2024.02.27

雨漏りの際に自分でできる応急処置|注意点と怠った場合の二次被害

雨漏りの際に自分でできる応急処置|注意点と怠った場合の二次被害

雨漏りを発見して急いで修理しようと業者に連絡をしても、すぐに対応してもらえずに困っていませんか。

そんな時はバケツに雨水を溜めたり、雑巾で吸水したりと、被害を広げないようとりあえず応急処置をして、業者の対応を待つしかありません。ただ、その後はどうすべきなのでしょうか。

本記事では、具体的な応急処置の方法や処置のポイントをお伝えします。

雨漏りを放置すると、建物の寿命にも影響するような二次被害を起こす可能性があるため、適切な処置が重要です。

目次

雨漏りの際に自分でできる応急処置

雨漏りが起きてしまった場合は、被害が広がらないように応急処置をしてください。

雨漏りの根本的な解決は、業者に依頼しなければなりませんが、適切な応急処置ができたかどうかが、その後の修理に影響します。

自分でできる応急処置の例は以下の通りです。

  • 吸水シートを設置する
  • 雨漏りの水をバケツに溜める
  • 防水テープで補修する
  • ブルーシートで被う

補修の手順をそれぞれ詳しく説明します。

吸水シートを設置する

窓のサッシ枠や壁から雨水が染み出している場合には、吸水シートで雨水を吸水してください。

吸水シートは大量の水を素早く吸収してくれるシートです。防災用や介護用などさまざまな用途の防水シートが販売されており、雨漏り以外にもトイレや水道管からの水漏れ、水たまりの水抜きなどに活用可能です。

価格は数千円程度で、ホームセンターやネットで手軽に購入ができます。

吸水シートがない場合は雑巾やタオルでも代用できますが、こまめに絞る必要があります。他にもペットのトイレシーツや紙おむつでも代用ができ、こちらであれば絞る手間は必要ありません。

吸水シートを設置する際には、カーテンまで濡れてしまう可能性が高いため、取り外しておくか濡れないようまとめておきましょう。

雨漏りの水をバケツに溜める

天井から雨漏りする場合には、雨漏りしている箇所の下にバケツを設置しましょう。

バケツに落下した水がはねて床を汚してしまうケースがあるため、バケツの周囲に雑巾やビニールシート、タオルや吸水シートなどを敷いておくのがオススメです。新聞紙でも代用できます。

雨水が溢れてしまわないよう、こまめに水を捨てましょう。

天井に押しピンなどを刺し、そこに糸を結び付けてバケツの中に雨水を誘導する方法や、ビニール袋やゴミ袋を天井に固定し穴をあけて雨水を誘導させる方法もあります。

上記の方法であれば、床に水が飛散する心配はありません。

防水テープで補修する

雨水が浸入している箇所を防水テープで防ぐ方法もあり、トタン屋根や陸屋根の雨漏りに適しています。

防水テープを張る前に、被害箇所の汚れや油分を洗剤やアルコールなどを使って除去し、しっかり乾燥させておきましょう。密着性を高めるために必要な作業です。

掃除が完了したら、雨水の流れに逆らうように防水テープを下から上に張っていきます。

防水テープを張る際は空気が入らないようにし、テープ同士を重ねて貼らないようにすると防水テープが剥がれにくくなります。

防水テープの費用相場は、長さにもよりますが500円~1500円程度です。

ビニールシートでおおう

雨漏りの侵入範囲が広い場合や、浸入箇所の特定が難しい場合にオススメなのが、ビニールシートで覆う方法です。

家の外側にある、雨が浸入していると予測される箇所をビニールシートで覆います。

例えば天井から雨漏りが発生している場合、真上に原因があるとは限りません。そのため、なるべく広範囲にビニールシートを被せるのがポイントです。

ビニールシートで覆う際は、風で飛ばされないように土嚢袋で固定しましょう。
ひもやロープで固定する方法は付帯部分の破損を起こす可能性があるので、オススメできません。また、石で固定する方法は石が落下する危険性があるため避けましょう。

ビニールシートはホームセンターなどで購入でき、10m×10mで10,000円前後です。
サイズが足りなくなることを防ぐために、ビニールシートが必要な箇所のサイズを事前に測り、測ったサイズよりも一回り大きいサイズを購入しましょう。

雨漏りの応急処置を行う時の注意点

雨漏りの応急処置のやり方を間違ってしまうと、さらに雨漏りを悪化させてしまう可能性があります。

雨漏りの応急処置をする際に注意すべきポイントを紹介します。

むやみにひびや隙間を塞がない

雨漏りの応急処置の際は、むやみにヒビ割れや隙間を塞がないようにしましょう。
浸入した水が流れる経路の途中にある隙間を防いでしまい、新しいトラブルを招く恐れがあるからです。

例えば、防水テープや板、シーリングで隙間を防ぐと、浸入した水の排水経路が変わってしまいます。その結果、屋根裏などを伝って別の場所に水が流れるようになり、新しい場所で雨漏りが発生してしまう可能性があります。

また、天井材の上に水がたまり、天井の落下や天井材の膨張を引き起こすケースもあります。

雨漏りの応急処置ではしっかりと雨漏りの箇所を特定して、補修することが重要です。雨漏りの原因箇所が特定できない場合は、むやみにひびや隙間を埋めずに専門家に相談してください。

高所作業で無理をしない

屋根や屋上など高所での作業を伴う応急処置の場合は、無理は禁物です。特に、雨が降っている時や止んだ直後は危険度が増します。

屋根が濡れていると滑って怪我をしたり、屋根から落下したりするおそれがあります。

高所での作業が必要な場合は、業者へ依頼するのが基本です。業者に応急処置を依頼する場合は、2~3万円が相場となります。

台風や強風、地震など自然災害による雨漏りなら火災保険の一部を利用できるケースがあります。まずは専門業者に相談してみましょう。

屋根に釘を打たない

屋根の雨漏り箇所に、補修材を釘で打ち付けるのはやめましょう。

素人の方が釘を打ってしまうと、釘が屋根の骨格部分を貫通してしまい、雨漏りが悪化しかねません。また、釘を打った時にできる穴が新たな水漏れの原因になる可能性もあります。

雨漏りの応急処置をしないと起こり得る主な二次被害

雨漏りには一次被害と二次被害の2種類があります。

自宅内部に雨水が浸入するのが一次被害、浸入した雨水により、室内などで引き起こされるのが二次被害です。

一次被害が発生した際に応急処置を怠ると、二次被害の発生を招いてしまいます。以下より、雨漏りの具体的な二次被害について解説します。

建材の腐食

侵入した雨水が家の骨組みや床、壁材などに染み込んで建材を腐食するケースがあります。雨水が浸入すると湿気がたまり、菌が繁殖して木材などを腐らせるためです。

建材が腐食するとボロボロになってしまい、資産価値の下落要因にもなってしまいます。

カビの発生

浸入した雨水により湿気が高まると、カビが発生しやすい状況になります。

発生したカビはシックハウス症候群やアレルギー症状など、健康被害の原因にもなり得るため注意が必要です。

カビが発生したクロスは張替えが必要になる場合もあり、費用がかさんでしまう可能性があります。

害虫の発生

雨漏りによって水分の多くなった木材は、シロアリの好物です。雨漏りをそのまま放置しておくと、シロアリが発生する原因になる可能性があります。

シロアリのような害虫に家の骨組みなどの木材を食べられてしまうと、家の劣化が進み耐震性にも大きな影響を及ぼします。

大規模な修繕が必要になり、想定外の手間やお金がかかります。

漏電

雨水でブレーカーやコンセントが濡れてしまうと、漏電を引き起こす可能性があります。

漏電は家電の故障や停電だけでなく、感電や火災など最悪の事態を招く場合があります。

命の危険性があり、被害を周囲にも広げてしまう恐れがあるため、雨漏りをそのままにせず、必ず修理するようにしましょう。

雨漏りの発生箇所を特定するための確認ポイント

天井から水が落ちてくる原因は、雨漏りだけではありません。

配管からの漏水・結露・屋根掃除の水撒きによる水漏れなど、雨漏り以外の水トラブルのケースもあります。原因の特定はプロの雨漏り診断士でも難しい判断です。

それでは、プロではない私たちが雨漏りの発生箇所を見つけるためには、どのようなポイントを見ればよいのかを解説します。

屋根材のズレや割れがないか

まず自宅より高い位置から屋根を見下ろしてみましょう。屋根材のズレや割れがないかをチェックします。

屋根材にズレや割れがあると防水機能が損なわれ、雨漏りの原因となります。特に瓦屋根は強風で瓦がズレやすいため注意が必要です。

スレートのひび、漆喰の剥がれも雨漏りの原因となるので、合わせてチェックしてみてください。

屋根を見下ろせる場所が自宅から遠い場合は、双眼鏡を使用すると確認しやすくなります。

窓や天窓のシーリングにひび割れがないか

窓や天窓のシーリングにひび割れがないかを確認しましょう。

防水機能を高めるためにサッシの隙間をシーリングで埋めていますが、シーリングは劣化してひび割れが起こる場合があります。シーリングにひびが入っているとそこから水が浸入して、雨漏りが発生する可能性があります。

ひび割れによる雨漏りが原因で、クロスに浮き・剥がれが見られる場合もあります。

特に天窓は、板金が経年劣化によりサビてしまい、穴が開いているケースがあるため注意が必要です。もし穴が開いていた場合は、雨漏りの原因と想定されます。

ベランダの排水口や雨樋が詰まっていないか

ベランダの排水口や雨樋が落ち葉やゴミで詰まっていないか、目で確認しましょう。

詰まりによって流れなくなった雨水が壁に染み込み、雨漏りに繋がっている場合があります。

ブラシなどで掃除をして詰まりを解消しましょう。ベランダの排水口や雨樋が詰まっているのが原因の場合は、自分でも解決できることが多い傾向にあります。

外壁にひび割れがないか

外壁を確認し、つなぎ目等に1mm以上のひび割れがないかチェックしましょう。ひび割れから直接雨水が流れ込み、雨漏りの原因になります。

特にモルタル壁はひび割れが起こりやすいため注意が必要です。

ベランダの床のひび割れや笠木の劣化がないか

ベランダの床のひび割れや笠木の劣化がないか確認しましょう。笠木とは、ベランダの手すりなどが付いている部分です。

ベランダや笠木に使われている素材が劣化すると、撥水力・防水力が低下します。その結果、水を通すようになり雨漏りの原因となります。

床なら外壁の境目、笠木なら目地部分を中心にひび割れや劣化がないか確認するのがポイントです。

配管まわりに隙間がないか

雨漏りの発生箇所として見落とされやすいのが配管まわりです。

配管は外壁と防水シートを貫通しているケースがあり、外壁や防水シートに穴をあけなければなりません。配管を穴に通した後、配管と外壁の間に隙間が生じてしまいます。

隙間はコーキングで埋めますが、劣化によるひび割れや施工不良で隙間があいたままだと、雨水が侵入してしまいます。

定期的な点検を怠らないようにしましょう。

雨漏りの応急処置後は早めに修理を依頼しましょう

雨漏りを発見したら、すぐに適切な応急処置を施す必要があります。

吸水シートの設置やバケツを使用した対策、防水テープによる補修やブルーシートで覆うなど、雨漏りの箇所によって方法は様々です。

また雨漏りの応急処置の場合は、むやみにひび・隙間を塞がない、高所作業で無理をしない、屋根に釘を打たないの3つに注意が必要です。

本記事で紹介した方法を参考に、しっかり応急処置を行って二次被害を防ぎましょう。

雨漏りの応急処置を行った後は、なるべく早く業者に修理を依頼しましょう。
今回紹介した方法はあくまで応急処置で、根本的に解決するまでは安心できません。

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