ガルバリウム鋼板を外壁材に使うメリット・デメリット
ガルバリウム鋼板を外壁材に使用する場合、耐久性や耐震性に優れているなど多くのメリットがあります。以下より、ガルバリウム鋼板を外壁材に使うメリット・デメリットを解説します。
ガルバリウム鋼板の外壁材としてのメリット
ガルバリウム鋼板を外壁に使用するメリットは主に以下の7つです。
- 耐久性が高い
- ひび割れしにくい
- 汚れがつきにくい
- 耐震性に優れている
- 改修にかかる工期を抑えやすい
- シーリングの打ち替えが少ない
- シンプルでスタイリッシュなデザイン
ガルバリウム鋼板は、素材に含まれる亜鉛の防食作用とアルミニウムの耐食性により、錆に強く高い耐久性がある外壁材です。定期的にメンテナンスを実施すれば、耐用年数はおよそ20年から30年に及びます。
セメントと砂、水を混ぜて作るモルタルや、セメントを主原料とした窯業系サイディングの外壁は、時間の経過とともにひび割れが生じます。一方ガルバリウム鋼板は、金属系の外壁材であるため、ひび割れしにくいのが特徴です。表面に凹凸がなく、雨水を吸収しないため、苔やカビの発生も抑制します。
また、ガルバリウム鋼板は軽量であるため高い耐震性を誇ります。地震が発生しいた際、建材が重いほど揺れが大きく、建物に負荷がかかります。ガルバリウム鋼板は軽い外壁材であるため、建物にかかる揺れや負荷を軽減することが可能です。
軽量かつ柔軟性があるガルバリウム鋼板は、施工面でも優れています。
加工がしやすく現場での取り扱いが比較的簡単なため、改修時にも短時間で張り替えができます。
さらにガルバリウム鋼板は、窯業系サイディングに比べてシーリングの打ち替えが少なくて済みます。シーリングとは、建物の隙間や継ぎ目をシーリング材で埋めて気密性や防水性を高める作業のことです。シーリングを劣化したままにしておくと雨漏りを引き起こしかねません。
窯業系サイディングの外壁では、シーリング部分が雨風や紫外線にさらされているため、劣化が早く、こまめなメンテナンスが必要です。ガルバリム鋼板は、シーリング部分が部材で隠れるつくりになっているため、窯業系サイディングよりも劣化しにくく、メンテナンスの頻度が少なくて済みます。
ガルバリウム鋼板は、金属特有の質感でシンプルでスタイリッシュな外観にできます。おしゃれでモダンな住宅を求める方におすすめです。
ガルバリウム鋼板の外壁材としてのデメリット
ガルバリウム鋼板のデメリットは以下の2点です。
- 断熱性が低い
- 傷や凹みができると錆びやすい
ガルバリウム鋼板は薄い金属素材のため、熱を伝達しやすく断熱性が低い特徴があります。外部の温度変化が室内に影響しやすいことがデメリットです。
外壁メーカーが提供しているガルバリウム鋼板の外壁材は、断熱性を補うためほとんどが断熱材を組み込んだ一体型です。ガルバリウム鋼板の外壁材は、メーカー製品の購入を検討しましょう。
またガルバリウム鋼板は錆に強い外壁材ですが、まったく錆びないわけではありません。ガルバリウム鋼板は、一般的に厚さが0.35mm〜0.5mmと薄く、軽量な素材です。重い物が当たって凹みや傷が生じると、メッキ層を貫通して鋼板が錆びやすくなります。
表面が傷つくと赤錆が発生し、放置すると鉄の部分が次第に腐食します。錆による穴あきは雨水が侵入する原因となるため注意が必要です。
定期的なメンテナンスや傷の早期補修を怠らないようにしましょう。地域の気候や環境に応じて適切にメンテナンスすることで、鋼板の劣化を防ぎ耐久性を維持します。
ガルバリウム鋼板の外壁工事の費用相場
ガルバリウム鋼板の外壁工事にかかる費用相場について解説します。想定している予算で実施できるかどうかチェックしてみましょう。
ガルバリウム鋼板の外壁工事にかかる費用相場
ガルバリウム鋼板の外壁工事にかかる費用相場は、「張り替え」と「カバー工法(重ね張り)」のどちらの工法を採用するかによって異なります。
張り替え工法の費用相場はおよそ100万円〜270万円です。張り替え工法では、既存の外壁を撤去してから新しいガルバリウム鋼板を取り付けます。既存の外壁を完全に取り外す分、作業には多くの手間と時間がかかります。そのため費用が高額になりやすい傾向です。
一方カバー工法(重ね張り)の費用相場は、およそ120万円から255万円です。カバー工法(重ね張り)は、新しいガルバリウム鋼板を既存の外壁の上に重ねて取り付けます。既存の外壁を撤去する必要がないため、作業にかかる時間や手間が少なく費用を抑えられる点がメリットです。
張り替え工法は、費用は高くなりますが耐久性が向上できるのが特徴で、カバー工法は作業時間や費用を削減できるのが特徴です。どちらの工法を選択するかは専門家に相談し、予算や工期、外壁の状態などから判断してもらいましょう。
窯業系サイディングとの工事費用相場の比較
同じサイディングの一種である窯業系サイディングとガルバリウム鋼板の費用相場と工期の目安は以下の表の通りです。
外壁リフォーム費用相場 | 工期 | |
---|---|---|
ガルバリウム鋼板 | 120万~270万円 | 10~30日 |
窯業系サイディング | 130万〜230万円 | 10〜30日 |
ガルバリウム鋼板でも窯業系サイディングでも、工事費用は施工面積や使用する外壁材のランクなどで変動します。
施工方法も重要なポイントです。ガルバリウム鋼板は軽量なためカバー工法が適用できます。既存の外壁を取り除かない分、既存の外壁材の撤去にかかる費用や作業が必要ありません。工期や費用を抑えて施工可能です。
一方、窯業系サイディングは、ガルバリウム鋼板よりも重い外壁材でカバー工法には向いていません。窯業系サイディングでカバー工法を実施する場合には、耐震性に注意が必要です。
工期は天候や気温などによって変動します。たとえば雨が降ると作業は中断されます。雨が上がった後も乾燥を待たなければなりません。特に梅雨や台風が多い時期は、施工を避けることが一般的です。
ガルバリウム鋼板、窯業系サイディング、それぞれにメリット・デメリットがあります。どちらの外壁材が自宅に向いているか悩んだ時には専門業者に相談し、アドバイスをもらいましょう。
ガルバリウム鋼板の外壁が向いている人と向いていない人
メリットの多いガルバリウム鋼板の外壁ですが、リフォームの条件や住宅に求めるニーズによっては適していないことがあります。
完成してから後悔しないように、ガルバリウム鋼板が自分に向いている外壁かどうか確認しましょう。
ガルバリウム鋼板の外壁が向いている人
ガルバリウム鋼板の外壁が向いている人は以下のような方です。
- 工事費用を抑えてリフォームをしたい人
- 耐震性を重要視したい人
ガルバリウム鋼板は、金属の屋根材の中でも価格が比較的安価な屋根材です。
さらに軽量な外壁材であるため、張り替え工法よりも工事費が安価なカバー工法でリフォームをしやすい特徴があります。カバー工法は、古い外壁を撤去しないため撤去にかかる費用が必要ありません。作業期間も短くて済むため、早く工事を完了させたい方にも向いています。
またガルバリウム鋼板が軽量であることは、耐震性の向上にも繋がります。建物は建材が重いほど揺れが大きく、建物に負荷がかかるからです。
ガルバリウム鋼板であれば、地震時の揺れを軽減し建物全体の安定性を高めるられます。
ガルバリウム鋼板の外壁が向いていない人
ガルバリウム鋼板の外壁が向いていない人は以下の通りです。
- 音をできるだけ遮断したい人
- 塩害が多い場所に住んでいる人
ガルバリウム鋼板は金属屋根で音を反響しやすい性質があります。そのため遮音性が低く、音をできるだけ遮断したい人には向いていません。
たとえば交通量の多い道路や騒音の発生する工業地域など外部からの音が気になる環境では、ガルバリウム鋼板の使用は避けた方が無難です。音を遮断しつつもガルバリウム鋼板で外壁をリフォームしたい場合は、遮音性の高い「断熱材一体型」の製品でリフォームしましょう。
また海岸近くのような塩害が発生しやすい地域に住んでいる場合は、ガルバリウム鋼板が錆びてしまう可能性があるため、おすすめしません。
塩害が発生するのは海岸近くだけではありません。冬季には雪や氷を溶かすために道路に散布された融雪剤が、建物に付着して錆が生じることがあります。
塩害が発生する地域に住んでいる方は、塩害に強い素材や防錆処理を施した建材を選ぶことが大切です。
ガルバリウム鋼板に関するよくあるQ&A
ガルバリウム鋼板を検討しているとさまざまな疑問が発生します。しかし「こんなこと聞いていいのかな」と、リフォーム業者に聞きにくい場合がありますよね。
以下では、ガルバリウム鋼板に関してよくある質問を抜粋してお答えします。
ガルバリウム鋼板のメンテナンス時期の目安は?
ガルバリウム鋼板のメンテナンス時期の目安は、一般的に15〜20年です。ただし、強い雨風などの天候によって傷んでしまった場合は、早めにメンテナンスしましょう。
また錆が出てきた場合は、耐用年数に関わらず迅速に補修が必要です。錆はガルバリウム鋼板の劣化や腐食の兆候であり、放置すると穴があいて雨漏りする可能性があります。
定期的な目視点検や必要に応じた修理や補修を実施し、外壁の耐久性を維持しましょう。
ガルバリウム鋼板はなぜ人気がある?
ガルバリウム鋼板が人気の理由は、お手入れの手軽さとデザインの自由度の高さです。
ガルバリウム鋼板は、年に数回程度、鋼板表面を水洗いしてホコリを洗い流すだけで錆が発生するのを防止し、外壁を長持ちさせられます。水洗いで落とせない汚れは中性洗剤と柔らかいスポンジを使うことでお手入れできます。
また金属でありながらレンガ調や木目調の外装ができ、外装塗装のカラーバリエーションも豊富です。他の建材では難しいブラックなどのダークカラーも用意されており、モダンな雰囲気も楽しめます。
ガルバリウム鋼板の外壁工事はDIYできる?
ガルバリウム鋼板の外壁工事には高い施工技術を必要とするため、DIYはおすすめできません。
ガルバリウム鋼板は高い技術を持った人が行わなければ、施工不良で錆の原因を作ってしまったり、既存の外壁を傷つけてしまったりする可能性があります。塗装前には洗浄やマスキングテープでの養生作業が必要で、個人で行うには作業負担が大きいのも難点です。また高所作業のために足場の設置が必要なうえ、落下して怪我をする危険性もあります。
ガルバリウム鋼板で外壁をリフォームしたい場合は、費用はかかっても専門業者に依頼しましょう。
施工不良が起きた場合の保証制度を用意しているリフォーム業者もあり、保証内の工事であれば追加料金は発生しません。
外壁を高性能なガルバリウム鋼板でおしゃれにリフォームしよう
ガルバリウム鋼板を用いた外壁工事は、建物の外観を美しくするだけでなく耐久性や耐震性を高めるなど多くのメリットがあります。またメンテナンスの手軽さも魅力の一つです。
ただし、沿岸部などの環境によってはガルバリウム鋼板が不向きな場合があります。リフォーム業者に相談して住まいの状況を確認してもらい、自宅の外壁材として向いているかどうかを判断しましょう。
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