2024.07.03

家の工事の流れは?準備・着工から完成までの工程と工期・費用の目安

家の工事の流れは?準備・着工から完成までの工程と工期・費用の目安

「新築一戸建てを建築したい」
「長く住み続けるために、今の自宅をリフォームしたい」

上記のように考えているけれども、何から始めればいいのかわからず困っていませんか?

新築・リフォームいずれにしても、家の工事は人生の中でも大きな出来事です。事前準備から建築作業に至るまで、やるべきことは多岐にわたります。

本記事では、家の工事の流れについて事前準備を含めて詳しく解説します。失敗を避けるためにも家の工事に関する基本的な知識を身につけましょう。

目次

家の新築工事を行うまでの事前準備の流れ

家の新築工事をスムーズに進めるためにも、事前準備は欠かせません。

以下では、家の新築工事を行うまでの準備を3ステップで紹介します。何をすべきかを把握し、さっそくとりかかりましょう。

Step1.新築プランの決定

事前準備として、最初に新築プランを決めましょう。主に以下のような観点を検討します。

  • どこに住みたいか
  • どのような間取りにしたいか
  • 新居でどのような生活を送りたいのか
  • 予算はどれくらいか

具体的な新築プランを決めることで理想的の家に近づき、新築後の生活の満足度も高まります。プランを決定する際には、大人だけではなく、お子さんからも意見を聞くのがポイントです。

家を新築する際には、建物・設備の工事費や土地購入費に加え、不動産所得税のような各種税金に対する費用が発生します。予算を決定するのが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーに相談するのも1つの方法です。

具体的な新築プランを決めておけば、工事を依頼するハウスメーカーや不動産会社などから具体的な提案をしてもらえます。また業者はインターネットで検索したり、モデルハウスを見学したりして複数の業者から比較検討しましょう。

Step2.土地の購入

家を建てたい場所が決まったら、土地の購入に向けて準備を始めましょう。 土地を探す方法には以下3つの方法があります。

  • インターネットで調べる
  • 不動産会社に依頼する
  • ハウスメーカーや工務店に依頼する

中でも、ハウスメーカーや工務店に依頼する方法がおすすめです。希望の住まいと予算のバランスが取れるよう、土地選びをサポートしてくれます。

候補の土地が見つかったら買い付けです。売主に対し購入の意思を伝える「買付証明書」を提出したり、住宅ローンの事前審査を受けたりします。

ローンの審査が終わり、土地の購入が決定したら契約を締結します。重要事項の説明を受け、土地売買契約書に署名と印鑑を済ませましょう。手付金も支払います。

無事契約が完了したら土地の引き渡しです。手付金を除いた残金および諸経費を支払ったのち、登記申請をします。

Step3.住宅ローンの申し込み

家を新築するために住宅ローンを利用する場合は、金融機関へ申し込み手続きをしましょう。

ハウスメーカーが申し込みを代行する場合もありますが、必要書類の記入はローンを組む本人でなければなりません。

住宅ローンは、事前審査に1週間程度、本審査に1~2週間程度の時間がかかります。

事前審査を通らないと本審査に進めないため、早めに行動しましょう。事前審査は土地の買い付け時点でも申し込み可能です。

家の新築工事の工程

事前準備を終えたら新築工事が始まります。新築工事は以下6ステップで進みます。

  1. 着工
  2. 基礎工事
  3. 建方工事
  4. 外装仕上げ工事
  5. 内装仕上げ工事
  6. 完成

施工業者の担当者や大工さんが担当する部分が大半ですが、自分たちでも流れを理解し、進捗状況を確認できるようにしておきましょう。

Step1.着工

工事に着工する前に、地盤調査と地鎮祭を実施します。

地盤調査は、2000年の建築法改正により、地耐力(土地がどの程度の重さに耐えられるか)を調べることが義務付けられました。

地盤調査を行う場所は、住宅を建てる場所の四隅と中央部分です。1日で終わりますが結果が出るまでに1週間程度かかります。調査結果で「地盤が弱い」と判断された場合は、地盤改良工事が必要です。

地盤調査後に行う地鎮祭は、工事を行う土地の神様を祭り、工事の無事や建物の安全・繁栄を祈る儀式です。土地の地主や工事の施工主など、家の工事に関係する人たちが参加します。

地鎮祭のタイミングは、地盤改良工事の前が一般的で、地鎮祭と同時に着工です。

着工後には以下3つの作業をまずは実施します。

  • 地縄張り:敷地内に縄やビニールひもを貼り建物の位置を示す作業
  • 墨だし:チョークラインや墨つぼを使い、設計図を原寸サイズで描く作業
  • 遣り方:地縄を張った部分の外側に杭を打ち込み、杭をつなぐように板を張っていく作業

地縄張り・墨だし・遣り方が終わったら水道工事に進みます。水道工事は、給水管引込工事や屋内配管工事など多岐にわたり、住宅の基礎工事前に実施します。

Step2.基礎工事

基礎工事は、鉄筋およびコンクリートで足場を作る工事です。建物を長持ちさせたり、シロアリ被害を防いだりすることを目的に実施します。

最初に行われるのは、以下の3つです。

  • 根切り:建物の基礎を作るために地盤を掘り起こす作業
  • 地業:掘り起こした地盤に砕石を敷き詰めて固める作業
  • 捨てコンクリート打ち:建物が実際に建てられる位置を示したり、工事の足場を作りやすくしたりするための作業

次に「配筋検査」を実施します。配筋検査とは、鉄筋コンクリート造の建物を工事するにあたって、鉄筋が正しく配置されているかを確認する検査です。建物の強度や耐久性に直接影響する重大な役割があります。

配筋検査に合格したあとは、地盤面全体にコンクリートを流し込む「土間コンクリート」の作業となります。

その後、基礎の立ち上がり部分に型枠を作ってコンクリートを流し込み、雨にあたらないように養生します。コンクリートが固まったら、型枠を外して完了です。

Step3.建方工事

建方工事とは、建物の構造材をくみ上げる工事で、仮設足場を組むことから始めます。

工場にて切断や接合部の加工が施された木材を家の形に積み上げたあと、筋かいと呼ばれる柱と柱の補強材を斜めに入れます。

筋かいは、地震や暴風時の強い揺れに耐える住宅作りのために必要なものです。筋かいとは別に、耐震補強のため図面をもとに補強金物も取り付けられます。

住宅の骨組みが完成したあとに、建物の無事を願ったり大工さんを労ったりするための上棟式を実施し、屋根工事に進みます。

屋根工事の最初の作業は、下地になる垂木を組み、その上に野木板と呼ばれる構造用合板を設置する作業です。さらに防水シートを張って屋根材を施工します。

屋根工事が終わった段階で実施されるのが中間検査です。中間検査とは、住宅新築時の「特定工程」と呼ばれる工事が終わった時点で受ける検査で、建築基準法第7条の3によって定められています。

中間検査が必要かどうかは工事によって異なるため、建築主、または代理人が各自治体の役所へ問い合わせましょう。

屋根の工事や中間検査が終わったら、以下のような工事が行われます。

  • 床や壁のサッシの取り付け
  • 各種コンセントやスイッチの設置
  • 断熱材の取り付け

断熱材は、壁、屋根の内側のほか、床にも取り付けが必要です。床に断熱材を取り付けたら、構造用合板を貼って床の下地が作られます。

Step4.外装仕上げ工事

外装仕上げ工事の1つが外壁工事です。外壁に防水シートやサイディング材(外壁材)を取り付けたり、防アリ処理を施したりします。

玄関ポーチや土間にタイルを設置するといった外構工事も外装仕上げ工事の1つです。

他にも駐車場やフェンスを設置したりします。

Step5.内装仕上げ工事

内装仕上げ工事では、まず天井の下地作りおよび断熱材の取り付けを実施します。その後、床にフローリング材を設置して固定及び養生を行います。

フローリング設置後に大工さんによる造作工事が行われ、階段や手すり、収納棚、押し入れなどが入ります。その後、天井や壁に石膏ボードが設置されてから、壁や天井にクロスが貼られる流れです。

ドアや窓の設置まで完了したら、電気工事士に照明器具・エアコンの設置やコンセントカバーの最終調整など、電気関係の作業を実施してもらいます。

最後にトイレ、洗面台、システムキッチンなどの設備が搬入されて内装仕上げ工事の完了です。

Step6.完成

完成した建物は竣工検査を受けなくてはなりません。竣工検査を行うのは工事責任者であり、検査機関も重ねてチェックします。竣工検査に合格して、新築住宅は完成です。

完成後の住宅に問題がないか、内覧会を開催して確認します。内覧会後、工事用のキーから施主専用キーに変更して住宅の引き渡しを行います。

家の新築工事にかかる期間・費用の目安

家の新築工事をプランを検討するうえで、完成までにどのくらいの期間が必要か、どのくらいの費用を予算として確保しておく必要があるのかを把握しておかなければなりません。

ここでは新築工事にかかる期間と費用の目安を紹介します。工期と費用を理解し、適切なプランを立てましょう。

家の新築工事にかかる期間の目安

着工から完成までの期間は、3〜6カ月程度が一般的です。ただし、以下のように施工業者によっても期間は異なります。

  • 大手ハウスメーカー:3〜4カ月程度
  • 工務店:4〜5カ月程度
  • 設計事務所:5〜6カ月程度

新築工事の各工程でかかる工期の目安を紹介します。

Step1.着工

着工にかかる工期は約半月です。具体的な日数は以下の通りです。

  • 地盤調査:約1日
  • 地盤調査の結果待ち:約1週間
  • 地盤改良工事:約1日
  • 地鎮祭:1日
  • 地縄張り、墨だし、遣り方:あわせて約2~3日
  • 水道工事:約1日

Step2.基礎工事

基礎工事にかかる工期は約1カ月です。具体的な日数は以下の通りです。

  • 配筋検査:約1週間
  • 土間コンクリート工事施行:約3~4日
  • 土間コンクリート養生:約10日
  • 土間コンクリート乾燥待ち:約1カ月
  • 型枠作り:8日〜10日

Step3.建方工事

木材の組み立てから上棟式までにかかる工期は約1~2週間です。具体的な日数は以下の通りです。

  • 屋根工事:約5日~1週間
  • 床や壁、サッシ取り付け:約2週間
  • 電気工事:約1週間
  • 断熱材施行:約5日~1週間
  • フローリング工事:約5日~1週間

Step4.外装仕上げ工事

外装工事の中でも、外壁塗装は1週間〜2週間程度かかります。工事中の天候や職人さんの数、熟練度によっても工期に違いが出てくることを知っておきましょう。

外構工事は工事内容によって異なります。短くて1週間程度、長い場合は5週間程度かかると想定しておいてください。

Step5.内装仕上げ工事

壁のクロス張り、造作工事といった仕上げ工事の工程は約2週間~1カ月程度です。

なお、内装工事の多くは外装工事および外壁工事と同時進行で行われます。

Step6.完成

完成後、竣工検査や内覧会、引き渡しといった工程は約1~2週間程度です。

家の新築工事にかかる費用の相場

家の構造別にみた新築工事の費用相場は以下の表の通りです。

  全体金額 工事費 別途工事費 諸経費
木造 約3,067万円 約2,300万円 約600万円 約167万円
鉄骨鉄筋コンクリート造   約4,400万円 約3,300万円 約880万円 約220万円
鉄骨造り 約4,500万円 約3,400万円 約900万円 約225万円
鉄筋コンクリート造 約4,670万円 約3,500万円 約930万円 約240万円

上記は、下に示した2つの調査データから計算したものです。

国税庁地域別・構造別の工事費用表(1㎡当たり)【令和5年分用】によると、1㎡あたりの工事費用に関して以下のデータが示されています。(全国平均値)

  • 木造:17万7千円
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造:26万5千円
  • 鉄骨造:27万2千円
  • 鉄筋コンクリート造:27万8千円

上記の数値を「坪単価」になおすと以下の通りになります。

  • 木造:約60万円
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造:約88万円
  • 鉄骨造り:約90万円
  • 鉄筋コンクリート造:約92万円

坪単価とは、1坪(約3.3㎡)当たりの建築費であり、家づくりの費用を比較する際に用いられる指標です。ここで示した坪単価は、「1㎡あたりの単価÷0.325」で算出しています。

平成30年(2018年)の住宅・土地統計調査のデータを見ると、1住宅当たりの延べ床面積は126.63㎡(約38坪)でした。

坪単価に、1住宅当たりの延べ床面積である38坪をかけると構造別の工事費を算出できます。算出した数値は以下の通りです。

  • 木造60万×38坪=約2,300万円
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造88万×38坪=約3,300万円
  • 鉄骨造り90万×38坪=約3,400万円
  • 鉄筋コンクリート造92万円×38坪=約3,500万円

本体工事費は総予算(ここでは本体工事費から算出)の70%~75%程度と考えられており、別途工事費約20%、諸費用約5%が加算されます。

家の新築工事を行う際の注意点

家の新築工事を実施する際の注意点を2つ紹介します。

スムーズに工事を進め、さらに新居で快適に暮らすためにもポイントを押さえておきましょう。

入居予定日から逆算してスケジュールを確認する

子どもの入学や進学、賃貸物件の更新のタイミングなど、入居希望時期があるならば予定日から逆算して工事のスケジュールを立てましょう。

林野庁が発表する「木材需給表」によると、木材の総需要料は増加傾向です。木材の需要が高いということは、木材が手に入りにくく、建築資材の調達に時間がかかる状況を指します。そのため、納期遅れの可能性もゼロではありません。

納期遅れのケースも想定して、新築プラン決定や土地探しは早めに行いましょう。

工事前に挨拶回りを行う

工事では騒音や工事車両の往来などで近隣の方に迷惑をかけてしまいます。工事前に、住宅会社の方と一緒に粗品と挨拶状を持ってご近所に挨拶回りを行いましょう。

タイミングは地鎮祭の日がおすすめです。時間帯は「10時から12時ころ」もしくは「14時から18時」ころを目処に伺いましょう。

挨拶は両隣、向かい、裏手の家の方に行ってください。可能であれば町内会会長宅にも挨拶に行きましょう。

また引っ越し2~3日前、もしくは当日にも挨拶回りを行いましょう。これからの近所付き合いを良好なものにするためにも大切です。

家の工事の流れを理解して満足できるマイホームを手にしよう

家の工事は、事前準備も含めると長い期間と多額の費用が必要です。どのような流れで進んでいくのか、何をしなければいけないのか、大まかな流れをしっかり掴んでおきましょう。

人生の中でも大きな出来事の1つである家の工事を満足のいくものにするためには、業者選びも大切です。

業者選びに悩んだときは、あらゆる工事やリフォーム業者を無料で一括見積もりできる『ミツマド』をぜひご利用ください。

厳しい審査基準をクリアした優良企業および職人をご紹介しているため、安心して工事を依頼できます。

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