アパートの外壁塗装の費用相場と耐用年数の目安
外壁塗装を適切な時期に行うことで、建物の寿命を延ばし、入居者の満足度を向上させることができます。
まずは、アパートの外壁塗装にかかる費用相場や耐用年数の目安を確認しましょう。
アパートの外壁塗装の費用相場
アパートの外壁塗装にかかる費用は、建物の規模や使用する塗料、その他の工事内容によって大きく変動します。費用の目安は、以下の通りです。
2階建てのアパートの場合:120万円~300万円
3階建てのアパートの場合:150万円~500万円
費用は建物の高さや塗装面積、塗料の種類によって変動します。
たとえば高品質な塗料を使用する場合、その分費用が高くなる傾向があります。
また塗装面積が広い場合や高層階に対応する必要がある場合も、足場の設置などのために追加費用が発生するため注意しましょう。
塗装の費用のほかにも、塗装作業を安全かつ効率的に行うための足場代や、外壁に汚れや劣化があれば洗浄代や下地補修費などの追加費用がかかることが一般的です。
塗装費用の内訳は、具体的には足場設置や高圧洗浄、下地処理、養生、塗膜の下塗り・中塗り・上塗りなどが含まれます。これらの追加費用を含めると、最終的な塗装費用はさらに増加する可能性があります。塗装業者に見積もりを依頼する際には、追加費用についても確認することが重要です。
アパートの外壁塗装における塗料別・耐用年数の目安
<外壁塗装に使用される主な塗料とその耐用年数>
塗料の名称 | 耐用年数 | 塗料の特徴 |
---|---|---|
ウレタン塗料 |
7年~10年 |
低価格のため耐久性は低め |
シリコン塗料 |
10年~15年 |
光沢のある仕上がり。フッ素塗料より耐久性は低い |
フッ素塗料 |
13年~20年 |
耐久性が高くメンテナンスの頻度も抑えられる。ツヤがある塗料のみ。 |
無機塗料 |
15年~25年 |
耐久性が高く、施工は技術力によって差が生まれやすい |
ウレタン塗料は、ポリウレタンを主成分とした塗料で、外壁以外にも車の塗料などに使用される事例があります。
比較的低価格ですが、紫外線の影響を受けやすく耐久性が低いため、長期的な視野で判断する必要があります。
シリコン塗料は、合成樹脂を主成分とした人気の塗料です。汚れや熱、紫外線に強く、耐水性も高いため、昨今のマンションや賃貸アパートの外壁塗料の主流になりつつあります。
また湿気を通しやすい性質があるため、塗装がはがれにくく、内部結露を抑える効果も期待できます。
フッ素塗料は、蛍石が配合されたフッ素樹脂を主成分とした塗料です。ウレタン塗料やシリコン塗料に比べると費用が高い塗料ですが、耐久性や耐熱性、防カビ・防水性など、外壁塗料に求められる性能が高いのが特徴です。
耐用年数が長いため、長期的に見ればコストパフォーマンスは高いといえます。
無機塗料は鉱物やガラスなどの無機物を主成分とし、紫外線による劣化が起こりにくく非常に高い耐候性を持つ塗料です。
ただし、ひび割れしやすいという問題があり、職人の技術力に差が生じる可能性があります。
賃貸アパートを経営するオーナー様や管理会社は、施工実績豊富な優良業者選びが重要なポイントとなるでしょう。
アパートの外壁塗装を行うメリットとデメリット
アパートの外壁塗装には、居住者の満足度や長期的なコスト削減に寄与する多くのメリットがあります。
一方で費用面や工事期間中の住環境への影響も考慮しなければなりません。以下より、外壁塗装を行う際のメリットとデメリットについて解説します。
アパートの外壁塗装を行うメリット
美観の維持が入居率につながる
アパートの外観は、賃貸物件情報を見る際や内見時における第一印象となる部分です。建物の外壁や屋根がきれいに保たれていると、入居希望者に好印象を与えられます。
そのため、美しい外観を維持することで入居率が上がる可能性は大いに高まります。特に競合物件が多い地域では、外観のシックなデザインや色分けなどの美しさが選ばれる理由となることが多いです。
建物の劣化を防ぎ資産価値を維持する
定期的に外壁塗装や屋根塗装を行うことで、建物の劣化を防ぎ、資産価値を維持できます。メンテナンスが行き届いた建物は、寿命が延び、長期間にわたり良好な状態を保てるでしょう。また適切な管理状況は、アパート経営においても資本的支出となり、物件の価値を高める要因となります。塗装を行うことで建物の耐久性を向上させ、長期的に価値を保つことが可能です。
修繕コストを抑えられる
外壁塗装を行わない場合、劣化が進みやすく将来的に大規模な修繕が必要になることがあります。しかし定期的に外壁塗装やコーキングなどを行えば、劣化を防ぎ、修繕箇所を最小限に抑えられます。
結果としてトータルの修繕コストが抑えられ、長期的な費用負担の軽減がを実現することが可能です。
アパートの外壁塗装を行うデメリット
費用が高額になりやすい
外壁塗装や屋根塗装には高額な費用がかかるため、あらかじめ一定の予算を確保する必要があります。
計画的に行うためには、工事費用や人件費、使用する塗料の素材などを考慮し、見積書を確認しながら予算をしっかりと組んでおくことが重要です。
突然の大規模修繕が必要にならないよう、長期修繕計画を立て、定期的なメンテナンス費用を予算に組み込むことが求められます。
入居者の生活に影響が出やすい
外壁塗装の施工期間中は、入居者や近隣住民の生活に影響が出やすいのが注意点です。作業員の出入りや塗料の臭い、窓やベランダの開放制限、騒音トラブルなど、住民にとってはストレスとなる要因が多くなってしまいます。
そのため、塗装の工期が決まったら、居住者および近隣住人向けに事前の案内告知や注意喚起を行い、理解と協力を得ることが重要です。
塗装工事の前後に丁寧な説明と対応を行うことで、居住者に安心感を与えながら、クレームも回避することができるでしょう。
アパートの外壁塗装についてよくある質問
アパートの塗替え工事を行うにあたり、色の選び方や工期、施工費用面などで多くの疑問が浮上するものです。
ここでは、アパートの外壁塗装に関するよくある質問にお答えします。
塗装の色の選び方は?
塗装の色選びは、建物の見た目や印象を大きく左右します。主に選ばれる色はベージュ系、グレー系、ブラウン系、ホワイト系で、これらの色は落ち着いた雰囲気を与え、どんな環境にも馴染みやすいでしょう。
おしゃれなデザインやアクセントカラーを取り入れることも大切ですが、周囲の建物の色味や景観と合わせることも配慮すべきポイントです。
また塗料のサンプルだけでなく、実際に塗った色合いを確認し、最終的な外観をイメージしながら選びましょう。
外壁塗装を行う工期の目安は?
外壁塗装の工期は通常2~3週間程度が目安です。ただし、外壁の劣化状態や天候によって工期は延びる可能性があります。
特に梅雨の時期や台風シーズンなどは天候の影響を受けやすいため、工期が延びることを考慮して計画を立てることが重要です。
耐用年数を迎えていなくても外壁塗装を行うケースはある?
耐用年数を迎えていなくても、以下の劣化のサインが現れている場合は外壁塗替え工事を検討する必要があります。
*チョーキング(塗装面を触ると白い粉がつく現象)
*カビやコケの発生
*色褪せ
*ひび割れ
*塗装の剥離
これらの劣化のサインを放置すると、雨水が侵入して建物の耐久性が低下する原因になります。
建物の長寿命化と維持管理費の軽減のためにも、早めの対応が必要です。
アパートの外壁塗装の費用を抑えるコツは?
助成金や補助金を利用する
自治体によっては、「住宅改修補助金」などの制度が設けられていることがあります。助成金や補助金を活用することで塗装費用を抑えられるため、住まいの自治体に確認してみましょう。
梅雨や冬の時期など、業者の閑散期に行う
塗装業者の繁忙期を避け、閑散期である梅雨や冬に依頼すると、通常より安い金額で施工を依頼できることがあります。この時期は業者も仕事が少なく交渉の余地が広がるため、賃貸オーナーにとってメリットがあるでしょう。
相見積もりを行う
複数の施工業者から見積もりを取り、見積書を比較することで、最もコストパフォーマンスの良い業者を選べます。相見積もりを行うことで、業者間の競争を促し、価格を抑える効果も期待できます。
外壁塗装費は減価償却費になる?
アパートの外壁塗装の費用は、確定申告時に経費として計上できます。
具体的には、建物の維持管理や原状回復が目的の場合は、減価償却費として、ひび割れなどの補修が目的の場合は、修繕費として計上します。
自己判断が難しい場合は、リフォーム会社や税理士に相談すると良いでしょう。
適切な経費計上を行うことで、税務上のメリットを最大限に活用できます。
アパートの外壁塗装で資産価値と入居率を向上させよう
アパートの外壁塗装は、建物の美しい外観を保ち、耐久性を向上させるために欠かせない重要なメンテナンスです。
費用は2階建てで120万円~300万円、3階建てで150万円~500万円が目安となります。劣化のサインに気づいたら、塗装の色選びや工期などを考慮しながら計画を立てましょう。
費用を抑えるためには、助成金の利用や閑散期の施工、相見積もりが効果的です。
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定期的な外壁塗装を行い、所有するアパートの資産価値と入居率の向上を目指しましょう。