2024.02.28

アスファルト防水とは?工法別の特徴と耐用年数、補修方法

アスファルト防水とは?工法別の特徴と耐用年数、補修方法

「アスファルト防水を検討しているけど、どのくらい効果が持つの?」
「昔アスファルト防水をしてもらったけど、時間が経ったからそろそろ補修したい」

ご自宅の防水工事を考えるときに、このように悩んでいませんか?

アスファルト防水は、屋根や屋上の防水に適した工事方法です。屋根や屋上は紫外線や雨風の影響を受け続けて劣化が進むため、雨漏りが起きないよう定期的なメンテナンスを怠ってはいけません。

本記事ではアスファルト防水の特徴や、耐用年数、劣化した際の補修方法について紹介します。

アスファルト防水について理解し、大切なお家を守りましょう。

目次

アスファルト防水とは?

アスファルト防水は、「積層」と呼ばれる方法で実施する防水工事です。アスファルトを染み込ませた合成繊維不織布のシート(ルーフィングシート)を、2層以上重ね合わせて防水層を形成します。

ルーフィングシートを2層以上重ねることで、水密性(雨水をどれくらい防げるか)と耐久性が発揮されます。水が溜まりやすい平らな屋根や屋上などに適した工法です。

工法によってはアスファルト溶融釜などの大型設備が必要で、アスファルトを溶かす際に匂いが発生するというデメリットがあります。

またアスファルト防水は、人の歩行による衝撃や紫外線、雨風から守るために、防水層をコンクリートで保護するケースがあります。これを保護コンクリート、押えコンクリートと呼びます。

アスファルト防水の施工費用は、1平米あたり5,000円〜8,000円が相場です。

【工法別】アスファルト防水の特徴

アスファルトの防水工法には主に3つの種類があります。
熱工法
トーチ工法
常温工法(冷工法)

それぞれメリット・デメリットを理解して、ご自宅に合っている工法を見つけましょう。

熱工法

熱工法は古くから使われている伝統的な工法で、豊富な施工実績があります。

専用の釜(アスファルト溶融釜)を用いて溶解した防水工事用アスファルトで、ルーフィングシートを重ね合わせ防水層を作ります。アスファルトと重ね合わせたルーフィングシートのおかげで、高い密着性と防水性が期待できる工法です。

溶融したアスファルトはすぐに固まってくれるため、早く施工を終わらせたいという方におすすめです。

熱工法には、アスファルトを溶かすという工法がゆえに生じるデメリットがあります。たとえば、溶融する釜は220~270度の熱さに及ぶため、施工時に火災が発生するリスクがあります。さらに、アスファルトを溶融した際に独特な臭気・煙がでることも懸念点です。ご近所トラブルや環境問題につながる恐れから、最近では熱工法以外の工法が採用されるケースが多くあります。

他の工法も検討した上で、ご自宅の防水工事として適した工法かどうかを判断してください。

熱工法の現場での流れは以下の通りです。

  1. 下地の清掃・調整を行い、雨水を流すための排水溝を設置する
  2. プライマー(接着剤)を塗布
  3. 溶融したアスファルトを流し込み、ルーフィングを貼り付ける(2~4枚)
  4. 一番上のルーフィングに溶かしたアスファルトを流し込み、断熱材を貼り付ける
  5. 絶縁シート(電流や熱を通さないため)を溶融したアスファルトで貼り付ける
  6. 防水材を守るためのトップコート塗布、色付けなど、要望に合わせて仕上げる

施工期間は6〜12日が目安です。

トーチ工法

トーチ工法とは、アスファルトルーフィングの裏面と下地をトーチバーナーで炙りながら貼り合わせていく工法です。

熱工法で使用するアスファルト溶融釜が必要ありません。熱工法と比べて煙や匂いが少なく、費用も安く済みます。ご近所トラブルや環境問題の心配も少ない工法です。さらに、ルーフィングシート同士の結合部分を隙間なく密着させられるため、より高い防水機能が期待できます。

ただしバーナーを使用して部分的にシートを溶かしていくには、豊富な経験と高い技術が必要です。職人さんによって仕上がりに差が出てしまいます。

施工実績などが豊富で信頼できる職人さんに依頼しましょう。

トーチ工法の工程は以下の通りです。

  1. 下地を清掃し、しっかりと乾燥しているかチェック
  2. 雨水を流すための排水溝を設置
  3. プライマー(接着剤)を塗布
  4. トーチバーナーでルーフィングシートの裏面・下地を炙り、溶融させながら貼り合わせる
  5. 最後に紫外線・雨風からシートを守るためにトップコート塗装を行う

施工は8日〜10日が目安です。

常温工法(冷工法)

常温工法とは、裏面にゴムアスファルトをコーティングしたルーフィングシート(改質アスファルトシート)を、重ねて貼り合わせていく方法です。

熱を使わないため、安全性が高く煙や匂いも気になりません。住宅が密集しているような地域でも施工できる工法です。「冷工法」や「常温粘着法」とも呼ばれます。

しかし熱工法やトーチ工法と比較すると、熱を使わない分、密着度が劣り、防水性能が低いのがデメリットです。

防水性の低さを解決するためには、ルーフィングシートを何枚も重ねる必要があります。ただし、重量が増え建物に負荷がかかってしまいかねません。

防水性、建物の耐久性をしっかりと考慮した上で施工する必要があります。

常温工法の簡単な流れは以下の通りです。

  1. 下地を清掃して、雨水を流すための排水溝を設置
  2. プライマー(塗布)を塗布
  3. 改質アスファルトシートを下地に張り付ける
  4. ジョイント部分(シートとシートの間)をシール材で埋める
  5. 最後に紫外線・雨風からシートを守るためにトップコート塗装を行う

施工目安は5日〜1週間です。

アスファルト防水の耐用年数と補修方法

アスファルト防水には耐用年数があります。定期的なメンテナンスを怠ると建物に大きなダメージを与える危険性があり、予定外の費用が発生しかねません。

アスファルト防水はどのくらい経過したらメンテナンスをすれば良いのか、また再工事を検討する場合はどのような方法かを解説します。

アスファルト防水の耐用年数

アスファルト防水の耐用年数は工法に関わらず10〜20年程度です。施工から10年経ったら1度メンテナンスを検討しましょう。

雨・風・日光などのダメージにより、防水機能は低下します。そのまま放置しておくと建物に雨水が浸入してしまい、建物内部が腐敗を引き起こします。

建物の修繕にかかる費用はメンテナンス費用よりも高くなるケースがほとんどです。定期的にメンテナンスを実施し、大きな出費が発生するのを防ぎましょう。

また施工から10~20年経過していない場合でも、以下のような劣化症状が見られたら修理が必要です。

防水層のふくれ

防水層のひび割れ

防水層の破断

コンクリートのひび割れ

上記の症状は雨漏りを招く原因です。早急に業者に修理を依頼して被害を最小限に抑えましょう。

アスファルト防水の補修方法

アスファルト防水の補修方法には、以下3つの種類があります。
撤去工法
かぶせ工法
再生工法

撤去工法とは既存の防水層を撤去して、新たにアスファルト防水を施す方法です。既存の防水層の劣化が激しいケースに適しています。

ただし既存の防水層をすべて撤去することに加え廃材の処理が必要なため、時間がかかるのがデメリットです。騒音や振動、施工の途中で雨が降ってしまうと漏水に繋がるという問題点もあります。

かぶせ工法は、既存の防水層の上からアスファルト防水を施す方法です。傷んでいる部分だけを撤去し部分的に補修するため、撤去工法に比べて短時間・低コストで施工できます。

ただし劣化が激しくすでに雨漏りしているケースや、劣化範囲が広いケースには不向きです。

かぶせ工法のひとつである再生工法は、既存の防水層と新しい防水層を重ねて一体化させる方法です。

既存の防水層の効果があるうちに新しい防水層を重ねることで、それぞれの防水層の効果が一体化し、防水性・耐久性が向上します。

3つの工法で一般的に採用されているのは撤去工法とかぶせ工法です。

かぶせ工法と再生工法は既存の防水層の上に新たにルーフィングシートを重ねるため、建物への負荷が大きくなってしまいます。耐震性が低くなってしまうため専門の業者に相談しましょう。

また既存のアスファルト防水には、アスベストが使用されている可能性があります。

アスベストは人体に有害な物質が含まれているため、2003年より使用が規制されました。2003年以前に施工されたアスファルト防水は、アスベストが使用されている可能性があるため、業者に調査してもらい適切に撤去して貰いましょう。

アスファルト防水で雨漏りなどに備えましょう

アスファルト防水は防水工事によく用いられるリフォーム方法で、屋根や屋上に適しています。

アスファルト防水には以下3つの工法があります。
熱工法
トーチ工法
常温工法(冷工法)

それぞれメリット・デメリットを理解し、ご自宅の状況や要望によって適した工法を選びましょう。まずは専門の業者に相談するのがおすすめです。

業者をお探しの方は、工事やリフォームを無料で一括見積ができる「ミツマド」がおすすめです。

アスファルト防水に詳しい専門スタッフが、ご要望に合う業者を複数紹介してくれるのでスムーズに施工を進められます。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

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