平方メートル | 約20万~50万円 |
20坪 | 79.2平方メートル | 約40万~90万円 |
30坪 | 118.8平方メートル | 約60万~100万円 |
40坪 | 158.4平方メートル | 約80万~130万円 |
50坪 | 198.0平方メートル | 約90万~160万円 |
60坪 | 237.6平方メートル | 約120万~200万円 |
70坪 | 277.2平方メートル | 約140万~230万円 |
80坪 | 316.8平方メートル | 約160万~260万円 |
90坪 | 356.4平方メートル | 約180万~280万円 |
100坪 | 396平方メートル | 約230万~350万円 |
工事費用の支払い方法は一般的に、工事完了後に一括払いする、もしくは契約のタイミングで一部支払い、残りの代金を施工後支払うかの2パターンです。
施工前に全額支払ったら業者が音信不通になるなどのトラブルの事例もまれにあるため、業者選びには注意が必要です。
施工内容の具体的な説明があるか・丁寧な対応をしているか・保証内容や追加料金の話をしてくれるかなどを意識しながらやり取りをしましょう。
着工後、他の箇所の修繕を提案・実施して料金を上乗せしてくるトラブルがあるため、補修の提案に対してはサービスが無料なのか有料なのか、有料の場合どの程度請求額が変化するのかをしっかり確認してください。
依頼をする前に企業サイトの確認をしておくことも大切です。実在する塗料メーカー・ハウスメーカーなのか、また、写真付きの施工事例があるかなどを確認してください。
そのほか見積もり金額より大幅な値引きを実施する業者も注意が必要です。
通常は人件費や運搬費など削れないコストが多くあります。もし、大幅な値引きができる場合は、元々提示していた金額が適切ではない(大幅に上乗せした金額だった)可能性が浮かびます。
【塗料別】外壁塗装の費用相場
外壁塗装は塗料の種類によって費用が変動します。
ここからは、塗料別の外壁塗装の費用相場・塗料の種類ごとの特徴を解説します。
これらの点は外壁塗装の費用を抑えるためにも、しっかり確認しておきましょう。
また、相場だけで判断せず塗料の単価や耐久年数を考慮した選択をしておくことで、長い目で見たコストを抑え、満足感を高められます。
ただし近年は原材料の高騰等などの影響で、塗料そのものの価格が上がっているケースがあります。
そのため、依頼前に現在の塗料の価格相場などを確認しておくことがおすすめです。
外壁塗装に使われる代表的な塗料は以下の通りです。
- アクリル塗料
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- ラジカル塗料
- フッ素塗料
- 無機塗料
それぞれの特徴を紹介します。
1.アクリル塗料
アクリル塗料はアクリル樹脂を主成分とする軽量塗料です。単価が安く、耐久年数は比較的短い点が特徴です。リフォームなどのメンテナンス用途向きではありません。
2.ウレタン塗料
ウレタン塗料はポリウレタンを主成分とする塗料で、外壁や車にも使用されています。
低価格のため費用を抑えられる一方、紫外線の影響を受けやすく耐久性が低めです。
長期的なコストパフォーマンスは期待できません。
3.シリコン塗料
シリコン塗料はシリコンが主成分である樹脂を使った塗料です。
比較的耐久性が高く、光沢のある上品な仕上がりが期待できます。アクリル塗料やウレタン塗料よりも単価が高く、フッ素塗料よりも耐久性が低いデメリットを持っています。
4.ラジカル塗料
ラジカル塗料はラジカル制御型の酸化チタンを用いた塗料です。
光沢の持続性・耐久性が高く、長期的なコストパフォーマンスに優れています。リフォーム向きの塗料である一方、塗料として使われている歴史が浅く実績が少ない特徴があるので、塗装業者によって塗装経験の有無があることが難点です。
5.フッ素塗料
フッ素塗料は原料に蛍石が配合されたフッ素樹脂が含まれています。
耐久性が高くメンテナンスの頻度を抑えられるため、長期的なコストの削減を期待できます。まさにリフォーム向きの塗料です。
ただし他の塗料と比較すると高単価で、ツヤあり塗料しか選択できない特徴があります。
6.無機塗料
無機塗料は鉱物やガラスなどの無機物が含まれた塗料です。
無機物が主成分のため耐候性が高く、雨や紫外線の影響を受けづらい特徴を持ちます。
劣化のスピードが遅いため、長期的に外壁を保護できます。価格が高く施工業者の技量で効果に差が生まれるため、他の塗料と比較検討してから外壁塗装に使用するか判断をしてください。
塗料 | 耐久年数 | 単価相場(1平方メートルあたり) |
---|---|---|
アクリル塗料 | 5年~8年 | 1,000円~1,800円 |
ウレタン塗料 | 7年~10年 | 1,700円~2,500円 |
シリコン塗料 | 10年~15年 | 2,300円~3,500円 |
ラジカル塗料 | 12年~15年 | 2,300円~4,000円 |
フッ素塗料 | 13年~20年 | 3,000円~5,000円 |
無機塗料 | 15年~25年 | 3,500円~5,500円 |
【工程別】外壁塗装の費用相場
外壁塗装は坪数や塗料の種類だけでなく、塗装工事の工程や数によって費用が異なります。
ここからは工程別の外壁塗装の費用相場、各工程の内容の特徴を解説します。外壁塗装に必要な費用の内訳を把握しましょう。
外壁塗装の費用相場は、工程の種類ごとに費用の相場が決まっています。外壁塗装の工事で考えうる工程は以下の通りです。
- 足場の設置
- 高圧洗浄
- 飛散防止ネットの設置
- 養生
- シーリング補強
- 下地補修
それぞれの特徴と費用を確認していきましょう。
1.足場の設置
外壁塗装の際、外壁を洗浄するために足場を組みます。
足場は高い所で作業をするために家を囲う形で設置します。足場は壁から少し離して組み立てるため、足場を組む面積は外壁面積より余裕をもって計算しなければいけません。
足場の費用は「足場面積(外壁面積×1.3)×単価」で算出できます。下記は1坪=3.3平方メートルとする場合の足場費用の計算です。
1階が20坪、2階が10坪の建物の場合、外壁塗装面積は118.8平方メートルと計算できます。
足場の費用の計算式「118.8平方メートル×1.3×600円」から、費用は92,664円かかることが分かります。
2.高圧洗浄
高圧洗浄は外壁と塗料を密着させるための工程です。
塗装を剝がれにくくするため、塗料を塗る前に汚れや古い塗膜を洗い流します。高圧洗浄の費用は計算式「外壁面積(塗装部分)×単価」で算出できます。
3.飛散防止ネットの設置
飛散防止ネットの設置は外壁塗料や高圧洗浄の飛散防止のために欠かせません。
養生することで汚れや塗料が近隣の建物へ飛び散ることを防げます。
飛散防止ネットの設置費用は計算式「足場の面積(外壁面積×1.3倍)×単価」で計算できます。
4.養生
養生は塗料の付着防止のために対象箇所を保護する工程です。
マスキングテープなどのアイテムを使って玄関のドアや窓のサッシを保護します。
養生費用の計算式は「足場の面積(外壁面積×1.3倍)×単価」です。
5.シーリング補強
シーリング補強は劣化した箇所を補修する工程です。外壁材の隙間やひび割れなどをシーリング材で補強します。
既存のシーリング材の劣化状況によって作業は異なりますが、原則は既存のシーリングを除去して「打ち替え」を実施します。
既存のシーリングが劣化していない場合は、除去せずそのまま「増し打ち」が可能です。除去費用はかかりません。
シーリング補強にかかる必要な費用の計算式は「対象となる長さ/1m×単価」です。
6.下地補修
下地補修は劣化した下地を塗装前に補強する補修工事です。
ひび割れがある場合、雨漏りなどで雨水が壁の中に入らないよう補修した後に塗料を塗ります。
下地補修に必要な費用の計算式は「外壁面積(対象面積)×単価」です。
工程 | 単価相場(1平方メートルあたり) |
---|---|
足場の設置 | 600円~800円 |
高圧洗浄 | 100円~300円 |
飛散防止ネットの設置 | 100円~200円 |
養生 | 250円~400円 |
シーリング補強(増し打ち) | 500円~1,000円 |
シーリング補強(打ち換え) | 900円~1,500円 |
下地補修 | 1,700円~2,500円 |
想定以上にダメージを受けている範囲が多く、大幅な外壁リフォームが必要になった・長持ちする高品質な素材を使って長期的なコストを抑えたいと考えている方は、ローンを利用した塗装依頼も一つの手です。
使えるローンは、リフォームローンと住宅ローンの2種類です。
リフォームローンは金利が高めで変動金利型であること。住宅ローンは変動金利型・固定金利型を選べる。等それぞれに特徴があります。
自分の状況に応じてローンを選択してください。
外壁塗装するなら費用を事前にプロに見積りを依頼しよう
今回の記事では坪数・塗料の種類によって耐久性や外壁塗装の費用が変動すること、工程別でも料金が異なることをお伝えしました。
計算式もご紹介しましたが、正確な外壁塗装の費用を把握するにはプロへの見積り依頼が一番です。
複数の優良業者から見積りを取り、適正価格の比較検討をしましょう。
リフォーム会社をお探しの方は、工事やリフォームを無料で一括見積ができる「ミツマド」がおすすめです。外壁工事に詳しい専門スタッフが、ご要望に合う業者を複数紹介してくれるのでスムーズにリフォームを進められます。
ぜひお気軽にお問い合わせください。