2024.06.03

スレート屋根とは?種類とメリット、工事費用相場、メンテナンス方法

スレート屋根とは?種類とメリット、工事費用相場、メンテナンス方法

美しい外観と優れた耐久性を備えた屋根を住宅に使いたいと考えていませんか?

そのようなお悩みの解決にはストレート屋根の設置がおすすめです。ストレート屋根は、定期的なメンテナンスを繰り返すことで長期的に美しい屋根を維持できる特徴を持っています。

様々な種類があり製品によって特徴が異なるため、使われている素材やメンテナンスの頻度をはじめとした基礎知識を知ることが必要です。

そこで今回は、スレート屋根の種類、メリット・デメリット、工事費用の相場やメンテナンス方法まで詳しく解説していきます。

あなたにとって最適な屋根を選ぶために、一緒に学んでいきましょう。

目次

スレート屋根の基礎知識

スレート屋根は軽量で施工が容易なうえ、耐久性に優れています。住宅の屋根材として広く使用されていて、多彩なカラーバリエーションが魅力です。

これから、スレート屋根の基本的な特徴と種類について解説します。

スレート屋根とは?

スレート屋根は、厚さ5ミリ程度の薄くて平らな板状の屋根材です。主な成分はセメントで、住宅の屋根に広く使用されています。

軽量で施工が容易なうえ、耐久性に優れているのがスレート屋根の特徴で、多彩なカラーバリエーションから好みの色を選べます。

美しい屋根を長く維持するには、定期的な点検とメンテナンスが大切です。破損したスレートは早めに交換し、塗装で美観を保ちましょう。

スレート屋根と折半屋根との違い

スレート屋根と折半屋根は、どちらも住宅の屋根材として使用されます。素材や形状など、違いは以下の通りです。

スレート屋根

  • セメントを主成分とした薄くて平らな板状の屋根材
  • 軽量で施工が容易
  • 多彩なカラーバリエーションから選択可能

折半屋根(折板屋根)

  • ガルバリウム鋼板などの金属製屋根材
  • 波型または山形に成形された形状
  • 高い強度と耐久性を持つ
  • 軽量で施工が容易

両者の主な違いは、素材と形状です。スレート屋根はセメントを主成分とした平らな板状の屋根材であるのに対し、折半屋根は金属製の波型または山形に成形された屋根材です。

スレート屋根と折半屋根(折板屋根)は、どちらも耐久性が高く、長持ちすることに加え、両者とも軽量で施工が容易な特徴を持ちます。

それぞれの特徴を理解して、自分のニーズに合った屋根材を選択することが重要です。

天然の石材の見た目を活かした自然な風合いを好む方、火災に強い屋根材を使いたい方、伝統的な家屋の外観にマッチした資材を活用したい方には、ストレート屋根をおすすめします。適切に維持管理すれば、100年以上持つ耐久性を秘めている素材です。

材料費と施工費が安く抑えたい方、簡単な施工により施工期間を短縮したい方、シンプルでモダンな外観にマッチした資材を使いたい方には、折半屋根(折板屋根)をおすすめします。軽量で、建物への負担が少ない点が大きな特徴です。

スレート屋根の種類

・天然スレート

天然スレートは、天然石を使用した屋根材です。天然石ならではの美しさと高い耐久性を持ち、色あせしにくい強さを持っています。

天然石を使用しているため、他のスレート屋根と比べて費用が高くなりがちです。

・化粧スレート

化粧スレートは、セメントを主原料として加工した屋根材です。天然スレートと比べて重量が軽く、優れた耐震性を持っています。
費用が比較的安い傾向にあるため、住宅地の戸建て住宅の屋根に広く使用されています。化粧スレートには、主に以下の3種類があります。

  1. 平板スレート
    シンプルで美しい外観を持ち、洋風の住宅に適しています。断熱性と遮音性が高く、耐火性にも優れていて、波型スレートに比べて価格が高めです。デザインのバリエーションは限られています。
  2. 厚型スレート(セメント瓦、モニエル瓦)
    平板スレートよりも厚みがあり、瓦のような形状をしています。耐久性と耐火性に優れ、好みの色に塗装できる自由度が魅力です。
    現在は製造が終了しており、新しく使うことはありません。耐久年数は約30年で、陶器瓦より劣ります。
  3. 波型スレート
    瓦のように波打った形状を持ち、和風の住宅に適しています。
    耐久性が高く、雨水の排水が効率的です。断熱性は平板スレートより劣る場合があります。

スレート屋根のメリット・デメリット

スレート屋根は価格や耐震性に優れたメリットがある一方で、定期的なメンテナンスが必要といったデメリットもあります。

以下では、スレート屋根のメリットとデメリットを詳しく解説します。屋根材選びの参考にしてください。

スレート屋根のメリット

スレート屋根の代表的なメリットは、以下の3つです。

  • 価格を抑えやすい
  • 軽量で耐震性が高い
  • 施工業者が多い

それぞれについて解説します。

  • 価格を抑えやすい
    スレート屋根は、施工に必要な部材がスレート本体以外にほとんどありません。材料費を抑えられるため、全体費用を抑えられます。
  • 軽量で耐震性が高い
    スレート屋根は、粘土瓦の約半分程度の重さです。軽量のため建物への負担が少なく、優れた耐震性を持っています。
    地震の多い日本では、耐震性の高さは重要な要素です。
  • 施工業者が多い
    スレート屋根は、屋根材として普及率が高く、多くの施工業者が扱っています。
    リフォームを検討する際に、複数の業者から提案を受けて自分に合った施工プランを選びやすい点がメリットです。

スレート屋根のデメリット

スレート屋根の代表的なデメリットは、以下の5つです。

  • 定期的な屋根の塗装にはメンテナンスが必要
  • アスベスト(石綿)が含まれている可能性がある
  • 破損しやすい
  • 色あせや汚れが目立ちやすい
  • 断熱性が低い

それぞれについて解説します。

  • 定期的なメンテナンスには屋根の塗装が必要
    スレート屋根自体には防水性がないため、定期的に屋根の塗装にはメンテナンスが必要です。屋根の塗装が剥がれてしまうと防水性が失われ、ひび割れが発生します。
    ひび割れを放置しておくと雨漏りの原因になる可能性が高いため、早めの再塗装が推奨されます。

  • アスベスト(石綿)が含まれている可能性がある
    古いスレート屋根には、アスベストが使用されている可能性があります。アスベストは、健康被害を引き起こすおそれがある有害物質です。
    アスベスト入りのストレート屋根を見分ける際は、必ず裏面の表示と製造番号のチェックをしてください。アスベスト入りのスレート屋根には、裏面に「a」と記載されています。
    アスベストは、2006(平成18)年に0.1%を超えて含有する物の製造・使用等が全面禁止されました。それ以前に建てられた住宅は、アスベストを含む可能性が高まるため注意が必要です。
    アスベストは他の建材と混合されているケースが多く、見た目だけでの判別は困難です。そのため、専門家に調査を依頼してアスベストの有無を確実に判断する必要があります。

  • 破損しやすい
    スレート屋根は、強い衝撃を受けると割れたり欠けたりしやすい性質があります。
    飛来物や落下物による衝撃で破損した部分は、早めに交換をしましょう。

  • 色あせや汚れが目立ちやすい
    スレート屋根は、経年劣化により色あせや汚れが目立ちます。美観を維持するために定期的な清掃が必要です。塗装をすることで、色あせや汚れを防げます。

  • 断熱性が低い
    スレート屋根は下地との間に隙間がないため、断熱性が低下します。

スレート屋根の工事費用の相場

スレート屋根の工事費用は、修理の種類や規模によって大きく異なります。

工事にかかる費用相場を、全体修理・屋根の塗装・部分修理の3パターンで確認しましょう。

  • 全体修理(屋根カバー工法や葺き替えなど)の場合
    スレート屋根の全体的な修理には、屋根カバー工法や葺き替えなどの方法があります。屋根カバー工法は、既存の屋根の上に新しいスレートを重ねる工事で、葺き替えは、古いスレートを撤去し新しいスレートを敷き詰める工事です。
    これらの全体修理の費用相場は、70万円~200万円程度です。
    屋根の大きさや損傷の程度、使用する材料などによって費用は変動します。

  • 屋根の塗装(部分または全体)
    スレート屋根の塗装は、部分的に行う場合と全体を塗装する場合があります。
    部分塗装は、損傷した部分やひび割れた部分を対象にした工事で費用相場は30万円程度です。全体塗装は、屋根全体を塗装する工事で費用相場は80万円程度です。
    塗装する面積や使用する塗料の種類によって費用は異なります。

  • 部分修理(コーキングや板金修理など)
    コーキングや板金修理などの部分修理は、比較的小規模な工事です。
    コーキングはスレート同士の隙間を埋める工事で、板金修理は屋根の端部分や谷部分などの板金を修理します。
    部分修理にかかる費用相場は、2万円~30万円程度です。修理箇所の大きさや損傷の程度によって、費用は変動します。

スレート屋根の耐用年数とメンテナンス方法

スレート屋根は、適切なメンテナンスをすることで長く美しい外観を保てます。

スレート屋根の耐用年数と、劣化のサインを見逃さないための定期的なメンテナンス方法について解説します。

スレート屋根の耐用年数の目安

スレート屋根の耐用年数は一般的に20~30年ほどと言われています。ただし、この年数はあくまでも目安であり、施工方法や使用環境、メンテナンスの頻度などによって、耐用年数は変動します。

例えば、熟練した職人が正確な施工方法で屋根を設置した場合と、間違って施工した(不適切な固定や防水不足など)屋根では、耐用年数に大きな差が生じます。適切な下地の準備や防水処理などが必要です。

気候や大気の環境によっても屋根の劣化スピードが変化します。
温暖な気候の地域では、スレート屋根の劣化速度が遅く耐用年数は長くなりやすいですが、極寒の地域や強い日射しにさらされる地域、都市部など大気汚染が激しい場所では、劣化が速まり耐用年数が短くなる可能性があります。

屋根の耐用年数を伸ばすためには、定期的(年に1~2回程度)に点検・清掃が欠かせません。小さな損傷を見つけたらすぐに適切な修理をすることで、劣化の進行を防ぐことが可能です。定期的な清掃や塗装の塗り替えをすれば、美観を保つことができます。

加えて、耐用年数がまだ先でも以下のような項目が代表的な劣化のサインです。

  • ひび割れ:雨水の浸入や強度の低下につながる
  • 屋根の反り・脱落:劣化進行につながる
  • 塗装の色あせ:防水性の低下や美観の悪化につながる

劣化のサインを見落とさず、必要に応じた点検や修理を実行しましょう。

スレート屋根のメンテナンス方法

美しい外観と長い耐用年数がストレート屋根の魅力です。ただし主成分がセメントのため、防水性(雨漏りなどのトラブル)に注意が必要です。

漏水などを防ぐには、定期的な業者への塗装依頼をおすすめします。

スレート屋根の塗装は、一般的に10年から15年ごとに実施します。
この期間は、屋根の状態や環境条件によって異なる場合があるため注意してください。

以下のような症状が現れた場合は、塗装を検討する目安です。

  • スレートの表面にひび割れや欠けが目立ってきた場合
  • 屋根の色が全体的に褪せてきた場合
  • 苔やカビが屋根の表面に広がってきた場合
  • 屋根からの雨漏りが発生した場合

これらの症状が現れた際には、できるだけ早めに専門業者に相談し屋根の状態を診断してもらうことが重要です。

塗装をすることでスレート屋根の防水性が向上し、雨漏りなどのトラブルを防げます。

塗装には屋根の耐久性を高める効果もあるため、定期的な塗装でスレート屋根の長寿命化を図れます。

塗装の時期や必要性は屋根の状態によって異なるため、専門業者による診断を受けた後に取るべき行動を実行しましょう。

スレート屋根の美しさと安心を守るために

スレート屋根は軽量で施工が容易な上、多彩なカラーバリエーションが魅力です。

セメントを主成分とするため、一定以上の防水性を保つには定期的なメンテナンスが欠かせません。劣化のサインに早めに気づき、適切な修理をすれば長期的なコストを抑え、住環境を整えられます。

スレート屋根の寿命は一般的に20~30年ほどですが、施工方法・使用環境・メンテナンス頻度によって大きく変動します。
専門業者に定期的な塗装を依頼して防水性や耐久性を高め、屋根の美観を保ちましょう。

信頼できる業者選びに迷ったら、一括見積もりサービス「ミツマド」がおすすめです。

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もし屋根のメンテナンスについて悩んでいるなら、ミツマドの無料相談を活用してみてください。

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