2024.07.10

マンションのメンテナンスが重要な理由と費用相場、時期の目安

マンションのメンテナンスが重要な理由と費用相場、時期の目安

マンションは、建造から少しずつ劣化していくため、寿命を延ばすためにはメンテナンスが必要です。

一方で、マンションのメンテナンスについて具体的なイメージをつかめない方も多いでしょう。

この記事では、そうした方に向けてマンションのメンテナンスの重要性、費用相場、目安に時期について解説します。
マンションの不動産としての価値を少しでも長く保つための参考としてお読みください。

目次

マンションのメンテナンスの概要と重要性

「マンションのメンテナンス」とは、具体的に何を指すのでしょうか。

以下では、マンションのメンテナンスの概要や重要性について解説します。

マンションのメンテナンスとは?

マンションのメンテナンスとは主にマンションの外壁や土台、給排水管、電気設備などを点検し、必要に応じて修理することを指します。

 建物や設備などに不具合が生じないように維持することがメンテナンスの目的です。

大規模修繕工事もマンションのメンテナンスの一種といえます。

この性質から、マンションのメンテナンスは定期的に実施することが求められます。

一般的にマンション建築当初の状態を維持するための取り組みとして理解されていますが、居住性を向上させるためにメンテナンスを行うこともあります。

リフォームやリノベーションは、居住性を大きく変えることになるため積極的なメンテナンスであるといえます。

マンションのメンテナンスが重要な理由

マンションのメンテナンスは、主に2つの理由から重要だと考えられています。

1つは、適切なメンテナンスを行えばマンションの寿命を延ばせるとわれているためです。

多くの居住者が使用するマンションは、少しずつ設備が劣化していきます。

また、風雨や日光など、環境によるダメージも避けられません。

一般的にマンションの寿命は70年程度とされており、建て替えとなれば大きな出費が発生します。

適切なメンテナンスを計画的に行えば、マンションによっては100年以上もつ といわれています。

不動産の寿命を延ばすために、定期的なメンテナンスは非常に重要なのです。

2つ目の理由として、空室状況におよぼす影響があげられます。

マンションに不具合があると入居者が住みにくさを感じて、退去につながるリスクがあります。

特に、漏水や電気設備の故障など住まいとしての快適性を大きく損ねるトラブルをメンテナンスで回避することは大切です。

また、塗装の剥げ、外壁のヒビなどマンションの外観に問題があると、入居希望者が減ってしまう可能性があります。

こうした不備をメンテナンスで防ぐことも重要です。

【共用部】マンションのメンテナンス費用相場と時期の目安

マンション メンテナンス

分譲マンションにおける専有部以外の部分を、共用部といいます。

エントランスや廊下、エレベーターなどは代表的な共用部です。

その他、屋根や壁、柱、広義のうえではインターネット設備なども共用部に含まれます。

以下では、共用部のメンテナンス費用相場とタイミングについて解説します。

共用部のメンテナンスの費用相場

共用部のメンテナンスは大規模修繕時に行うことが一般的です。

大規模修繕が初めての場合、工事金額は4,0006,000万円が目安となります。

2回目以降の工事費は6,0008,000万円、3回目以降は1億〜15,000万円の費用が発生します。

一般的に、2回目以降から修繕費用が高くなっていく傾向があります。

これは、2回目以降は物件の劣化が進行しており、工事が大がかりになりやすいためです。

区分マンションの場合、共用部のメンテナンスの費用は一般的に管理組合が支払うことになります。

賃貸マンションを所有している場合、共用部のメンテナンスの費用は前もって準備した修繕積立金を使って行います。

マンションの大規模修繕費用の相場は?工事の流れと期間の目安

共用部のメンテナンスの時期の目安

共有部のメンテナンスは定期メンテナンスと大規模修繕に分けられます。

それぞれの目安の時期について解説します。

定期メンテナンスの時期の目安

法律で実施が義務付けられているため、各部分に1年〜3年に1回の周期での設備点検を実施します。

点検対象の設備によって関連する法律が異なりますが、「法定点検」という総称が用いられています。

法定点検には「マンションの敷地・調査」「換気・給排水といった設備の検査」「エレベーターの定期検査」「消防設備の点検」「水質検査」「水槽の清掃」などがあります。

それぞれ法律で定められている周期が異なるため、注意が必要です。法定点検を怠ると罰則があります。

法定点検はそれぞれ有資格者が実施する必要があります。

例として、家主が自分で行った給水管のチェックなどは、法定点検として認められません。

検査結果は各法令を管理する期間に報告することが義務付けられています。

大規模修繕の時期の目安

大規模修繕とは経年により劣化したマンションの建物や設備の補修をすることです。

エレベーターや階段、駐車場、共用廊下などの共用部が対象となります。

大規模修繕の周期は、一般的に12年〜15年です。

新築から24年目〜30年目には、2回目の大規模修繕を行います。

建物の劣化状況により周期が変動します。

【専有部】マンションのメンテナンス費用相場と時期の目安

専有部とは、マンションのうち区分所有者が所有している部分を指します。

以下では、専有部のメンテナンス費用と時期について解説します。

専有部のメンテナンスの概要

専有部のメンテナンスの対象は主に内装と設備です。

内装メンテナンスには壁紙やフローリングの張替え、窓やドアの修理などがあります。

設備メンテナンスには給湯器やレンジフード、トイレタンク、排水栓などの点検修理が含まれます。

専有部のリフォームもマンション専有部のメンテナンスに含まれます。

専有部は区分所有法によって単独での所有が認められていますが、一戸建てなどとは異なり、所有者が自由にリフォームすることはできません。

リフォーム内容については管理規約で定められているケースがあるため、事前に確認しておく必要があります。

専有部のメンテナンス費用は基本的に自己負担です。

ただし、配管などは共有部のメンテナンス時に専有部も点検され、費用が一部軽減される場合があります。

専有部のメンテナンスの費用相場

マンションの専有部のメンテナンスの費用相場は設備の種類や状態により大きく変動します。

メンテナンスを行う箇所、範囲によっても費用が大きく異なります。

例えば、給湯器など設備の交換を単体で行うか、壁紙などの張替えを一緒に行うかなどの違いでも価格が変動するため、居住者が正確に費用を判断することはできません。

専門の業者を現場に招いて対象箇所をチェックしてもらい、見積りを出してもらう必要があります。

専有部全体のフルリフォームを行う場合の費用相場は60平米(2LDK〜狭めの3LDK)で5001,200万円、70平米(3LDK)で7001,400万円、80平米(3LDK)で8001,500万円です。

以下は、リフォーム対象箇所別の費用相場です。

<リフォーム箇所別の費用相場>

主なリフォーム箇所 費用相場

キッチン

50万円~300万円

リビング・ダイニング

50万円~500万円

和室

20万円~100万円

浴室

80万円~200万円

トイレ

20万円~50万円

なお、玄関ドア、インターホン、バルコニー、窓ガラス、給水配管といった設備は、一般的に専有部ではなく共用部として分類されます。

これらの設備は、共用部のなかでも特定の区分所有者のみに使用が制限されている「専用使用部分」に該当します。

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専有部のメンテナンスの時期の目安

専有部のメンテナンス周期は一般的に10年~15年だといわれています。

これらは、キッチンや浴室などの水回りの設備で修繕箇所が生じてくる時期です。

レンジフードや排水栓、トイレタンクや給湯器などの部品や本体の交換が必要になるタイミングでもあります。

臭いや異音が気になるようになってきた場合は、専門業者を招いてチェックしてもらうことをおすすめします。

壁紙などは生活に与える影響が少なく、明確な寿命もありません。

汚れや黄ばみが目立つようになったタイミングで交換を検討すると良いでしょう。

マンションの定期的なメンテナンスで資産価値を保ちましょう

マンションの定期的なメンテナンスは、資産価値を保つことにつながります。

法令点検だけではなく、外観や共用部についても頻繁にチェックを行い、必要に応じて専門業者にメンテナンスを依頼してください。

マンションのメンテナンスのコストを抑えるためには、複数の業者の見積りを比較することが大切です。

『ミツマド』では、複数の業者の見積りを一挙に確認できます。ぜひご利用ください。

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