ケレン作業とは?
ケレン作業とは、建物の外壁塗装や屋根塗装を行う前の下地を整える作業を指します。
名前の語源は英語の「Clean(クリーン)」が訛って「ケレン」になったとも言われており、塗装の前段階の工程です。
高圧洗浄機で汚れを落とした後、塗料がしっかり密着するように古い塗膜や汚れ、サビなどを除去する作業です。
とくに鉄部に対して行われることが多いですが、木部や窯業系サイディングにも適用されます。
ケレン作業の具体的な内容には、サンドペーパーやワイヤーブラシ、スクレーパーなどの道具を使用して、塗装面の凹凸をきれいに整えることが含まれます。
塗料が下地にしっかりと密着し塗装の持ちを良くするのが目的です。塗装部分の表面に傷を付ける作業もケレンと呼ばれることがあり、「目粗し」とも呼ばれています。
ケレン作業は塗装の耐用年数を左右する重要なステップであり、仕上がりの美しさを持続させるためにも欠かせない工程です。
ケレン作業はなぜ必要?
外壁塗装や屋根塗装において、ケレン作業は欠かせない重要な工程です。
ここでは、ケレン作業がなぜ必要であるのか、その目的や効果について見ていきましょう。
ケレン作業を行う目的
ケレン作業は、塗料がうまく密着するよう、塗布面をしっかりと整えるために行われる作業です。
まず古い塗膜やサビ、汚れを徹底的に除去し、新しい塗料がより良く密着する土台を作り出します。
さらに表面に細かい傷を付けることで、塗料の密着性を高め、塗膜の持続性を向上させます。
ケレン作業を行うことで期待できる効果
ケレン作業により得られる効果は、塗料が基材にしっかりと密着しやすくなることです。
これにより塗装の仕上がりが美しくなり、長期間にわたって耐久性が保たれるようになります。
また塗料の均一な塗布が可能となることで、外観の美しさが向上するのも大きなメリットです。
ケレン作業せずに塗装をしたらどうなる?
ケレン作業を怠ると、塗料が古い塗膜や汚れに十分に密着せず、下地と間に隙間ができるため接着力が弱まります。
その結果、塗膜が剥がれやすくなり、雨漏りや色あせの原因になる可能性が高まります。
さらに塗膜の耐用年数も短くなるため、結果的に修繕や再塗装の費用が増えることにもつながるでしょう。
ケレン作業の種類別費用相場
ケレン作業は、研磨力の高い順に1種から4種まで分けられます。
一般住宅の場合、主に2~4種ケレンが用いられ、外壁や屋根の劣化具合に応じて判断されます。
ここでは、それぞれの種類と費用相場について見ていきましょう。
1種ケレン
費用相場:3,000~4,000円/平米
1種ケレンは、腐食が非常に激しい場合に行う大規模な作業です。
ブラスト工法を使用して、サビや腐食、古い塗膜を完全に除去します。
ブラスト工法とは、砂やショットを高圧で吹き付けることで塗装面をきれいにする方法です。1種ケレンは、主に水場の建造物や橋梁、船舶などで主に用いられます。
2種ケレン
費用相場:1,500~2,000円/平米
2種ケレンは、サビや剥離がひどい場合に行われます。
表面積の30%以上にサビが発生している場合が目安です。
手工具や電動工具を使用して、鉄肌が見えるまで劣化したサビや塗膜を除去します。
使用する主な道具は、ディスクサンダーや電動ブラシなどです。この方法は、鉄骨構造の橋梁や鉄塔などで多く用いられます。
3種ケレン
費用相場:600~1,000円/平米
3種ケレンは、部分的にサビがある場合に行われる作業です。
密着性がある塗膜は残し、劣化した部分だけを処理します。3種ケレンは、A、B、Cのランクに分けられ、サビの発生面積に応じて分類されます。
3種Aケレンでは表面積の15~30%、3種Bケレンでは5~15%、3種Cケレンでは5%程度のサビが目安です。
主に手工具と電動工具を使用して作業を行い、鉄筋コンクリートや一般的な戸建て住宅で多く用いられます。
4種ケレン
費用相場:200~400円/平米
4種ケレンは、手工具を使用して表面のみを処理する作業です。
紙ヤスリや研磨スポンジを使い、軽く塗装表面を整えます。
全体的にダメージが少なく、サビもとくに見当たらない場合に行われます。
塗膜異常面積の目安は、表面積の5%以下程度です。
塗料の密着性を高めるために行う目粗しも、4種ケレンに含まれます。
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ケレン作業を依頼する際の注意点
ケレン作業を依頼する際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。
適切なケレン作業が行われないと塗装の耐久性や仕上がりに大きな影響を与えるため、見積もり内容や作業の詳細を事前に確認することが重要です。
見積もりにケレン作業が含まれているかを確認する
ケレン作業を行うかどうかによって塗装の耐久性が大きく変わるため、見積もりにはケレン作業が含まれているかを必ず確認しましょう。
工事内容にケレン作業が記載されていない場合は、業者に確認をとることをおすすめします。
こうすることにより、ケレン作業の費用を追加で請求されるトラブルを防げます。
なお、ケレン作業は業者によって表記が異なることもあるため、表面仕上げ、サビ除去、木目荒らし、下地処理などの表記がないかを確認しましょう。
ケレン作業について説明を受け、内容を確認しておく
塗膜の劣化状況によって、ケレン作業の種類は異なります。
外壁の状態によっては、ケレン作業よりも適した方法がある場合も考えられるため、業者からしっかりと説明を受けることが大切です。
外壁の劣化状況やケレン作業の具体的な内容、作業スケジュールについて説明を受けて、納得した上で作業を依頼しましょう。
費用を相場と比較する
ケレン作業の費用が相場と比べて極端に安すぎたり高すぎたりする場合は、作業項目ごとの内訳を確認すると良いでしょう。
複数の業者から見積もりをとって、見積書を比較検討することもおすすめです。
これにより、適正な価格で質の高いケレン作業を提供する優良業者を見つけられます。
ケレン作業の重要性を理解し、適切な施工を依頼しよう
ケレン作業とは、外壁や屋根の塗装前に下地を整える重要な工程です。
塗料の密着性を高め、塗装の耐久性を向上させるために不可欠です。
ケレン作業は研磨力の高い順に1種から4種まで分けられ、劣化具合に応じて適切な方法が選ばれます。
費用相場も種類によって異なり、見積もり内容を確認することが大切です。
業者選びや作業内容の確認を徹底することで、トラブルを防ぎ、長持ちする塗装を実現できます。
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