ジョリパットの特徴と費用相場
ジョリパットとはどのような素材なのでしょうか。まずはジョリパットの概要や、費用感について解説します。
ジョリパットとは?
ジョリパットは、アイカ工業株式会社(AICA)が販売している塗材の商品名です。外壁塗装の仕上げ材として使用されるほか、既存の外壁材表面にも塗装できるため汎用性があります。
外装用だけではなく、内装用として使用できるものもあります。モルタル外壁などの仕上げ材のことを、カテゴリ名として「ジョリパット」と総称する場合もあります。
開発されたのは1975年であり、45年以上にわたってさまざまな樹脂系の材料・骨材・寒水石を使用することで改良が加えられてきました。
デザイン性に優れる塗り壁材として現在も高く評価されており、実際に住居の外壁、ショップのカウンターなど幅広く利用されています。
ジョリパットの特徴
ジョリパットは、塗装後のザラザラとした質感が特徴です。また、硬化後には厚い塗膜ができあがり、水を弾かなくなります。ツヤがないマットな仕上がりも印象的です。
古くなったジョリパットを下地として、重ねて塗ることも可能です。左官の施工方法によって外観が異なるため、壁の表情を変えることもできます。
このことから、意匠性に優れ多彩なデザインのニーズに応えられる点もジョリパットの特徴といえます。
ジョリパットの費用相場
ジョリパットの一般的な費用の目安は5,000円/平米です。安い場合は3,000円/平米で、高い商品の場合は16,500円/平米ほどの費用がかかります。
資材の費用だけではなく、デザインのパターンによって価格が異なるため注意が必要です。例として、ローラーやコテで模様をつける場合などは、工数の問題から費用が高くなります。
この他に足場代や養生代などの費用がかかります。正確な料金については施工業者に確認しましょう。
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ジョリパットのメリット
ジョリパットは開発から45年以上、多くの住宅・施設の外壁塗装に使用されています。
その背景には以下のようなメリットがあります。
デザインが豊富
カラーやパターンが豊富で、デザイン性が高い点がジョリパットの代表的な魅力です。
ラフパターン、スプレーパターン、マテリアルパターンパターン数は90以上開発されています。
カラーバリエーションは140以上の幅広いラインナップがあります。
製品によっては標準色以外の調色も可能です。希望するイメージに近い仕上がりを期待できます。
天然の土を使用したものや砂壁のようなナチュラルな風合いのものもあります。
デザインによっては異素材との相性も良く、さまざまなニーズに対応できる塗り壁材といえます。
耐久性が高い
耐久性の高さもジョリパットのメリットのひとつです。
一般的に、ジョリパットの耐久年数は10~20年程度だと考えられています。
劣化しても上塗りで施工可能なため、工事も比較的手軽です。
色あせしにくいほか、高耐候な点も評価されています。
特に防藻・防カビ性能に優れているため、風雨の強い場所の外壁には適しています。
定期的に外壁塗装を行えば、長く状態を保つことができます。
ペンキやシーラーなどを利用したDIYで、日曜大工感覚でジョリパットをペイントする方も少なくありません。
安全性が高い
ジョリパットは人体や環境に配慮した素材を使っているため、安全性についても申し分ありません。
ホルムアルデヒドをはじめとした有害物質の発生が少なく、安全等級が最も高い等級「F☆☆☆☆(エフフォースター)」を取得しています。
抗菌・消臭性能に優れている点も高く評価されています。衛生面のメリットから洗面台の壁材としても一般的です。生活空間の腰壁にも広く使用されています。
ジョリパットのデメリット
ジョリパットには上記のメリットの一方でデメリットもあります。リフォームでの使用を検討している場合は、以下のようなジョリパットのデメリットについても把握しておきましょう。
汚れがつきやすい
ジョリパットのデザインによっては、凸凹の部分に汚れが溜まりがちです。特にスクラッチの部分には、細かなゴミが侵入します。汚れを放置すると美観を損なう要因になったり、カビが生える原因になったりするおそれがあります。
そのため、状態を保つためにはこまめな掃除が必要です。適切なタイミングで掃除を行う気配りが求められます。
高圧洗浄での清掃は避けたほうがいい
ジョリパットは設計上、高圧洗浄での清掃は向きません。高圧洗浄の水圧によって外壁が剥がれる可能性があります。
結果として水分が内部に入り込み溜め込んでしまうケースや、水アカの発生の原因になることがあるため注意が必要です。
特に施工から年月が経過していると撥水性が低下し、水を溜め込みやすくなる可能性があります。こうした状態のジョリパットに、高圧の水で洗浄を行うのは好ましくありません。
施工費用が高めになりやすい
施工費用が高くなりやすい点もデメリットとして挙げられます。ジョリパットは通常、モルタルの下塗り作業が必須となります。そのため、サイディング外壁などの施工費用に比べて費用が高くなりがちです。
また、塗材自体の価格が高めに設定されています。手作業での施工が必要になるため、人件費もかさみます。施工部によって足場が必要になり、部材を合わせるとさらに費用が大きくなるケースがあります。
職人によって仕上がりに差が出やすい
施工する職人の技術力によって仕上がりや見栄えに差が出やすいことも、ジョリパットのデメリットのひとつです。担当する職人によっては、イメージした仕上がりにならない場合があります。
ジョリパットの壁を美しく仕上げるためには、卓越した技術が必要です。特に校倉仕上げなど工芸性の高いデザインには、技術力が求められます。
デザインにこだわりが強い場合は、ニーズに応えてくれる業者を慎重に判断しなければなりません。
ジョリパットの施工依頼時のポイント
ジョリパットを使用したリフォームで失敗しないためには、いくつかのポイントをおさえておく必要があります。以下では代表的なポイントを紹介しますので、施工依頼時の参考にしてください。
ジョリパットに合う外壁や塗料の相性を知っておく
ジョリパットが施工可能な外壁や、塗料との相性を知っておきましょう。
当初、ジョリパットが施工できる外壁はモルタルやコンクリートに限られていました。2022年には、「リミュール工法」が開発され、窯業系サイディングにも施工が可能となっています。
リミュール工法は高度な技術が求められることから、「ジョリパット施工店会 リフォーム部会」に認定登録されている業者しか実施できません。
塗料については、弾性塗料や伸縮性塗料はジョリパットに向いておらず、避ける必要があります。
これらの塗料は、ジョリパット表面の小さな隙間に侵入して空気を閉じ込めてしまうからです。
ジョリパットの内部に空気が残ると、耐久性が低下するおそれがあります。そのため、ひび割れなどの補修工事では使用しない方が良いでしょう。
事前に実物を確認する
ジョリパットをリフォームで使用する場合は、実物を確認しておくことをおすすめします。
バリエーションの豊富さがジョリパットの魅力ですが、実際の質感は仕様一覧や色見本などの資料を見ているだけでは分かりません。
パターンや色の風合い、日の当たり方、凸凹のデザインの印象などの特長は、目で見て、触って確認すると把握しやすくなるでしょう。
メーカーのサンプルやショールームなどを活用すると、実物を確認できます。合わせる建具や用途をあらかじめ検討しておくと、生活シーンのなかでどのようにジョリパットが馴染むのかイメージしやすいでしょう。
施工実績のある会社へ依頼する
ジョリパットは職人の技術によって仕上がりに差が出やすいため、実績があり信頼できる会社を選ぶと良いでしょう。
Webサイトなどでジョリパットの施工歴や事例を紹介しているか確認したうえで選ぶのがおすすめです。
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リフォーム時の外壁には美しく頑丈なジョリパットを検討しましょう!
ジョリパットは、長らく塗り壁材として評価が高い信頼できる素材です。
いくつかの使用上の注意はありますが、一度施工すれば長期間面材を保護してくれるでしょう。仕上げによっては、工芸のような美しさで壁を演出することもできます。
ジョリパットの施工を依頼する業者を選ぶ際は、費用と施工経験に注目することが大切です。
『ミツマド』は、信頼できる施工業者の見積もり額を一括で提示させていただきます。
お客様のご要望をお聞きしたうえで、適切な業者選びができるようにガイドさせていただきますので、ぜひご相談ください。