外壁リフォームの意味と種類
外壁リフォームとは、どのようなリフォームのことを指すのでしょうか。以下より、外壁リフォームの意味と、3種類の工事方法について解説します。
自宅の外壁リフォームに適した工事方法はどれか、見極めましょう。
外壁リフォームとは?
建物の外側にある外壁は、気温、紫外線や風雨などの天候によるダメージを直接受けています。日々蓄積されるダメージにより外壁は徐々に劣化します。劣化した外壁を直すために実施するのが外壁リフォームです。
外壁の材質や劣化状況に応じて、適切な工事を施します。塗装工事のみの場合もあれば、外壁ごと張り替えるケースもあり、工事方法はさまざまです。リフォームすることで建物の美観を保ち、寿命を伸ばすことができます。
外壁リフォームの工法の種類
外壁リフォームの工事方法は、主に以下3つの種類があります。
- 外壁塗装
- カバー工法
- 張り替え(サイディング)
それぞれの特徴について解説します。
・外壁塗装
外壁塗装は新しく塗料を塗る工法です。壁に付着しているホコリやコケなどの汚れを高圧洗浄で取り除くことから始めます。そのあと、クラック(亀裂・ひび割れ)やサビなど劣化している部分を補修する下地処理を行い、最後に塗装という流れです。
塗装は、外壁と上塗りを密着させるための下塗りを行い、中塗り・上塗りで仕上げます。
・カバー工法
カバー工法は劣化した外壁材の上に新しく別の外壁材を重ねて貼る工法です。既存の外壁材に不具合があれば先に補修して、胴縁という下地部材を貼り付けます。胴縁を挟んで新しい外壁材を貼ることで、通気性が向上します。
カバー工法で主に利用されるのは、軽量で耐震性に優れた金属系サイディングです。
断熱性能の追加や、デザインの一新という目的で工事を希望される方もいます。既存の外壁材の劣化があまりにも激しいと、カバー工法は選択できません。
・張り替え(サイディング)
張り替え(サイディング)は、劣化した外壁材を取り払って新しい外壁材に交換する工法です。まずは、既存の外壁材を解体します。解体後、内部の不具合を確認し必要な補修を施したあと新しい外壁材を設置します。
塗装や部分補修、カバー工法では対応しきれないほど劣化していたり、大幅に外壁材の性能をプラスしたい場合に有効です。
外壁リフォームに使われる外壁材の主な種類
外壁リフォームに使われる外壁材には多くの種類があります。そのなかでも品質が安定していて、住宅で多く利用されている板状の外壁材「サイディング」を紹介します。
主なサイディングの特徴は以下の4種類です。
外壁材の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
窯業系サイディング | 豊富なデザインがある | 継ぎ目が生じる |
樹脂系サイディング | キズや色あせに強い | デザインの選択肢が少ない |
金属系サイディング | 耐久性が高い | 錆が生じるおそれがある |
木質系サイディング | 天然の木を使用しており断熱性が高い | 腐食や変色のおそれがある |
塗装(外壁塗装) | サイディングより費用が安い | カビや腐食には対応できない |
各サイディングの詳細について、以下より解説します。
・窯業系サイディング
窯業系サイディングは日本国内のシェア率約80%を誇る、総合力No.1の外壁材です。セメントや繊維質材料を主な原料として作られています。
耐火性に優れ、すでに成形されたボードを使用するため、工期が短くて済みます。コストを抑えられるのもメリットです。
レンガ調や木目調など、表面の形状やカラーデザインの種類が豊富にあります。
継ぎ目を埋めているシーリング材の劣化やひび割れ防止のため、定期的な点検が必要です。
・樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは、主な原料に塩化ビニル樹脂を使用しています。重量が窯業系サイディングの10分の1と軽量な外壁材です。
顔料が練りこまれているため、基本的に再塗装不要で厳しい天候にも強いのが特徴です。
ただし、デザインのバリエーションが少なく、施工できる業者が限られているため国内ではあまり普及していません。
・金属系サイディング
金属系サイディングは、カバー工法に多く使用されている軽量な外壁材です。ガルバリウム鋼板やステンレス鋼板などの金属と断熱材で作られています。
金属は水を通さない素材のため、凍害の心配がありません。
一方で、サビには弱いデメリットがあります。サビにくいステンレスなど、メンテナンスの手間がかかりにくいものを選ぶのがおすすめです。
・木質系サイディング
木質系サイディングは、木のぬくもりを感じられるおしゃれな外壁材です。無垢な木材を主な原料として作られています。
不燃処理を施しているため、温かみは残しつつも耐火性の機能を備えているのが魅力です。
水分を吸収したまま時間が経つと腐食するため注意しましょう。雨水対策を施し、塗膜が劣化する前のこまめなメンテナンスが求められます。
・外壁塗装
外壁塗装は、サイディングより費用を抑えられるのが大きなメリットです。外壁材の傷みの度合いが低く、特にデザインをこだわらない場合は、塗装のみでも十分にリフォームできる可能性があります。
ただし、表面がきれいになるだけのため、デザインや性能を大幅に変えたい場合には向いていません。
すべての希望を叶えられる外壁材はありません。目的をよく考えて外壁材の目星をつけましょう。
【工法別】外壁リフォームの費用相場
ひとことで外壁リフォームといっても、工法によって費用相場は変わります。工法別の費用相場は以下の通りです。
工法 | 費用相場(1軒あたり) |
---|---|
塗装 | 50万円~70万円 |
カバー工法 | 150万円~250万円 |
張り替え | 150万円~350万円 |
外壁塗装は新しく外壁材を用意する必要がありません。ほかの工事方法と比較すると約3分の1の価格です。塗料の種類やグレードによって、約20万円の金額差が生じます。アクリル塗料やウレタン塗料は安価ですが、長期的なコストを考えると耐用年数の長いシリコン塗料やフッ素塗料が人気です。
カバー工法の施工費は約3,000円/㎡、張り替えの施工費は約2,500円/㎡です。加えて、既存の外壁の撤去費は約1,000円/㎡かかります。
カバー工法や張り替えを検討している場合は、施工費に加えて材料費が必要なため、最低でも約150万円が必要であることを認識しておきましょう。
さらに、カバー工法や張り替えはサイディング材の種類によって約100万円の金額差が生じます。総合的に優れていて、人気No.1の窯業系サイディングは約4,500円/㎡、金属系サイディングは約6,000円/㎡かかります。
機能性やデザイン性に優れている樹脂系サイディングと木質系サイディングは、約9,000円/㎡と比較的高値で提供されています。
外壁リフォームの周期の目安
一般的に、外壁リフォームはどのようなタイミングで実施すればよいのでしょうか。目安となる症状や、サイディングの種類別耐用年数について解説します。
外壁リフォームのタイミング
外壁リフォームのタイミングとして判断しやすいのは、新築の状態より明らかに色落ちしているときです。カビや藻が発生し、こびりついていることもあります。
外壁に近づいてみて、つなぎ目のシーリング材にひびが入っていたり剥がれていたりした場合や、ビスなどの止め具が浮いているときもリフォーム検討のサインです。
さらに、外壁に触ってみて白い粉がつく(チョーキング現象)かどうかも確認してみましょう。
10年程度のスパンで症状をチェックしながら、外壁のメンテナンスを実施するのがおすすめです。
【素材別】外壁リフォームの耐用年数の目安
外壁のメンテナンス周期は、サイディングの素材によっても違いが生じます。素材ごとの耐用年数は以下の通りです。
サイディングの種類 | 耐用年数 |
---|---|
窯業系サイディング | 15~30年 |
樹脂系サイディング | 25~40年 |
金属系サイディング | 15~30年 |
木質系サイディング | 15~40年 |
一番耐用年数が長いのは、樹脂系サイディングです。顔料が練りこまれているため、色落ちする心配がありません。あまり普及していないため対応できる施工会社が少ないですが、塩害や凍害に強いので北海道や海沿いの地域では多く使われています。
ほかの窯業系、金属系、木質系サイディングもそれぞれ約15年以上の耐用年数はありますが、シーリング材の劣化に合わせて補修が必要です。
工法と素材の種類や費用を知って、外壁リフォームを依頼しよう
外壁リフォームは外壁塗装のことだけを指すのではありません。カバー工法や張り替えなど新しい外壁材を使った工法もあり、使える素材も豊富です。まずは、自宅の外壁の状態や仕上がりイメージを整理して、リフォーム会社に相談しましょう。
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